memo | ナノ

Nov 11th,2012(承太郎)


「おい、」

「なんじゃらほい」

「なんだその返事は」

「気にしないでおくれ。で?」

「で、じゃあねェ。布団の上で菓子食うな」

「ああ、ごめんち」

「普通に謝りやがれ。……それとさっさと降りろ」

「承太郎も欲しいの?」

「耳付いてるか?」

「はい、あーん」

「おい話を聞むぐ」

「さあ、咀嚼したまえ」

「……」

「あ、ちょ、指まで噛むな」

「……」

「まっ、やっ、」

「……てめーが悪い」

「え、嘘、やだやだ!」

「いただきます」

「ごめんなさいいいい!」


(謝っても遅いんだぜ)


Nov 11th,2012(ホルマジオ)


「ホ、ル、マ、ジ、オー!」

「うおっ、……いきなりタックルすんじゃあねェ!」

「ごめんごめんご!」

「……何の用だ?」

「あ、そうそう!ホルマジオさん、例のお菓子は持っていますかな!」

「は?例のお菓子?」

「ですよねー」

「何か約束してたっけか?」

「ううん、してないよ」

「じゃあ何なんだ?ハロウィンはこの間終わったしよー」

「今日はね、ジャッポーネのイベントで、ポッキーの日って言うのらしいよ」

「ポッキー?」

「うん。だからね、ほは、」

「どっから出したんだそれ。それと咥えて喋るな」

「はんはひはわ、はべへみはい?」

「……じゃあ、食うぞ」

「へひあはれ!」



(これはキスしてもいいんだよな)


Nov 1st,2012(承太郎)


「だーめ」
「……チッ」
承太郎の口から煙草を取り上げれば、紫煙と一緒に舌打ちが零れ出した。酷いもんだ。アスファルトの地面に煙草の先をグリグリと擦り付けて火を消すと、鞄から携帯灰皿を取り出して放り込む。
「おい」
「文句は受け付けませーん」
「文句じゃねェ。なんでてめーがそんなもん持ってやがんだ」
それとは何だろうかと承太郎の視線を辿って行けば、たった今煙草を入場させたばかりの携帯灰皿があった。これのこと?と首と共に傾げれば、こくりと小さく頷く。
「誰かさんがこれに入れるためのモノばかり吸ってるからねー」
くすくすと笑いながら言えば、承太郎が少しばかり目を見開いた。レアだね。
「オレの、煙草のためか?」
「うん、そう。それ以外に入れるもんないしね」
私吸わないし。不良じゃないもん。
まだ少し驚いている承太郎が珍しくて、何をそんなに驚くことがあるのかと不思議に思っていると、ぐいっと引っ張られて分厚い胸板と鼻がごっつんこする。地味にっていうか結構痛い。文句を言ってやろうと見上げれば、滅多にしない柔らかい表情を浮かべているのものだから呆気にとられて固まってしまった。
「オレ専用ってーのはいいもんだな」
ニヤリと笑った承太郎に唇と心を奪われてしまいました。


Oct 30th,2012(ブチャ)


「んー……」
「どうした、眠いのか?」
「うん、そうかも……」
「寝ても構わないぜ?」
優しく頭を撫でる手に誘われるように目の前の胸板にすり寄ってみる。殊更優しくなった手に心地よさが増して、眠気がどっと襲ってくる。
「何を我慢してるんだ」
「だって、ふたりきりのじかん、すくないんだもの」
もう既に回ってない呂律に笑いたくなる。ぼんやりとした頭で今言った内容を反芻してみる。何言ってるんだ私。
「あ、いや、今のは」
「あまり可愛いことを言ってくれるな」
ぎゅっと抱き寄せられて、ブチャラティの胸を飾るタトゥーが視界一杯に広がる。ああ、きれい。なぞるように手を這わせればビクッと跳ねたブチャラティの体。途端にぐるりと回った視界。
「誘っているのか?」
「え、ちが、」
「誘ってるんだよな」
何故か自問自答して私の首筋に顔を埋める。ちょっとブチャラティさん、私何も言ってないよ。
「いい匂いがするな」
「お風呂入ったばっかだからね」
「一緒に入ればよかったな」
「、ばか」
喉の奥でクツクツと笑うブチャラティに、変態、と続ければなんとでも、と言ってベッドから起き上がってしまった。少し、寒い。
「どこ行くの?」
「風呂に入ってくる。先に寝ていて構わないぜ」
「さっきも聞いた。行ってらっしゃい」
ちゅ、とまぶたに落とされた優しい優しい唇。バスルームに消えていく背中を見送って一人ぽつんと呟いてみた。

「一緒に入ればよかった」


Oct 29th,2012(仗助)


ねえ、仗助くん
あ?んだよ
わたし、恋しちゃったかも

「ぶーーーっ!」
「わ、汚い仗助くん」
ひとつ前の席に座って牛乳を飲んでた仗助くんは盛大にそれを吹き出した。冷たい目でそれを見れば、ぎろりと睨み返してくる。怖い。
「てめーのせいだろうがよォ!」
「仗助くんが勝手に吹いたんじゃない」
「うっ、そうだけどよ!……つーか、恋って誰にだ?」
さらりと話題を変えるように振られた質問。その質問はなかなか答え辛いものだ。だが、覚悟して言ったもんだから黙っている気はないんだけどね。
「ふふ、知りたい?」
「おう、知りたい」
「内緒にしててくれる?」
「オレぁ口は堅い方だぜ?」
「ホントかなぁ」
「ホントだっつーの!ホラ、さっさと言えよ!」
焦らすようにゆっくりとしゃべれば、その意図に気が付いたのか、答えを急かされてしまった。ここまで来ちゃったら言うしかないよなぁ。少し緊張で詰まる息を呼吸を深くして整えてみる。無駄でした。が、いつまでも黙ってちゃあダメだよね。
「あのね、相手はね、」
「おうおう」
声を潜めた私に合わせて同じように仗助くんも潜めてくれる。耳を寄せながら真剣に私の声に集中している姿はどこか可愛らしい。
「仗助くんだったりして」
「へ?」
少し誤魔化すような語尾になった。私の意気地なし。意気地なしじゃないやい、と大胆にほっぺたに口付てみる。あらら、もしかして私とんでもないことしちゃった?弾かれたように立ち上がる仗助くんをぼんやりと眺めていると、気が付いた。
「仗助くん、真っ赤」
「っるせェ!!」
伝染するように私まで顔が赤くなっていく。うわ、どうしよ。恥ずかしい。逃げるように視線を彷徨わせば、誰もいない放課後の教室だけが目に映る。がたん、という音と同時に私の体は仗助くんの腕の中にあった。
「オレも、だったりして」
その言葉に、私の目玉は零れ落ちそうになりました。



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