笑顔溢れる愛しさよ

 ふっと唇が離れてゆくと、そこには精悍な顔に瞳には欲情を全面に出した鳴戸の顔があり、龍宝はその顔を両手で包み、表情を緩ませて微笑んで見せる。
「おやぶん……好き、です。ムショにいる間もずっと、親分を想ってましたよ。ずっと、こうしたかったしこうされたかった。お慕い、しています」
「龍宝……俺は」
「いいんです、シャバにいれば誘惑も多いですし親分が自由人だということも、女好きということも知っていて自分からムショに入ったんですから。でも、こうして俺のところに帰って来てくれた。それだけで、もう充分です。例え、この時間がすぐに終わってしまったとしても、俺は……それだけで」
 じんわりと涙が滲んでくる。つうっと重力に従って涙が滑り落ち、シーツに染み込まれてゆくと鳴戸も龍宝と同じ仕草で両手を使い頬を包んできて親指の腹で涙を拭われる。
「だから泣くな。お前に泣かれるとどうしていいか分からなくなっちまうんだって。大きくなったのは身体だけか? この、泣き虫小僧が。かわいくてキレーな顔が台無しじゃねえか。泣き止みな」
「好き……おやぶん、好き……」
「そうかい、そうかい。俺も、お前のことをちゃんと愛してるぜ。だからこうして、こういうこともしたいし……」
 言葉が途切れたと思ったら、ぷちゅっと唇にキスが落とされ軽く吸われちゅっと音を立てて離れてゆく。そんな鳴戸の顔は満面の笑みで、さらに口づけられ角度を変えて何度も吸われるとやっと離れてゆく。
「な? キスもしたいし、その先にも行きてえ。全部、お前が好きだからだ。少しの時間しか付き合ってやれねえけど……」
「いい、なにも言わなくていいんです。今はただ、親分のすべてに溺れていたい……」
 互いに顔を引き寄せあって、ふわりとした真綿のキスを交わす。だがすぐにそれは激しいものになり、角度を変えつつまるで貪るように互いの咥内に舌を入れそして絡ませ合って食み合い、唾液を啜り飲みながらしきりに舌を動かして、鳴戸は龍宝の龍宝は鳴戸の何かを奪うようにひたすらに唇を合わせる。
「はっ、はっ……んっんっ、んん、んうっ、ふっ、うんっ……あ、あ、あっ……んむ」
 思わず啼いてしまうと、その啼き声も鳴戸に奪われしこたまナカを貪られ貪り唇を離す。すると至近距離に鳴戸の顔があり、じっと龍宝を見ている。龍宝も目線を逸らすことはせずに穴が開くほどに見つめる。
「おやぶん……」
 甘えた声で鳴戸を呼ぶと、ぷちゅっと唇にキスが落とされその片手が離れたと思ったら下に這ってゆき、きゅっと徐にペニスを掴まれ思わず身体がビグッと跳ねてしまう。
「っん!! あっ、だめ親分ソコは……ソコ、だめっ……いけません」
「なにがだめで、なにがいけねえんだ。ココ、触って欲しくねえか? んっ?」
「や……また、すっごく勃ってるんで恥ずかしいです。……浅ましくて、恥ずかしい……こんな、すぐに勃たせるなんて、いやです」
「いやっつったって、勃ってるんだろ? ほら、ココすっげえ硬くなってぬるぬるしてるぜ。ガマン汁すげえ出てる。ああ、さっき白いのも飛ばしたもんな。相変わらず、エッロい身体だぜ」
「や……そんな風に言われるのはいやです……淫乱みたいで、いや、です……」
「実際そうなんだから仕方ねえだろ。淫乱なのは変えられねえし、実際に淫乱なんだから、それはしょうがねえよ」
「……淫乱じゃないです。ただ俺は、おやぶんが好きなだけで……好きなら欲しいと思うのは間違ってますか?」
 龍宝の言葉に、鳴戸は鳩が豆鉄砲を喰らったような顔を一瞬浮かべ、後笑顔に変わる。
「やっぱ、お前はかわいいわ。すっげえ、かわいいわ。そんな、かわいこちゃんにはイイコトしてやろうな」
 鳴戸が身体を起こすと急になんだか寒く感じる。体温が恋しくて思わず腕を伸ばすと、手を取られちゅっと手の甲に口づけられ、そのまま離れていってしまうと龍宝の足の方へ回り思い切り跨いで、目の前に龍宝のペニスが来るように移動してゆく。
 どうしても期待を篭めた目で見てしまう。久々に、他人の手でココをいじられる。興奮により、こぷこぷとペニスからカウパー液が零れ、下腹と先端で糸を引ききらきらと光るソコを、鳴戸は両手で持った。
 左手は根元に、右手は亀頭に押し当てられ遠慮もなく亀頭部分をごしごしと擦ってくる。そのあからさまな快感に、思わず高く啼いてしまう。
「んああっ! ああっ、あっあっあっあっ、やっ、あっ!! ああっ、あああう気持ちイイッ! やっ、やっ、イイッんっイイッ!!」
 すると急に手の動きがゆっくりになり、親指の腹で鈴口辺りの先端部分をゆっくりと嬲るように擦られ、その絶妙な指の動きにますますカウパー液が溢れ出て手の滑りを良くしてしまう。
 扱くたびにねちょねちょといった粘着質な音が響き、龍宝の羞恥を引き出してくる。
 そしてたまに亀頭を親指と人差し指で潰すように刺激されると、たまらない快感が湧き出してきて、思わず腰を捩ってしまうがそれでも鳴戸は追ってきてさらに強い刺激を強いてくる。
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