愛すべき侵略者

 その様子に、またしても龍宝は顔を赤らめた。あれは、自分と絡んで興奮したから勃ったモノ。そう思うと、この先の行為にどうしても期待が募る。
 だが、龍宝にはやらなければならないことがある。後ろ、所謂アナルをいじられる前に鳴戸の男を愛してやりたいのだ。商売女に負けるわけにはいかない。
 妙な意地だが、通したかった。夢中になって欲しいのだ。今よりもさらに、高いところで愛されるためにも。
 そうして決心を固めていると、鳴戸が股間を膨らませながら戻ってくる。
「あったあった。なんか分からねえけど、小分けにされたクリームがあったぞ。……ん? どうした」
「親分……こっち、こっちに来てください。俺……」
 裸の身体を起こし、ベッドの縁へと腰掛け鳴戸の腕を掴み身体の正面へと持ってくる。そして、徐にベルトに手を掛けた。
「お、おい龍宝! なにして」
「……俺は、男です。ですが、口は同じですから。男も女も、それは変わらないでしょう……? だから」
 慌てる鳴戸を無視し、ベルトを外してしまい下着ごとスラックスを擦り下げるとびいんと下着に引っかかって鳴戸の長大が飛び出てきて龍宝の顔を打った。
「気持ちよく、なってください。俺の口で、良くなって……」
 上目遣いで舌を出し、ゆっくりと先端を舐める。発情した濃いオスのにおいがする。だが、嫌悪はまるで無く、どころか興奮すると思う。
 そのまま先端をゆっくりと咥え、亀頭を飲み込みそこで少しピストンしてみるとむくむくっと大きく成長を遂げるソレに気を良くし、大胆にストロークしてみることにする。
「ん、あ……イイな、龍宝、イイぞ。上手だ。ああ、イイ……ッ」
「ん、ん、ん……んむ、んぐ」
 裏筋を舐め、鳴戸の引き締まった身体を撫でつつノーハンドでのストロークで責め立ててみると、腰がぶるっと震えたのが分かった。
 また裏筋を今度こそ丁寧に上から下へと舐め上げ続けると、鈴口から大量のカウパー液が溢れ出してきて、龍宝の口元を濡らしてゆく。だが、気にせずタマもしっかりと口に含んで舐めしゃぶると、イイコイイコされるように頭を撫でられ、思わず笑んでしまう。
「お前、口上手いな。何処かで練習したとか? んなわけねえか。イイコだぜ、龍宝。気持ちイイ」
「ん、うん……ん、ん、ん……んむっ、んっ……」
 一度ペニスから口を離し、鳴戸の股ぐらに顔を突っ込む勢いで下側から舌を出してタマをちろちろと舐るように刺激してやると、タマも膨らみ真ん丸に形を変えさらにカウパー液が零れ出し、床にしとしとと雫が落ちる。
 そうしたところで鳴戸を誘導するようにベッドに押し倒し、足の間に身体を入れる形で屹立したモノの先端を舌でちろちろと舐めてやると、ペニスがぴくんと跳ねた。
 そのまま緩いストロークで徐々に追いつめてゆく。時には手も使い、扱きながらタマを舐めたり裏筋を尖らせた舌先でなぞったりと様々な刺激を与えてやる頃には鳴戸のペニスはかなり大きく育っており、今にも達してしまいそうだ。ピクピクと蠢く血管がいやらしいと思う。
 なんならイってもらっても構わないと、片手で身体を撫で片手はペニスの根元を持ち、口だけでストロークしつつ、亀頭だけは入念に刺激してやる。
「りゅ、龍宝! そんなにされたらイっちまうって!」
「ん、ん、んっ……? いい、ですよイっても。俺はべつに、それでも構いません。親分が気持ちよくなってくれれば、それでいいです。今日はそのつもりでいましたから」
「ばかなこと言ってんじゃねえの。ほら、今度はこっちの番! まったく、俺だけよくなったって仕方ねえだろ。セックスっつーのはそういうもんじゃねえの」
「えっ……あっ!! やっ、この体勢っ……!」
 無理やり鳴戸が起き上がってきたと思ったら、そのまま肩を掴まれ押し倒されてしまい、その拍子に両脚が勝手に開いてしまう。
 羞恥で顔を真っ赤に染めていると、開いた足の間に鳴戸が身体を入れてきて両足共に宙に浮いてしまうことになる。
「お、おやぶん!」
「いいから、黙ってな。散々気持ちよくしてもらったからな。次は俺からいくぜ」
 ぐいっと身体を伸び上がらせ、龍宝の目の前は男らしい顔つきをした鳴戸のドアップだ。思わず目を見開くと、唇に優しい感触が拡がると同時に、見えていた鳴戸が目を閉じた。何とも言えないその色気につい口を開いてしまうと、するりと舌が咥内に入り込んでくる。
「ん、んっ……んん、んう」
 舌を大きく舐め上げられ、そのまま上顎を丁寧に擦り上げてくる。ぞくりと背に走る快感に、ひしっと両手を鳴戸の頭へと回ししがみつく。
 口づけは暫くの間続き、最後はただ触れ合うだけに留まったところで漸く鳴戸が離れてゆく。
「は、はっ……お、おやぶん……」
「さーて、いってみるか、後ろ。ちっと気持ち悪いかもしれねえけど、我慢な」
 こくっと、龍宝はのどを鳴らした。とうとう来てしまった、この時。
 じっと鳴戸を見つめると、身体を起こした鳴戸は手と口でクリームの入った袋を破り、中から白色のねっとりしたクリームを捻り出し、後ろに手を差し入れられた。
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -