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 ふっと身体から力が抜け、ベッドにすべての体重を預けたところでころんとひっくり返されてしまい、足をM字に開かされると早速アナルにペニスが収められ、遠慮のない律動が始まる。
 そのまま貪るように腰を使われたことで、鳴戸がそろそろイク準備に入ることが分かり龍宝も身体のリミッターを外してそのままの鳴戸を受け入れることにする。
 元々、イキそうではあったので自分で我慢というものを無くしてしまえばあっという間にイキの波が龍宝を飲み込みそして攫ってゆく。
「ああっ、あっあっ、んっんっんっんっ! はあっ、はあっはあっ、おや、おやぶん気持ちイイッ? ちゃんと気持ちイイッ? はあっああっ、んんんっ!」
「気持ちよすぎてヤベエくらいだ。イっちまいそう。はあっ、サイコーに気持ちイイ」
 足から手が外されると、鳴戸が身体を伸ばしてきて龍宝の頬を両手で包み唇をペロリと舐められる。すぐに口づけに応える形で口を大きく開くと、当たり前のようにして鳴戸の舌が入り込んできてナカをしゃぶられ、龍宝もしゃぶり返すと応酬になり散々濃厚なキスをして唇が離れてゆくと今度こそ、イクつもりなのだろう、腰の動きが乱雑になってくる。
「はあっはあっ、おやぶん、おやぶんイクッ! ああああイキそうっ! い、い、イクッ……! 一緒、一緒に、おやぶんと一緒にイキたいっ! おや、おや、おやぶんっ!!」
「ああいいな。イこうぜ、一緒に。じゃ、ラストスパートいくぞ! ついてこい龍宝!」
 それからの追い上げはすさまじいものがあり、鳴戸が腰を打ち付けてくるたびにパンパンパンパンと肉がぶつかり合い、動きは高速になってだんだんどちらにも余裕が無くなってくる。
 そのうちにやってくる、強烈なまでの射精感。それはあっという間に龍宝を飲み込み、シーツを逆手に握って最後のイキを訴える。
「イクッ! おやぶんイクッ! ああああイックううううっ!! イクイクイクイクイクッ! あっだめホントに、ホントにイックううううっ!! ああっあっあっあー!!」
 頭の中が真っ白にスパークし、下半身に集まっていた熱がザーメンという形で鈴口から噴き出し、それを追う形で鳴戸もイった。
「ああああクッソ、俺もイクッ!! おい、お前ン中ブチ撒けるぞ! 中出ししてもいいなっ? 聞いてっか、中出すぞ!! あー! ちくしょうイっちまうっ!! イクイクイクイクッ!! イクッ!!」
「だ、出してっ! 中出してくださいっ!! おやぶんの、おやぶんの白いのちょうだい! ナカ、いっぱい出してっ!!」
 二つの身体がガクガクガクッと捩れ傾ぎ、龍宝は自分の腹と鳴戸の下腹に精をブチ撒け、鳴戸は叩きつけるようにして限界まで龍宝のアナルへペニスを叩き込みそこで中出しをしてしまう。
「はあっ! あっあっ、おや、ぶんの、あっつい汁がっ……ナカいっぱいに拡がってるっ。うああ、熱い、熱いいっ……はあっ、すっごく気持ちイイっ、イイッあっ、イイッ……! んんんんっ、はあっ」
「あー……イっちまってる。お前ン中注いじまってるわ。すっげえ、気持ちイイなこりゃ。ふうっ、すっげ、イイッ……!」
 どっと鳴戸が倒れ込んできて、龍宝の首元へ顔を埋めながら呼吸を整えている様子。龍宝はそんな鳴戸の背に腕を回して抱きつき、息を吸って吐き興奮を逃がすようにして射精後の余韻に浸り切る。
 すると、部屋はいつの間にか沈黙に包まれた。
 鳴戸は龍宝の上に乗ったまま離れず、龍宝も離れたくなかったのでそのまま腕を回し続けていると、徐に鳴戸が動き腕を振り解かれてしまうと、妙に冷静な表情を浮かべてアナルからペニスを抜き出している。
 まるで嵐のような情交が終わりを告げるとやってきたのは静寂で、龍宝は鳴戸の隣で寄り添うようにして横になっているとぽつりと鳴戸がこんなことを言った。
「もう、止めにするか」
 なんのことを言っているのか、瞬間的に分かった龍宝は身体を起こして鳴戸に縋り何度も首を横に振る。
「だめだ。まあ、極道に道徳とか笑っちまうかもしれねえけどよ、もういい加減止めねえと」
「何故……? 急にどうしてっ……! さっきまで、あんなに愉しかったのに、親分だってそうでしょう? 愉しい時間を過ごしてたのにどうして……!? 止めにするって、なんでっ」
「俺だっていろいろ考えた。だから最後くらい、愉しくヤらねえとと思っただけさ。別れ際はあっさりとってのが俺の流儀だ。しんみりするのは好きじゃねえ。止めよう、龍宝。止めないと……」
「止めないと、なんです。べつに、多くを望んでるわけではないんです、俺は。ただ、いつまでもこういう時が続けばと」
 鳴戸は首を横に振り、龍宝に背を向けて寝転んでしまう。
「鳴戸親分!! だったらじゃあ、こんなにのめり込んでしまう前にどうして今の言葉を伝えてくれなかったんですか。今さら、止めるとか……勝手なことを。別れ際はあっさりと? こんなにたまらなく幸せな時間を与えておいてハイさよならですか。そんな残酷なことをよくもっ……!」
「龍宝……」
「俺はいやです! これからも強請ります。抱いてくれと、親分にいつまでも強請り続けます。それが、俺の……あなたに向ける、気持ちです」
「あのな、龍宝」
「分かっているんです。この気持ちが抱いてはいけないものだということも、親分にとって重荷だということも。それでも、この感情を止めたくない。止めては、いけないと俺の中の誰かが言うんです。諦めたくない。どうしても、諦めきれない人それが、あなたです」
 鳴戸は龍宝の強い言葉に、絶句してなにも言えない様子だ。
 ただ黙って、真剣な顔をしてじっと龍宝を見つめている。
「これがきっと、恋というものじゃなく、愛と言うんだと俺は思います。……愛していては、いけませんか……? 鳴戸親分、あなたのことを」
「俺より先に答えを見つけるなんざ、一端になりやがったな。まったく、まいるぜ。俺の言葉全部、持って行きやがって。俺も、お前を愛してる。幕引きの時間は永久にやって来ねえと思えよ。俺のモンになれ、龍宝」
「……はい! ついていきます、親分。ずっとあなたの背を見てどこまでも」
 恋はいつの日か、愛に変わって恋愛になる。

Fin.
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