生まれ変われるなら

 まるで食べてくれと言わんばかりのその様子に、鳴戸の興奮はマックスに達しようとしていた。龍宝も同じく興奮しているのか、いつもよりも血色の良くなった赤色の唇は無防備に開いて呼吸している。
 その息を止めんばかりの勢いで唇をぐりぐりと押しつけ、テクニックもへったくれも無い口づけを施すと、龍宝の両手が上がり背に回って柔く爪を立ててきて、その微かな感覚にも興奮してしまう。
 随分と男の煽り方が上手い。
 ゾクゾクするほどの欲情が、腹の底からせり上がってくる。それを何とか抑えつつ、今度は丁寧なキスを心がけるよう、怯えさせないようにゆっくりと時間をかけて龍宝の赤色に光る唇に口づけを落とす。ふわりとしたそれに、下敷きになっている身体がピクリと動いた。
 そのまま何度も触れるだけのキスをしていると、背に回っている指に力が入り瞑っていた目を龍宝は開け、瞳を揺らしながら強請りの言葉だろう文言を口にしてきた。
「焦らすの、上手すぎません……? なんか、やっぱり俺じゃだめですか……? 興奮、しませんかやっぱり」
「なんでそう思うんだ?」
「……さ、最初はすごくがっついて来てくれていたのに、途中からすごく、ゆっくりになってしまってやっぱり男相手じゃ、いやなのかなと」
「怖がらせたくないんだよ。だってお前、怖いだろ?」
 すると、切なさを絵に描いたような顔をして首を何度も横に振る。
「もっと、欲しがってもらえると嬉しい、です。欲しく、ないですか……? 俺のこと」
 そう言って長い睫毛を伏せる龍宝の姿を目にした途端、火がついたように身体が熱くなる。本能の赴くがまま、龍宝の頭を抱え乱暴に唇を奪い先ほどと同じく無理やりにかすかに開いている口へと舌を捻じ込み、咥内をくまなく貪る。舌という舌、上顎などを舐めたくり溢れる唾液をのどを鳴らして飲み下す。歯列をなぞったりもして散々蹂躙して唇を離すと、息を荒くした龍宝が欲情を瞳に浮かせながら薄っすらと笑んだ。
 その笑みの妖艶なことといったらなかった。
 またしても我を忘れた鳴戸は、龍宝のうなじに顔を埋めそこに何度も口づけを落とす。手は、休めることなく肌に這わせ、手のひらからまずは肌を犯してゆく。
 しかし、若いからなのかなんなのか男の肌とは思えないほどのきめの細かさで、さらに今は汗をかいているのか、しっとりもしていてなんとも気持ちがイイ。まるで手のひらに吸いついてくるようだ。これほどの上物には、流石の鳴戸でもなかなか出会えない身体だと言える。
 そして、かおりもいい。女のように香水のかおりではなく、人体からかおる柔らかくて温かな肌のにおいは容易くさらに欲情を運んでくる。
 どうせ後から風呂に入れればいいと思い、首筋を大きく舌を出してべろりと舐めるとビグビグッと下敷きの身体が跳ね、そして色っぽい溜息を漏らしたのが聞こえた。
「あっ……は、あぁっ……ん」
 そのまま肌に口づけながらだんだんと顔を下へと持ってゆき、ぽつんと出っ張った乳首を乳輪ごと口に含み唾液と合わせてクチュクチュと音を立てながら舐め吸ってやる。
「はあっ! あ、あ、ああっ、あっ……! んんっ!」
 なんとも色のある喘ぎだと思う。もっと啼かせてみたくなり、片手をもう片方の乳首へと持ってゆき、ぎゅっと抓んで持ち上げつつ、先ほどと同じく乳首を責めてやると下になっている身体が戦慄き始め、勃ったペニスが気になるのかもじりっと身を捩ったのが分かった。
「硬くなってきてるぜ、お前の乳首。どうだ、イイか?」
「は、あっ……イイ、イイ、です。良すぎて、オレッ……あ、ああっ!」
 両手を使い乳首を抓み上げてやると、またしても甘やかな声を出して言葉は喘ぎとなって消え去った。
 どうやら、かなりイイらしい。最初はかすかなぽつんとした玉のような乳首が今ではしっかりと勃ち、今か今かと刺激を待っている。
 その勃った乳首を、舌を出してチロチロと舐るようにして動かしてやると「あああっ……」と溜息のような喘ぎを漏らし、乳輪ごと口に含むと今度は「うんっ……」と、小さな子どもが愚図るような吐息をつく。
 なんとも、艶めかしい様だと思う。身を捩らせて快楽に沈む龍宝の美しさに、もはや完全にやられてしまっている鳴戸だ。
 思い切って手を下へと持ってゆき、反りかえって腹にくっ付いている龍宝のペニスを下から上へ、ずいっと撫でてやる。
「あっ……はあっ!! あ、うっ……ううっあっ!」
「未だちっとしか触ってねえだろ。結構やらしいなお前」
「そ、んなこと、ないです……! ああああ、無い、はずっあっ!」
「撫でてるだけだろー? エッロい声出してやーらしいな龍宝」
 そのまま撫で続けてやると、カウパー液が達したかと思うほどまでに溢れ出てきて龍宝の腹と鳴戸の手にべったりと付着してくる。
「んンっやっ! あっ、いやです、や、だあっあっ!」
「かーなり感じてんな。感度いいのか?」
 すっかりと巨大に成長したペニスは、ビクビクと跳ね震えながら鳴戸の手の動きに合わせて反応を示してくる。
 左手を龍宝の首下へ差し入れ、キスを施しながらさらにペニスに刺激を与えてやることにする。ただゆるゆると撫でるだけでももはやそれは暴発寸前の勢いで屹立しており、当の龍宝も眉を寄せて随分とつらそうだ。

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