気になるあの子のあのコト

 この先に待っていることを考えると、これは一回、イかせておいた方が楽ではないか。そう判断した鳴戸は、ゆるりとペニスを握り上下に擦り始める。するとまたコプコプと鈴口から溢れ出るカウパー液が、鳴戸の手の動きを助けるように滑りを良くしてくれる。
 かなりの大きさに育ったペニスを、激しく扱く。そのたびにくちゃくちゃくちゃくちゃと粘着質な音が立ち、時折親指の腹で亀頭を撫でるように刺激してやると、そのたびごとに龍宝は反応を示し甘やかに啼く。
「はあっ! あ、はっ、はあっはあっ、あァッ! あッアッ……!」
 手のひらが熱い。摩擦で熱いのか、龍宝の熱の所為なのか、それとも両方なのか。ドクドクと血管が卑猥に脈打ち、時折ピクピクと細かく動く龍宝のソレ。確かに男の持つモノに違いないのだが、触れることに対してはまったく抵抗ないのが不思議だ。どころか、その痴態に見惚れてしまっている自分にも驚く。
「んっあっ……お、おや、おやぶん、気持ち、イッ……! 良すぎて、イ、クッ……」
「そうだな。一回イっといたほうがいいかもしれねえ。未だ俺、挿れてねえことだし。イっとくか?」
 目を硬く瞑り、無言で何度も首を縦に振る龍宝。またしても色っぽい吐息をつき、顔を近づけてくる。どうやらキスのおねだりらしい。
 それに応えてやるよう、唾液で濡れ光る赤色の唇へと口づけを落とし、ナカを探るように舌を動かす。すると、なんと今までされるがままだった龍宝自ら舌を絡めてきて互いに緩く噛んだり、舐めたりを繰り返す。甘い味が口中に拡がり、なんとも心地がいい。癖になりそうな甘さだ。
 その間も、ペニスを刺激することは忘れず積極的に手を動かして少しずつ、追い上げてゆく。
「ああっ、んっ、あああああ……! んっんっ、んく、んむっ……」
 啼きたいのだろうが、鳴戸の唇が龍宝の唇を塞いでいるため満足に啼けずにいるらしく、苦し気に眉を寄せ、鳴戸の背を軽く何度も引っ掻いてくる。
 そっと唇を離してやると、名残惜し気に銀糸が二人の唇を繋ぎそれを追うようにして龍宝が口づけてくる。とうとう、追いかけ合うようにして鳴戸が口づけたり龍宝から吸いついてきたり、軽いキスを繰り返すと、くすぐったそうに喘ぎながら龍宝が笑う。
「あっはっ、んんんっ、んあっ、あっあっ! んっあうっ! お、や、ぶんっ……!」
「お前はかわいいな。よし、そろそろイっておくか。龍宝、イキたかったら我慢せずイけよ」
 その言葉に、嬉しそうに龍宝は頷きしっかりと片腕を鳴戸の背に回してしがみついてくる。なんともかわいらしいことだ。
 本格的に絶頂に導くため、逆手にペニスを持ち亀頭だけは手のひらの真ん中ら辺りを使って撫で回し、サオを上下にぐじゅぐじゅといわせながら高速のペースで扱き上げてやると、龍宝の身体が戦慄き出し、吐息もさらに早まってゆく。
「はあっはあっはあっはあっ、ああっあっあっあっ! ああっ! イ、イイッ! イイ、です、イイッ!」
 そろそろイク頃だろうか。ペニスはさらに大きさを増したようで、カウパー液の量も多くなって垂れ流れている。これは、相当我慢している証拠だ。
 仕上げとばかりに亀頭ばかりを手で撫で回したくってやると、龍宝がますます硬く目を瞑り目に見えて震え出す身体を鳴戸に押し付けてくる。
「だめ、だめ、ですっ……イ、イ、イクッ……! イキますっ、ああああイクッ!」
「よしいいぞ。イっちまいな、怒らねえから。我慢してたんだろ? ほら、イけって」
「や、あ、あっ……! あああああ!!」
 握っているペニスがぶくぶくぶくっと膨らみ、亀頭も同じく大きく膨張したと思ったら勢いよく、ペニスからザーメンが何度にも分けて手のひらへ向かって吐き出されてくる。
「んあっ! あっあっあっあっ、イ、イってる、イってる、イ、いっ……んあああああ!!」
 龍宝の身体が反りかえり、身体がビクビクビクビクッと妙な具合に跳ね上がりながら射精するその姿は、昼間と同じく色っぽいもので背に回っている手に力が入り、爪が皮膚に食い込む。
 この切なげな表情はどうだろう。妖艶であり、また純粋に射精を愉しもうとする貪欲さも兼ね備えた龍宝に、のどが鳴って止まない。
「うっあっはっ……はあっはあっはあっはあっ、イ、イった……」
「よし、かわいくイけたな、龍宝」
 瞑っていた龍宝の瞼が、徐々に開いてゆくとそこには欲情に塗れた瞳が顔を出し、鳴戸を射抜いた。
 まるで吸い込まれるようにして口づけてしまうと、すぐにでも反応した龍宝が舌を出して来たので絡め取りながら舌に乗った唾液をぢゅぢゅっと音を立てて吸う。先ほど達したからか、さらに甘く感じる咥内をまさぐり、唇を離す。
「は、は……おやぶん……」
 腹にザーメンを飛ばし、鳴戸の手を汚しながら絶頂に達した龍宝の身体からはすっかりと力が抜け、かろうじて背にまだ腕が引っかかっているのが信じられないくらい、蕩けてしまった様子で頬を真っ赤に染め上げているその様子に、またしてものどが鳴る。
「さて、今からはちーっとお前にとってはきつい時間になるかもしれねえが、すぐに気持ち良くしてやるから我慢な」
「は、はい……あの、尻、しりを、いじるんですよね……?」
「まあ、いやかもしれねえけど仕方ねえよなあ」
 その鳴戸の言葉に、龍宝は少しだけ表情を硬くした後、かすかに笑んで頷く。
「そこでしか親分と繋がれないのであれば、俺は我慢でも何でもします。……相手は、親分ですから」
 この絶対的な信頼に、どうあっても応えなければならない。

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