敏感肌にはHなキスを

 なにかぞくぞくとした快感が何度も背を走り抜ける。ペニスに触れていないのに感じるこの快楽もそうだが、鳴戸とセックスすると毎回いつも何かしら発見がある。
 それは鳴戸の身体だったり、龍宝のことだったりと交われば交わるほど深く、鳴戸を知っていけるそんな気がしてずっと片想いで終わるはずだったそんな恋が、実ったような気分にもさせてくれるのだ。情交にはそういった力がある、と龍宝は思っている。
 しかし、言葉にしなくては伝わらないことも知っている。だからこそ、セックスの最中だけは素直になろうと思っているのだ。
 言わなくては、なにも通じない。分かってもらえない。こういった関係が始まる前はそれでいいと思っていたが、もう後戻りはできない。帰り道は無い。退路は断った。後は前進あるのみ。
 そう強く思えたのも、もしかしたら今回のこの旅行に誘ってもらえたのがきっかけなのかもしれない。
 つらつらと他所事を考えていると、いきなりだった。
 へそにひどい痛みを感じ、慌てて下を見るとへその一部分に鬱血痕があり僅かに押された痕も見えたため噛まれたのだと分かった。
「おやぶん! なにをするんですいきなり、痛いですよ!」
「オメーが悪いんだろ。俺とこういうことしてる最中に考え事なんてしてっから悪ぃ! ほれ、集中集中! それとも未だへそが舐め足りねえか」
「そういう、わけじゃ……っん!! あっ……!」
 噛まれた部分を舌で突かれるとずんと重い痛みのようなものが襲ってくる。正直、あまりそこは触れて欲しくは無いが鳴戸はやたらとそこばかりを舐ってきて、また強くぢゅっと吸われる。
「んっ!! お、おやぶんが無茶するから痛いです! 止めてくださいソコ舐めるのは」
「機嫌悪くすんなっての。元々はお前が他所事考えてっからだろ?」
 すっかりむくれる龍宝だ。
 だが、鳴戸はそんな龍宝を優しい眼で見て笑み、身体を伸び上がらせて額にキスを置いてくる。
「怒んなって。かわいい顔が台無しだぜ。ほら、ほらほら」
「やっ、ちょっとおやぶんっ!」
 鳴戸は笑いながら両頬にキスを落としたり鼻の上、額、首筋と幾度もいろいろなところにキスを落としてきて、そのくすぐったさと愛ある行動にすっかりと絆され、漸く笑って鳴戸のキスを大人しく受け入れると、最後、唇にキスが落とされる。
 半開きだった咥内へ舌が侵入してきて、当たり前のように口を開くとぬるりと舌を大きく舐められる。
 鳴戸と龍宝の味が混ざり合った唾液を啜り飲むと、不思議と心からの幸福を感じる。
 夢中になって舌と舌とを絡ませ合い、柔く噛んだり時には歯列をなぞったりと互いが互いともしたいことをしつつ、濃厚な口づけの時間が過ぎてゆく。
 その頃にはすっかり龍宝の息は上がり、射精感も蘇ってくる。
「機嫌、治ったか? んっ? 俺のかわいこちゃんよ」
「俺はかわいくない……」
「そうやって言い返すところがかわいいんじゃねえか。お前はかわいいぜ、龍宝」
 言葉と共に頬を片手で包まれ、思わずその手に擦り寄ってしまうと親指の腹ですりすりとすべすべの頬を撫でてくる。
「ホント、かわいいよなあオマエは」
 蕩けそうな声色でそう言われ、思わず赤面してしまう龍宝だ。
 照れくさくてたまらなく、思わず下を向いてしまうとまたしても額にキスが降ってくる。
「顔を上げな。イイコにしてろ、さっきの続きをする。へそからまたやり直しかなこりゃ」
「未だへそを? も、もういいです。もうへそはいいですから」
 だがしかし、鳴戸は引かずくしゃくしゃっと髪を掻き混ぜられたと思ったら、胸の中央に唇を落とし、胃の上そして下腹にキスを繰り返して時折舐め、とうとうへそに行き着くと大きく窪みを何度も舐められ、その刺激と快感に身体がブルッと震えてしまう。
「ああ、ああだめです、だめです親分っ! そこっ……だめっ……! あっ……!!」
 へそ周辺が熱を帯びるほどに執拗に舐めしゃぶられ、一度は沈みかけていた快楽に火が灯り、つい大きな声で啼いてしまう。
「んっああああ! ああっあああう、き、きもち、きもちいっ! や、あっ、おやぶんっ! あっあっ、おや、ぶんっ! きもちいっ!」
 すぐに欲情に火がつき、足が勝手にビグビグと震えてしまうと徐に鳴戸の手が蠢き出し、指で解れたアナルを突いてきて、つぷっと音を立てて指が挿れられる。
「んあっ!! んっ、ソコ、ソコはっ……ああああだめです、だめ、だめっ……! 狂うっ……!」
「いいよ、狂っちまえよ。そしたら何も考えることなんてできねえからな。狂っちまえ龍宝。お前のイイトコ、めちゃくちゃにしてやるからよ」
 すぐに指はGスポットに行き渡り、絶妙な力加減で撫で擦って来てはへそを舐めての二点責めに、身をくねらせて悶えながら快感を訴える。
 痛くもなく、ただただ身の内から送られてくる快感に勝手に身体が逃げようとしてしまうが、指はどこまでも追ってきてひたすらにGスポット責めを繰り返してくる。
 しこったクルミ大の塊が、悦んでいる。中でも弱い部分を擦られると勝手に腰が跳ね、声が出てしまうのが止められない。
「ああっ! んっあっあっあっ、おや、ぶんっ! きもち、気持ちいっ! い、い、イっちまうそうっ……!」
 一度溢れ出た射精感は一気に龍宝を飲み込み、Gスポットの弱い部分だけを集中して擦られることでさらに射精感が増す。
 もはや限界だ。

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