悦びに咲く花

 龍宝は手を伸ばし、鳴戸の股間を遠慮なく揉みしだくとその顔が快楽に歪んだ。その色っぽい表情をもっと見たくてひたすら揉んでいると、乱暴に手が退かされてしまう。
「イっちまうだろうが、んなことされたら。まったく、とんだ淫乱子だな、オマエは。ま、そういうところもかわいいか」
「ん……親分、早くおやぶんのコレ、欲しいです。だからもっと、興奮してください。ね……?」
 さらに盛り上がりを撫でたくると、その手を取られてしまいまた口づけられる。大人しく口を開けると、まるで貪るように咥内を舐めたくられ、頬の裏側や歯列もなぞられる。舌は言わずもがなで、しゃぶりたくられ散々蹂躙され、唇が離れてゆくのを追い今度は龍宝から口づける。そして鳴戸の咥内へ舌を滑り込ませ、ナカを探ると舌を絡め取られてしまいそのままきつくぢゅっと吸われる。何度も甘く噛まれ、ぢゅるぢゅると音を立てさせながら口づけは続く。
 だが、龍宝のペニスの方が問題になってきてそっと手を伸ばして自分自身の手で扱き始めると、明らかな快感がペニスから這い上がってきて口づけの合間に思わず「んっんっんっんっ」と啼いてしまう。
 唇が徐に離されると、自慰している姿が鳴戸の目に晒されてしまう。だが、どうしても手の動きを止めたくなかった龍宝は、息を乱しながら鳴戸を見つめ必死になって手を動かす。すると、カウパー液が大量に零れてきているのか扱くたびにくちゃくちゃと音が立ち、誘うように目を細めかすかに笑んで鳴戸をさらに情熱の篭った眼で見つめる。
「はあっ、おやぶんっ、おやぶん……あ、はあっ、は、は、きもちいっ……」
「やーらしいな、お前ってヤツは。俺がいるのになんで独りでんなことすんだ」
「分からない、ですけど、気持ちイイこと、好きだなって……思ったら、手が勝手に、んっ! 動いちゃって、止まらない……はんっ!」
「ばかなことしてないで、さっさと手を退かしな。何だったら、このまま尻に指突っ込むぞ」
「えっ……あ、はあっ、それでも、いいです。おやぶんとする気持ちイイこと、好きですから……俺は、なんでも……」
「エッロいヤツだな、いつの間にこんなに淫乱になったんだ? って、俺が仕込んだのか、悪ぃ悪ぃ」
 これちっとも悪いとも思っていない口調で鳴戸はそう言って、スラックスのポケットの中からチューブのクリームを取り出している。
「ほら、いい加減手ぇ退けろ。そんなに扱きたきゃ、俺が後からもげるほど扱いてやる。イイコだから、退かそうなー。なっ?」
 そっと手を取られ、その手は鳴戸が恋人繋ぎして扱けなくされてしまうが、これならこれでどこか安心すると思う。熱いくらいの手の温度が心地いい。
 そこで気づいた、己の手に付着していたカウパー液。
「お、おやぶん手が、手……汚れます。は、離してください、悪いです」
「なに言ってんだお前。んなもん気にしてたら男とセックスなんてできねえっつーの。それより、さーて、じゃあお待ちかねの指、いくぞ。ちっと我慢な」
「ん……平気、です。きて、ください」
 やはり、未だ少しの恐怖はある。思わず恋人繋ぎの手に力を籠めると、鳴戸は優しく笑って身体を伸び上がらせ、額にキスを落としてくる。
 そして至近距離で視線を合わせながら、手が動き指が一本ナカへと挿れられたのが感覚で分かった。やはり、最初はどうしても異物感があるのは拭えない。だが、すぐに快感へと変わることはもう何度目かになるセックスで思い知らされている。
 だが、つい啼いてしまうのは仕方ないことだろう。
「んっ! あっ!!」
 ぴくんっと身体が跳ねる。それを宥めるように、唇に柔らかい口づけが降ってきて下では一本の指がナカを探るように動き、ピストンしてきて思わず身体を捩らせてしまう。
「んんっ、んんっ、んっんうっ! うっ、ふうっ!」
 すぐに指は二本に増え、ぐちゅぐちゅとクリームが泡立ちアナルを犯している音が聞こえてくるのに思わず赤面してしまう。しかし、異物感もここまで来ると薄れその代わりに重い快感がずーんと下半身を支配し始めるのだ。
 慣れない快感に、またしても身を捩ってしまう。
 離れてゆく唇。
「はっ、はっ……おや、ぶ、ん……はあっ、もっと、激しくしても平気、です。たくさん、ください。おやぶんの、指……」
「言ったな。よし! んじゃあ、もうお前のイイトコロは分かってっから、覚悟しろよー? んんっ?」
 茶目っ気たっぷりの笑顔に、つい龍宝も笑みを浮かべてしまう。しかし、それには多分に色が乗っているが。
 妖艶に笑むと、ナカで指がぐりぐりと動き早速見つけられてしまったイイトコロを指で擦られ、そのダイレクトな快感に思わず大声で啼いてしまう。
「ああっ! んあああああ、ああああううっ、ソコッ! うああっ、ソコです、ソコ、ソコぉっ!!」
「分かってるって、ココ、だろ? お前のイイトコロ」
 しっかりと硬くしこっている前立腺、所謂Gスポットが刺激により悦んでいる。痛くも無く、かといって刺激だけはしっかりと与えてくれる絶妙な指使いで、龍宝を快楽地獄へと引き摺り込んでくる。その甘美な快感はどうだ。
 両脚を宙に浮かせ、Gスポットでも特に感じる箇所を撫でられるたびに足がビクンと跳ね、そして啼いてしまう。はしたない声を出して、快楽を鳴戸に訴える。
「おや、おや、おやぶんっ! んあっ、あああっ、き、きもちいっ、きもち、イイッ……! だめ、です、よすぎてっ……んあっ! あああ!」
 言葉にもならない快楽が、Gスポットから全身に行き渡り龍宝をたまらない気持ちにさせる。それほどまでにここで感じる快感は強烈なものなのだ。

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