世界が愛を象った
熱い口づけに溺れていると、徐に鳴戸の手は龍宝の背から首元へ向かいスーツを毟り取られ、ネクタイをするりと解かれてしまい、ボタンもすぐさますべて外される。なんたる手際の良さか。ここは経験がものをいうのだろうが、どことなく悔しい気分になってしまう。と同時に、あっという間に半裸にされ、それにも羞恥を感じてしまう龍宝だ。
「おやぶんも……」
頬を上気させ、興奮を抑えるように鳴戸のスーツに手をかけると突然だった。さわっと身体に鳴戸の手が這い、その性的な触れ方と快感に思わず「はぁっ」と吐息とも呼べない啼き声が出てしまう。
「おや、おや、おやぶんっ!?」
「今日はな、一日運転手してくれたお前を散々、かわいがってやろうと思ってな。いいからお前は大人しくしてな。気持ちよくしてやるよ。今日の礼だ」
「そんな、礼なんて……っあ!!」
背後に回られ、後ろから身体を撫で回しつつ首元に唇を何度も置かれ、耳にしゃぶりつかれる。
何度も夜を越えた所為で知られてしまった性感帯をなぞるつもりらしい。
しゃぶられた耳を甘噛みされ思わずのどを反らせ「んあっ!」と啼いてしまう。身体が歓喜で震える。そのまま鳴戸は手や口を使い、熱の入った愛撫を始めた。
首元から舌を使い下から上へと大きく舐め上げ、そしてまた耳をしゃぶる。
「んあっ、あっあっ、あぁっ……! や、き、きもち、きもちいっ……!」
耳は龍宝の感じる部分の中でも上位に入る。そこを狙ってか、ひたすらに耳ばかりを舐めたり噛んだりしてたまらない気持ちにさせられる。
「ああっ、ああっ……ん、だめ、です、おやぶんっ! きもちいっ、から、だめ」
「だからやるんだろー? ほれ、ココお前好きだろ」
さらに熱烈に耳を責められ、もはや悶絶の龍宝だ。
「やっ、や、いやです、おやぶんっ! おかしく、なるっ……!」
そうやって龍宝が身を捩ると、正面に回って唇に吸いついてくる。甘んじて、口づけを受け止め自ら舌を出して鳴戸のモノと絡め合わせて舌に乗っている唾液をぢゅっと吸い取る。
「んふ、んんっ……おや、ぶ、ん……はぁっ」
その間も、鳴戸の手はスラックスの上から龍宝の尻を鷲掴んでもみもみと遠慮なく、しかもエロティックに揉んでくるのにも、感じてしまう。
今はなにをされても快感と取ってしまう気がする。
そう思いながら舌を絡めていると、その舌はいつの間にか二の腕に移動し、舌を使って皮膚をべろりべろりと舐めてくる。
ここも、何気に龍宝が感じる箇所の一つだ。
強引に腕を上げさせられ、さわさわと胸の辺りから腰をくすぐるように撫でられ、思わず快感で身体が戦慄き始めてしまう。
「ああ、あ、あ、あっ……や、待って、待って、くださいっ、あぁっ……!」
何度も何度も、身体の線を辿られ、ついに手は股間に行き着き太ももを撫でながら悪戯にふっくらと膨らんだ股間を撫でてくる。
「あぁっ……だめ、だめですそこはっ……そこは、だめっ……!」
鳴戸の手を掴み、制止を求めるとその手はベルトにかかりかちゃかちゃと金属音を響かせてスラックスから抜かれ、下穿きも取り去られるともはや全裸も同然の下着一枚になってしまい、誘導されるがままソファへと押し付けられる。
するとそのまま覆いかぶさるようにして唇を求められ、必死で咥内での愛撫についてゆく。ぢゅるぢゅると音を立てて舌を思い切り吸われ、唾液が持って行かれる。龍宝も同じく鳴戸の舌に吸いつき、同じように唾液を啜ると伸ばしていた舌を甘噛みされ、ぢゅるりと音を立てて大きく舌が動き深いキスを仕掛けられる。
感じて仕方がないとはこのことか。
その唇は首に移動し、首元から耳の後ろまでくまなくしゃぶりつかれてしまう。しかも、わざと音を立てて吸うものだから、耳でも犯されている感がものすごく、思わず啼いてしまう。
「はあっ、ああっ、あ、あっ……おや、おやぶんっ、はあっ、きもちいっ……い、イイッ……! あっ」
「お前の肌、甘いな。かわいく啼きやがって、ますますソノ気になんだろがっ! やらしいんだよ」
「やっ、そんな……こと、なっ! あァッ!!」
むしゃぶりつかれている間にも、手は脇腹をくすぐるように動いたり太ももを這ったりと忙しく動き龍宝をたまらない気持ちにさせる。
ペニスは完全に勃起して、痛いほどだ。恥ずかしく下着を持ち上げ、主張している自身が何故か浅ましく思えるが、これが男というものだともぼんやり思う。
すると、今度は乳首を口に含まれ音を立てて吸われる。片手は空いている勃った乳首をぴんぴんと指で弾いてきて、咥内に含まれた乳首も舌で弾くように押されては強く吸われることを繰り返され、思わず首を反らせて感じ入ってしまう。
「ああっ! あああうううっ、うあああっ! はあっ、おやぶんっ、は、はあっ……! んあうっ!」
手は内ももを撫で、力技で足を思い切り開かされる。
そこで露わになる、完全に勃起した龍宝のペニス。鳴戸の指は、硬くなった亀頭部分を擦るように刺激してきて、じゅわっとカウパー液が滲み出るのが分かり、暗色の下着に恥ずかしいシミを作ってしまう。
そしてとうとう、下着も脱がされ、今度は背に舌が這う。ここも、龍宝の感じてしまう箇所だ。音を立てつつ吸われ舐められ、またしても悶絶し背を反らせてしまって「あああっ!」と思い切り啼いてしまった。