気持ちイイことをしよう

 妙な使命感に駆られた鳴戸は、先ほど購入したハンドクリームを袋から取り出し、中身を少し捻り出してみる。季節柄か、かなり冷たい代物だ。これを龍宝に塗るのもそうだが、アナルをいじるとなると、体勢がネックになってくる。
 プライドの高い龍宝に、まさか四つん這いになれとは口が裂けても言えない。言えるはずがない。
 そうして暫く考えた結果、鳴戸は戸惑いを見せる龍宝の唇に一度、キスを落としぎゅっときつく抱きしめ、その身体を横向けにころりと転がす。
「お、おやぶん? あの」
「龍宝、片足上げられるか。浮いている方の足だ。できたら、その足を上げて持っててくれると助かる」
 訳が分からないといった感じの印象を受けたが、龍宝がその通りにしてくれると確かにこの体勢ならば、羞恥もなにもなく指を受け入れられるだろう。
 改めてたっぷりとハンドクリームを手に捻り出し、そっと片手で形のいい龍宝の尻を撫でる。
「よし、イイコだ。このまま、指を挿れる。冷たいし、違和感があるだろうが我慢できるな?」
「ん……きて、ください。耐えます」
 後ろを見ると、尻の奥にピンク色をしたアナルがあり、ハンドクリームを塗りつけつつ中指を一本、挿れてみることにする。すると、ビグッと大きく龍宝の身体が跳ねた。
「うッ……っく」
 ぎゅうっと龍宝の手が、シーツを硬く握りしめる。そして、その表情は苦悶のものに変わった。未だ早かったかと、指を抜いてもう一度丁寧にアナルにクリームを塗りつける。
「息をしろ、龍宝。大きく息吸って吐け。その方が多分楽だ」
「う、うっ……はあっはあっ……は、はっ」
「その調子だ。今度こそ指、いくぞ」
 こくこくと言葉無く頷く龍宝の様子を見ながら、今度こそ指をぐいっと挿れてみる。すると案外スムーズにナカに入り込むことができ、緩くゆっくりとしたピストンを始める。
「は、はっ……ん、はあっ、は、は、はっ……んん! おやぶ……んん」
「すぐに気持ち良くしてやるから待ってろ」
「ちが、なんかもう、少し……き、きもち、い……」
「イイコだ。指、増やすぞ」
「ん……おねがい、します……」
 だが、すぐに増やすことはせずに暫く指一本でのピストンを続けていたが、かなり緩んできていることが分かったので、クリームを増やし二本の指をナカへと押し挿れる。
「んんっ!! ん、んあっ……!」
 苦しかったのか、気持ちいいのか。分からない喘ぎが龍宝の口から飛び出し、それを無視する形で指二本のピストンと、後はアナルを拡げるために円を描くように指を動かしたりして解してゆく。
 みるみるうちにそこが緩んでゆくのに、興奮が隠せない。
 見てみると、龍宝も興奮しているのかペニスが勃起しており、鈴口からはタラタラとカウパー液が流れ出てシーツに零れている。
 確か、男には前立腺がありそこを刺激するとかなりの快感が得られるのだとか。探るようにして二本の指をナカへナカへと押し挿れて掻き混ぜる。
 すると、一箇所。やけに硬いところがあり、そこを擦った途端だった。目に見えて龍宝の身体が跳ね上がり、大胆な喘ぎが飛び出したのだ。
「ああっ!! ん、あっあああうううっ! や、や、親分ソコッ! ソコ、ああああ!」
「ココ? ココだな? よーし。見つけたぞ、お前のイイトコロ。分かりゃこっちのもんよ」
 触ってみればよく分かる。クルミ大くらいの大きさのしこり。そこを重点的に優しく何度も撫で擦ってやると、龍宝の身体は真っ赤に染まり派手な喘ぎ声が鳴戸の耳を刺激する。
「ふあっ、あああっ! あああっんんんー! んんん、んうっ、うっ、うううううっ、んあっ!!」
「そんなにイイか? ココ」
「イイッ、イイ、ですっ! ああっ、ああああ!!」
 どうやら相当イイらしい。ならばと、指を三本に増やしさらに穿つ勢いで前立腺、所謂Gスポットを撫で続けてやる。
 すると狂ったように龍宝が喘ぎ始めるのに、驚きを隠せない鳴戸だ。しかし、乱れる姿がここまで色っぽい人間に出会ったのも初めてではないか。男、女という性別を通り越してただひたすらにいやらしく、そして美しいと思う。
「やっ! イ、イ、イクッ……! イっちまいます、それ以上されると、い、イクッ……! や、い、イっちまうううっ!」
 このままイかせたら、どうなってしまうのだろう。いま以上に乱れてくれるのだろうか。好奇心が勝った鳴戸は、片手で龍宝の肩口から腕を撫で、彼がイクまでGスポットをいじめることにする。さらに興奮したい。その上で、龍宝を犯したい。そのことしか、今は考えられそうになかった。

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -