熱と共に溶けてしまおうA
10分ほど前、ケイスケは風呂から出て、今はアキラが入浴中だ。
その際アキラには「絶対に冷蔵庫の中はみるな!」と念を押されている。
…しかし……
人間というものは不思議なもので、『見るな』と言われれば見たくなる生き物だ。
「…少しくらいなら…。」
冷蔵庫を開けると一番上の棚に赤いラッピングが施された小さな箱があった。その箱には『Happy Barentain』の文字。
そう、今日は2月14日。
バレンタインであった。
「…今日ってバレンタインの日だっ…「…ケイスケ!!」
背後から痛いほどの視線と怒鳴り声が聞こえてきた。
「見たな…」
「あっ…いやぁ…」
ケイスケはたじたじになっていた。
アキラは、はぁとため息をつくと冷蔵庫から箱を取り出し、顔を赤らめ、恥ずかしそうにケイスケに手渡した。
「今日はバレンタインだから…。」
「アキラ……」
ケイスケはアキラから箱を受け取るとそのまま抱きしめた。
頬に軽くキスをすると、くすぐったそうに顔を振った。
「これ、アキラが作ったの?」
テーブルにつき、箱の中身を見ながらアキラに尋ねる。
「…ああ。朝、鍋焦がしてただろ。あのあと作り直したんだ。」
「そうだったんだ。じゃあ一ついただくね。」
そう言ってハート型のチョコを一つ摘んで口に放り込んだ。
その瞬間、表情を無くすケイスケ。
アキラが心配そうにケイスケを見る。
「…アキラ、コレ…何入れたの?」
「チョコ、練乳、砂糖。……ブラックチョコを間違えて買ってきたんだ。『ブラック』だから無糖なのかと思って甘くしたんだ。…もう食べるなよ。体に悪いから。」
落ち込むアキラの横で、そんな姿をじっと見ていたケイスケは、ふと何かを思い付いたようにニヤッとすると、チョコの箱を片手にアキラの腕を強引に掴み、敷いてあった布団に押し倒した。
そんな突然のケイスケの行動に理解出来ず、目をパチクリさせているアキラの上に、ケイスケは被さるようにして組み敷いた。
「っ…おいケイスケ、やめろって」
事態がようやく飲み込めたようで、アキラは足をばたつかせてケイスケから逃れようとする。
だが、ラインの力が未だ抜けきれていないケイスケ相手に力でどうにかすることは出来なかった。
腕を頭上で一つに纏め上げられ、もう片方の手で先程アキラがプレゼントしたチョコを食べる。そのチョコを口の中に含んだままキスをした。
「…んっ…ふっ…っ」
歯列を割り舌を絡ませるとアキラの身体が熱を帯びていく。
「…ほら、甘いでしょ、アキラ…」
「…んふっ…」
アキラの目がとろんとしてきたところでケイスケは唇を離した。
どちらのものとも言えない唾液が顎を伝う。
その唾液を舐めとるように唇から顎、首筋とどんどん舌を下に這わせていく。
胸の突起を口に含むと、アキラの身体に甘い電流が走った。
「…っ…はっ…やめ…っ」
「アキラ、熱い…」
アキラの身体がケイスケの愛撫によって紅潮している。先程よりも息があがり、快感からくるくすぐったい感覚に身体をくねらせる。
片手で胸の突起を弄りつつ、もう一方の手でチョコを一粒取り出した。
「…ケイスケ…なにす…っ!」
ケイスケはそのチョコをアキラの身体に乗せた。ひやりとした感覚にアキラは驚く。
「…っは…やっ!…舐める…な…」
「…んふっ…アキラ…気持ち良い…?」
アキラの体温で程よく溶け始めたチョコを皮膚と共に舐める。
「…んっ…くっ…っは…」
「アキラ、声我慢しないで…。俺、アキラの声が聞きたい…」
そう言うと、既に立ち上がり蜜を流すアキラのものを手で優しく掴んだ。
「…っあ!はぁっ…」
アキラの嬌声が部屋に響き渡る。
アキラ自身はその声が自分のものであると知り顔を背けた。
羞恥に戸惑いを見せるアキラの頬に口づけると、アキラのものを上下に扱いた。
とめどなく溢れる愛液
止まらぬ喘ぎ
しばらくの間アキラへの愛撫を続けていたが、ふとケイスケがその手の動きを止めた。
「…アキラ、いいこと考えた…」
「…っな…!…っ…いやだ…なんか変だ…んはっ…ケイ…舐めるな…」
ケイスケの言葉のあとすぐに起きる違和感。漂う甘い香り……
ケイスケはチョコを再び口に含み、今度はアキラのものを咥えた。
「…ケイスケ…やめっ…あっ…」
ケイスケの髪を掴み、苦しそうに口の動きを制止させようとするが、力が入らない。
ケイスケは深くまで咥えて舌を使って上下に顔を動かす。
「…ケイスケ…もう…」
「我慢しなくていいよ。」
追い討ちをかけるように強く吸うと、アキラは身体を弓のようにしならせケイスケの咥内に出した。
ゴクンと喉を鳴らし、全てを飲み干すケイスケをアキラは吐精後の余韻で肩で息をして呼吸を落ち着かせようとした。
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