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「だから…嫌だって言ったんだ…」
『駄犬のしつけ』
「アキラ!ホントにごめん!」
「……。」
「ホントに悪かっ…「そう思うんだったら普通は同じことを繰り返さないよな。」
朝、ケイスケは布団に横たわるアキラに土下座をして謝っている。
アキラはケイスケを呆れたような、怒っているような、そんな複雑な顔で見ている。
「俺は…昨日そういう気分じゃなかったんだ。なのに…お前が無理矢理迫ってきて…」
「……。」
「前もケイスケ、俺に言っただろ。『俺が嫌なときは絶対に何もしない』って。考えてもみろ、自分がいいって言ってないのに抱かれるこの辛さを。」
アキラは前日、ケイスケに無理矢理抱かれた。
それが嫌だったことの一つで、その上、中出しされたもんだから体調が悪い。
それでアキラは怒っているのだ。
ケイスケが必死に謝るが、それを許す気はないようだ。
「…もう…少しは俺の気持ちになって考えてみたらどうだよ!」
アキラはケイスケにとどめの一撃を食らわすと、痛い腰を擦りながら仕事に向かう準備を始めた。
「アキラ、朝しょ…「いらない!」
言葉を途中でシャウトし、さっさと出て行ってしまった。
部屋に取り残されたケイスケ。
確かに自分が悪かったということは重々承知している。
(だってさ…アキラを見てたら可愛くて…つい…)
飼い主にこっ酷く怒られた犬のようにしょんぼりすると、ケイスケも準備を始めたのだった。
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