転校生5


翌朝……

夜中に起こされたせいか、爆睡してしまった高杉。
もちろん、銀八がいるわけがない。

「おはようごさいます!晋助様」

「…また子っ!まだ此処にいたのか。」

「…実は…今日から自分もこの学校に通うことになったっス。」

「…そうか。」



ガチャリ……


「万斉!!」

「おはようでごさる。…また子、二日酔いは治ったでござるか?」

「…あっ…思い出したっス…」

みるみるうちに顔が紅くなるまた子

「…実は昨日、自分は酒を飲んでたっス。そのままいい気分になってフラフラしていたらいつの間にか公園で寝てて…。ちょうどその時に万斉さんと出くわして…。」

おーい、未成年っ!酒を飲むなー。


「…すまん高杉。いつもの癖で銀八にするようにまた子も同じように此処に連れてきてしまったでござる…」

「なるほどな。…じゃあどうして服を脱いでたんだ?コイツは。」

万斉は固まった。

「…あっ…いや、また子が暑いというもんだから脱がせてやったでござる。」

そう、すべては万斉のせいだったのだ。
高杉は怒りを現わにしながら不気味な笑みを見せた。

「万斉…テメェのせいで昨日どれだけ銀八の野郎にからかわれたと思ってんだよ…。
責任取れよこの野郎!それに…変にまた子に手ぇ出すなや。」

「///っ…晋助様…」

「なんか…気にくわねぇんだよ。」

自分が言った言葉が照れ臭かったのか、さっさと仕度を済ますと行ってしまった。

「また子…愛されてるでござるな。今ラブソングが聞こえてきたでござるよ。」

「……。」


なんだかんだ言っても高杉がまた子に好意を抱いているのは確かなようだった。




*****

「きりーつ!礼っ!着席!!」

元気な近藤の号令で一日が始まる。

真実を知らない銀八はニヤニヤしつつ高杉をチラ見している。

「はーい、お前ら、今日このクラスに転校生が来るからー」

「せんせー、もう少し皆をワクワクさせるような喋り方をしてくださーい」

はいはい…と銀八がやる気のない声で返答する。

「んじゃ入って。」



ガラガラ……



「簡単に自己紹介をして」

「来島また子っス。攘夷高校から来たっス…」


『じ、攘夷高校っ……』

全員が呟いた。
攘夷高校といえばあの高杉が来た高校と同じだからだ。
しかし、また子は高杉のように殺気が出ているわけではない…

「じゃ、来島は高杉の横の席な。…知ってる者同士なんだからそのほうがいいだろ。」

…そこは銀八の思いやり。
また子はペコリと頭を下げると席にむかった。




ホームルームが終わり教室を出る銀八。心の中では…

(これで全員揃ったな…。みんな問題を起こすんじゃねぇぞ…)


しかし、銀八は知らなかった。
この時ある生徒が銀八の行動に問題を感じていたのだ。








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