信用2
それからというもの、また子は全くプレハブ小屋に姿を見せなくなった。
二人とも目があってもすぐに反らしている。
3-Zの生徒も二人の様子が気になるようだが、変に声はかけなかった。
…いや、かけられなかった。
銀八が職員室でジャンプを読んでいると、また子がやってきた。
「先生。聞きたい事があるんです…」
…だいぶやつれている様子で。
目は腫れぼったくて、その下にはクマができている。
「き…来島っ…」
自分はとんでもなく悪い事をしちまったかもしれねぇ…
と心の中で思いながら、教室に場所を移した。
誰もいない3-Zの教室
普段のように教室で暴れ回っている輩もいない。
また子は鼻を啜りながら話す。
「ホントに晋助様は猿飛と一緒にいたんですか?」
「……。」
「晋助様に聞いたら違うとだけ言われたっス…」
「…お前は信じるのか?」
「…晋助様には今までに何度浮気されたかわからないっス。でも…好きだから…信じたいっス!!」
ガラガラ!
その時、教室のドアが開いた。
「…高杉!」
「…んぱち…銀八っ!テメエ!!」
ズンズン歩み寄ってくる。
あー、殺される!と覚悟した銀八だったが、
「お前って、意外にいい奴なんだな。」
(はい…?何を言ってるんですか、貴方。)
「二人の愛を再確認させてくれようとしてたんだな!」
(なんか…ちがくね?)
「また子、今まで悪かった。浮気ばっかしてた俺が全部悪い!本当に悪かったなぁ。」
「晋助様…やっぱり不特定多数は認めるっスね…。でも嬉しいっス!」
二人は仲直りをして…
一見落着………って!!
「何してんだ俺…」
*****
(プレハブにて…)
「やっぱり不特定多数の女と付き合ってたんじゃねぇか。」
不機嫌な銀八はプリプリしながら夕飯を食べる。
「俺は浮気はしてないって言った覚えはねぇけどなぁ。」
クックッと喉の奥で笑う高杉。
「ただ、猿飛ってことに納得がいかなかったんだよ!例えるならもっとマシな奴にしろ」
…そこですか。
愛を再確認した二人は、以前よりも親密になったとさ。
銀八の眠れない夜が続く……!
end
『一言』
久しぶりに高杉とまた子のラブラブが書きたくなったので(笑)
私の中の3-Zは一応、高杉とまた子が付き合ってる設定にしてあります。
珍しいですかね(笑)
銀八先生の悪巧みがかえって二人の愛を深めてしまったお話でした!
2008.09.23
[*前] | [次#]
topへ