補習授業2


次の日の放課後……


「じゃあ教科書49ページを…山崎、出来るかぁー?」


現在、数学の授業を行っている。

どうやら銀八は担当教科の国語だけでなく、数学もやらなければならないらしい。


しかし…どうしたものか…
銀八の様子がどうもおかしい。
『ジャンプ読みたい欲求』が溜まっているのだろうが、どうやらそれだけではないようだ。




山崎は元気よく立ち上がったもの、答えられずにいた。


「…わかりません。」

「あぁ?わかりませんは通用しないよジミー君。」

銀八のドSモードに山崎が逆らえるわけもなく…

立ったまま困り果てていた山崎の膝を突く土方。

「(コソコソ)X=2だ。」

「X=2です」

「おー!正解だー。やっぱり人間は窮地に立たされないと本当の力は発揮出来ないってことが証明されたなー。」



キーンコーンカーンコーン…

「…じゃあ今日はこれでおしまい。」



*****

「ねー新八ィ、なんか先生の様子がおかしいアル!」

「あー、なんか今先生は家庭でゴタゴタ……うん。」

言いかけてやめる。

そうだった…銀八の家庭の事情は話してはいけなかった。

…まさかギター部の部室を住まいとして、そして高杉と共同生活をしているなんて口が裂けても言えなかった。


「…ふーん。先生も大変アルなー。」

急に興味がなくなったのだろう、神楽は「じゃあねー」と手を振って帰ってしまった。


新八はどうして銀八がイライラ&ドSモードになっているか知っている。
例の件で真実を知ってしまった新八は最近ちょくちょく銀八の愚痴を聞いてやっているのだ。

*****
(3日前……)

「なー、志村ァ………」


「ちょっ!先生!幽霊みたいな現れ方しないでくださいよー!………どうしたんですか?元気ないですよ」

「……同居人がいるだろ…」

「あー、高杉さんですか?」

「もうホントっ…アイツ嫌だ…」

普段見せないような態度に驚く新八。

「うまくいってないんですか?」

「気持ち悪い言い方すんなや……なんかな、共同で暮らすようになって、夕飯作りは当番制になったんだ…」

「じゃあよかったじゃないですか。」

「…アイツ…作らねぇの…」

「はぁ…」

「しかもアイツってば女癖悪いし…」

困り果てている銀八。

「あれ?でも…高杉さんって来島さんが好きなんじゃ…?」

「…来島も遊ばれてるだけかもな…。まぁいいや、なんか話聞いてもらえただけでスッゲー楽になったわ。サンキューな志村ァ。」

そう言うと銀八はフラフラした足取りでいなくなった。


この件に関しては近いうちに更なる問題として発展するに違いない…新八はそう確信した…







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