7.相談



「ただいまー」


メアド騒動も終わり、やっと家についた私。
自分の部屋に上がると、窓から隣の家の人がこっち見てることに気がついた。


「あ」
「おぅ、お帰り」
「ただいま」


隣の家の人とはグレイのことで、私の一つ上の先輩でいとこなんだ。
だからこうやって家でも隣で窓からしゃべってるわけ。


「そっちいっていい?」
「おぅ。珍しいな、お前からなんて」
「今日は相談したいことがあるの」


そういって私は自分の部屋の窓から隣の家まで行く。
本当、漫画みたいだけど、私の家ではこれが普通なんだ。


「お邪魔しまーす」


私はそういってグレイの部屋に入る。
男の部屋に入るのもどうかと思うのだが、いとこなんで心配いらないだろう。


「飲み物持ってこようか?」
「いや、いい」


私は容赦なくグレイのベッドに座る。

グレイの部屋は全体的に青と白で統一されていて、それなりに片付いている。
机には教科書や小説、本棚には漫画、パソコンもある。
生活するには十分な部屋だ。


「そういやさっき、ハートフィリアにあったぜ」
「え!?ルーシィに!?」
「ああ。なんかナンパされてたから助けた。」
「へぇ…」


ルーシィはグレイのことが好きだ。なので下校中にグレイにあったルーシィは今頃顔がにやけまくってるのであろう。


「で、それより相談って?」
「ああそうそう!!!」


すっかり忘れてた。
今日はグレイにあの事を相談しようと思ったのだ。


「あのね!メアドおしえちゃったの!」
「メアド?誰に?」
「ナツ・ドラグニルによ!」
「ナツ・ドラグニル?あの問題子か。てか、お前嫌いっていってなかったか?」
「嫌いよ!」
「じゃあなんでおしえたんだよ」


私が、理由を説明すると、グレイはあきれたような顔で私を見た。


「お前お人好しにも程があるだろ」
「う、うるさいわね!」
「んー。で、お前はどうしたいんだ?」
「は?」


グレイは私をじっと見詰める。
グレイは顔は悪くない。というか性格も悪くない。
優しくて、お兄さんみたいな人。
実をいうと、私には兄弟がいないからグレイのことは本当の兄だと思ってる。


「メアドを消してって頼むか、メル友になるかって話し」
「……」
「お前次第じゃん。嫌いなら嫌いで、スパッと関係を切るのか、性格も知らないで嫌いっていうのがあれなら、メル友になるのか。」
「…たまにいいこというのよね」
「うっせぇ」


確かに。
私はチャラい男が嫌いだってだけで、ドラグニルが嫌いってわけではない。
なら、


「ん、メル友くらいならいいかな」
「そうか…」
「なによ」
「いや、お前も成長したなって」
「……」


グレイは空を見上げると、ハアとため息をつく。


「さ、相談は終わりか?俺勉強するけど」
「あ、ごめん。帰るね」


私はガラリと窓を開けて、自分の部屋にうつる。


「今日はありがとね」
「どういたしまして」
「じゃ、また明日ね」
「あぁ」


そうして、私はカーテンをしめた。








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