1.運命って、最悪。
4月。
私のかよう妖精学園は中等部、高等部にわかれていて、けっこう頭のいい学校。
私は高等部の今日から2年生。
新学期なんて鬱だ。休みたいのにわざわざ学校に行かなければならないし、クラス替えはあるし、もう超めんどくさい。
妖精学園のクラス決めはいたって簡単。
成績のいい人からA・B・C・・・と、わけられている。
こう見えて学年1番の私はもちろんA組。
そんなわかりきったクラスを見に行くために靴箱に行くのすらめんどくさい。
よくこんなめんどくさがりやの私が学年1位になれたなぁって思う。
しかも、きっとアイツも同じクラスだろうし。
「セナ!!!!」
「うぁっ!!」
突然背中に圧迫感を感じた。
ちらりと見えた金髪に私ははぁとため息を出す。
「おはよーーー!!」
「・・・今日もハイテンションだね、ルーシィ」
彼女の名前はルーシィ。ルーシィ・ハートフィリア。
金髪でかわいく、皆から好かれてる私の親友。一応。
「今日から新学期だよ!?クラス替えに席替え!!新しい恋の予感!!」
「そう簡単に恋愛できたら皆してるって。」
「もうーー!どうしてセナはそんなにさめてるの!?」
「もとからよ」
そんな会話をしていると、桜並木を抜けて、妖精学園も見えてきた。
男子生徒に女子生徒。
校門前には生徒がたくさん登校していた。
「クラス替え〜〜〜!!楽しみだな〜〜〜!!」
「ルーシィ。私たち絶対同じクラスよ」
「あ」
ルーシィも頭はいい。
学園内でも一桁順位には入る秀才だ。
1クラス40人ちかくいるのに一桁だいのルーシィとトップの私じゃ、絶対同じクラスに決まってる。
はぁーーーーーーーー。
鬱だなぁーーーーーーーーーーーーーー・・・・・・・・・・・・・・・
**********
「いやぁーー!!やっぱセナと同じクラスだったかぁ〜〜!」
鬱なクラス替え終了。
もちろん私は2-A。ルーシィもだ。
そして、アイツも。
「あ、そういえばアイツも同じクラスだね」
「・・・それを口にしないで」
ちゃらちゃらしたピンク色の髪、ピアスにネックレス。
なんでこんな問題児がこのクラスにいるのか謎だ。
「どんだけ嫌ってるのよ!!アイツイケメンじゃない!!セナとお似合いだって!!」
「やめてよ。寄食悪い。」
「えーーーー。お似合いなのになぁ」
私はああいったチャラチャラしたヤツが苦手だ。
話についていけないし、めんどくさいし。
なのに、
なのにアイツは、
「席について〜〜」
担任が教室に入ってきて、私の思考もとまる。
どうやらこの声はミラジェーン先生のようだ。
チャリン
音が聞こえて私は反応する。
あ、まさか、そんな。
音の正体は何個もつけてるネックレスの音。
視界に入るピンク色の髪。胸まであいたYシャツ。
最悪だ、最悪。最悪最悪最悪。
今日から新学期。
憂鬱なその日に、最悪な出来事がおこった。
まさか、
まさかこの秀才クラスでアイツと、
私が世界で一番嫌いなアイツと、
ナツ・ドラグニルと、
席が隣になるなんてーーーーーーーーーーーーーーーーー
あぁ、
運命って、
最悪。
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