「ねえグレイ」
「あ?」
「抱きしめて」
そっと、
「・・・は?」
グレイの家のソファでくつろいでいた時
、あたしはそんなことをいってしまった。
「だから、抱きしめてっていってるの」
「で、でもよ」
「なによ。あたし達付き合ってるじゃない」
「そうだけど・・」
突然の私からのアプローチにたじたじになるグレイ。
グレイはそっとあたしをつつみこんだ。
「・・・」
「ほら、抱きしめたぞ」
「・・・」
グレイはいつもより低い声で言った。
理由なんてない。
ただ
ただ抱きしめてほしかっただけなの。
「・・・ルーシィ」
「・・・何?」
「好きだ」
「!」
その言葉に反応してあたしはグレイの腕から離れようとする。
それをグイっと戻される。
さらに力をこめて抱きしめられた。
「ちょ・・・」
「なんだよ、お前から抱きしめろっていったんじゃねえか」
「そうじゃなくて・・・」
「なんだよ」
力はこめられているけど、そっとやさしく抱きしめてくれるグレイ。
あたしもそっとグレイを抱きしめかえした。
END
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