薄暗いのは電気を付けていないせいじゃあない、カーテンが閉まっているせいでもない。たったの一つを理解できない事も、三つを理解できない事も変わりはない。言葉が多すぎて当てつけあっている様で、誰もがそうなんだろう、そりゃあ一挙一動全てに責任なんて持てやしないから、そうする他になくったってしょうがないのかもしれない。軽率。軽率な言葉や行動は苦手だ。最初から何も言わない方がいい。伝えなくとも伝わるだろう。身勝手に汲み取られた感情は他人の中一人歩きをしているらしい。気づかれ、気疲れ?そんなのは、単なる責任転嫁じゃあないのか。感情でものを言うのは難しそうだ、生き辛いだろうに。溢してしまえば拾い集めるのは困難になる、諦めるくらいなら最初から人を巻き込まない方がいい。飲み込んで、時間が過ぎるまでを朝と夜の間でじっと待っていればいい。
 





苛まれる事はないのにどうしてそんなに悲しんで哀れんで憤って、痛々しい傷跡ばかりを見せてくる。毛布の中で涙を掠めている人は、今頃どんな夢を見ているだろうか。笑わせてみれば少しは微笑んでもくれるけれどすぐに目の前の出来事に追われまた毛布に涙を掠めてしまう。一時の寂しさ紛らわしでいいんじゃあないの、それを繋げて行くだけで少しは楽になれるのではないか、あまりに周りに気を遣ってばかりだから私くらいは赦していたい。白い傷を見るたび不安になる事だけは日傘で隠して背けていて。
 





ここはあまりにも寒く、もう出られないような気がしている。有り余る言葉は一つも口に出せずに頭の中で持て余していて、行動と感情は一致しないし淋しさを紛らわすための君はどこか迷路で手を振っているらしい、もう探す気力なんてこれっぽっちも残っていない。深呼吸も出来ない、空気の薄いここでは息が詰まってしまう、音だって、ここでは意味をなさないらしい。音として在る声は空気を揺らすこともなく、最初から発されたことなんて無かったのだろうな、虚しい妄想でしかない。溜息さえも吐くのを許されないから、泣いてみたって頭がおかしいと思われるだけだ。苛立ちばかり伝わらなくたっていいだろう。
 


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