状況を説明すると
俺は姉のPCから聞こえたゲーム音に気が付いて
そっからエンターキーを押しつづけていたらなんと
第二次世界大戦後のドイツの世界に自分は行ってしまった様で
そこで助けてくれたのは軍に属しているキアとルイーズという
大金持ちのぼんぼんに助けられたのだ。
さぁ、次に優太郎と接触をするターゲットとは?








幻想ロマネスク








今日もいい天気だ、空が青くて雲ひとつない・・・。
優太郎は腕を上げゆっくりと深呼吸をしながら
朝食が出されているであろう食卓へと向かった。
長い長い廊下を歩くのも慣れた、この世界にきてから足を随分と
歩かせているからか歩く事が好きになった。
まぁ、車も乗るのは好きだが・・・ハルトヴィック家の車はどうも豪華で
乗るだけでも注目!って感じで・・・ちょっぴり苦手だ。
「優太郎様、おはようございます。今日はサラダと・・・」
この筋肉マッチョな男で小さなサングラス(ほんと目だけ隠れるような)をしている
男はこの家:ギャラハー。ルイーズに仕えているもので俺にも良くしてくれている奴。
しかも料理がうまいという・・・正直驚き。
「?また今日も2人はいないのか?」
「そうですね、キア様もルイーズ様も仕事が結構ピークな時期かもしれません。」
とまるで母親が子供を心配するかのようなギャラハーの言葉に苦笑いをしつつも
優太郎は食事をしようとフォークでサラダのトマトを取って口にほうばった。
「(というか、軍ってそんなにきついものだったんだなー、わからないけど。)」
※未だ優太郎はキア達の本業を全然知っていません。

「・・・ちょっと探検してくるよ。」
「わかりました。とりあえず今日のお昼のお弁当と少しながらですが・・・」
「え!?ちょっギャラハー、大丈夫だって。」
「いいえ、ルイーズ様から預かっていたものですから。」
優太郎は邸を出る前にギャラハーに会った時にギャラハーの手にあるお弁当箱と
少しながらのお札(お金)を渡された。
まさかお金が出てくるなんて思わなかった優太郎はいいよ!と
ギャラハーにお金を戻そうとするか
流石ギャラハーの筋肉。跳ね返されてしまいまい大人しく貰って
外へと足を運んだ。
しかもルイーズもルイーズだ、本当に自分に良くしてくれている。
(邪な心があるかもしれないのに呑気な主人公。)














「えっと・・・また道に迷ったのか?マジ・・・」
この国で何回迷子になったのだろう・・・優太郎の眉間の皺が深くなるのを感じた。
一応地図も買って行く場所も定まっているのにこうも迷子になったら地図の意味もない。
人通りが多い場所だからか、優太郎は聞くに聞けない。
皆早々と歩いているような気がしてならないのだ。

すると前から帽子を被ってサッカーボールをけりながら歩く少年をみて
優太郎は「ちょっと!」と声をかけた。少年がこっちをみた。
顔の左頬にケガをしている・・・そして右頬には前に小さなケガをしたのか
跡がほんの少しだが残っている。

「なに?俺になんか用?」
妙にすねくれているような顔に優太郎は少しオドオドするが
こほんを一つ意を決したかの咳をしてにっこりと笑いながら彼に言葉を交わす。
「あの、この場所まで行くのにはどうすればいいのかわかるかな?」
「・・・はぁ?あんた本当にそこに行くわけ?」
「一応ね・・・。」
少年は驚いた顔もしつつも自分の足を止めた男をみた。


なんて物珍しい場所に行くのか、彼にはわからなかった。
それに、サッカー少年はその優太郎の顔をじっとみた・・・
小奇麗な顔をしていて尚且つこの街じゃ見られない黒髪に黒い瞳も妙で
しかも道に迷うという所からしてここの街の人間じゃないって事はこの少年でもわかる。
「変な人だな、あんた。」
「そう・・・か?あっでも教えてくれてありがとね。」
それと、と優太郎のポケットから絆創膏を出してちょっと優太郎が彼に近づいて
ペタリと左にケガをしていた彼の頬につけた。
「!?」
「これ、お礼でいいかな。」
「・・・べっ別にいいけど・・・」
「ありがとう。じゃぁありがとうね。」
「あっちょっ!」
少年は彼を止めようとしたが優太郎は人の中に入っていってしまい
すぐに優太郎を見失ってしまった。







「・・・・変な奴。」
そう思いつつも少年は頬につけられた絆創膏に手を置いた。
頬に触られた瞬間ついついドキッとしてしまったことが胸をいためる。
「(あいつは男だぜ?でも・・・悪いやつじゃなさそうだけど)」
サッカーボールを手に納めた少年にもう一人近づく男が一人。
「やっといたぜ・・・俺の次のターゲット、イェンス・レヴィン。」
軍服の男が怪しげにサッカー少年をみていた。
「(しっかし・・・こう人込みだとターゲット見失いそうだったぜ・・ったく。)」
と一人いらつきながらもキアは様子を見るためにゆっくりと彼に近づいていこうと思った。


prev next
bookmark back


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -