一行、フェルディナントと 優太郎がついたのは薔薇を栽培している
温室で、優太郎の手をそっとひく・・・
開けると様々な色の薔薇が優太郎の目に飛び込んでくきた。
「忘れていました。私はフェルディナント・マリエンフェルトです。」
「はっはぁ。」
「・・・ぁ、呼びにくいですか?」
「・・・じゃぁフェルでいいかな。」

呼びにくい、優太郎の考えをフェルディナントが答えたので
優太郎も素直な言葉を述べた。
その名前で呼ばれるのはとても特別な風に感じたフェルディナントは
薔薇に手をのばした。
「そういう風に名前で呼ばれるのは貴方で2人目です。」
「そうなのか・・・。すごい・・・青い薔薇もあるのか。」
この薔薇の温室には色で分かれているらしく赤は大半を占めている。
しかし小さなつぼみがたくさんある場所を見つけた。
優太郎が近くでみるとその蕾から少しだが色が見えた
青い薔薇―――栽培が一番難しく綺麗に咲く事は滅多にない。

「そうなんです。しかし、薔薇は沢山の愛情を与えないと綺麗に咲くことが出来ないのです。」
「じゃぁ、フェルがこの花を咲かせてきたんだな。」
「・・・ぇ」
優太郎が薔薇の花を見てフェルを見上げる。
その自然体な言葉がフェルディナントを胸を少しだけ高鳴らせた。

「ぁっ 優太郎殿!?」
優太郎に近づこうとした時足がもつれフェルディナントが優太郎の前にダイブ(違う)・・・
倒れてきて優太郎のうわぁっと声が上がってしまった。


















「いてて・・・フェル・・・大丈夫か?」
優太郎は頭を抱えながらゆっくりと上半身を起き上がらせる・・・。
ずしりと上になにかがのしかかっている重さを知った優太郎がのっかっているモノを
みてみると、
「フェッフェル!?」
優太郎の上にのりフェルディナントの髪の毛には薔薇の花びらがとびちっていた。
フェルディナントも気が付いて目が覚めてみると優太郎のドアップが見えて
かぁっと真っ赤になり一時停止中。
「あっ、」
「ごめんなさい・・・その・・・」
「いや、俺も…」
あたふたとしているフェルディアントを落ち着かせようと肩に手を置く。
優太郎も現状を飲み込められたのだろう、つまづいてしまったフェルディナントが
自分の上に落ちてきただけだと。

しかし・・・そんな光景が他の者達にとっては――――







「あぁ!若さまが上!?」
「あの若さまの真っ赤な顔、まさか!」
「本番をする最中なのかしら〜!」
「皆さん、こんかいも―――これで決定ですわ。」









若様親衛隊の5人メイドがついつい見ているとはしらず―――
そして、後日恐ろしい目に会うこともしらずに。














「では、フェルの家にお邪魔になっていたのですね。」
怒りを込み上げる所かルイーズははぁっと小さなため息を漏らしていた。
結局フェルがルイーズの知り合いというのを聞きわざわざルイーズが(ギャラハーも含み)
車で来たのだ。

エントランスには優太郎とフェルディナントがいてとても楽しそうな顔をしていた。
優太郎の手元には小さな蕾を見せる青い薔薇の鉢を大事そうに持っていた。
「ぁ、悪かったなルイーズ。」
「ルイーズの知り合いだったなんて知らなかったですよ。」
「ありがとうございます、フェル。」
車から降りてフェルの前でにこりと笑うルイーズに「とんでもない。」
とフェルが笑う。



「こんな日にルイーズと優太郎殿の2人に会えるなんて、まるで赤い糸に紡がれし者達の運命の再会・・・。」
来た・・・ルイーズはこのフェルの歯の浮くような彼のあの言葉が思い巡らされる。
続きの言葉を聞くと自分のポーカーフェスが剥ぎ取られそうだ。
チチチ・・・と小鳥のさえずりが響き渡る・・・。
「まるで木で休んでいる小鳥達が再会を祝福しているようじゃありませんか?ルイーズ、優太郎殿。」
キラキラっとまるでフェルの言葉一つ一つに輝きの音が聞こえるようでもうルイーズは反撃という
言葉すら見つからない・・・優太郎もぽかっとフェルディナントを見ていた。
そろそろと丁度いいタイミングでギャラハーがやってきたのを見てルイーズは
優太郎の背中を軽く押して「行きますよ。」と小さく小言で話す。
「ではフェル。またお会いしましょう。」
「えぇ、優太郎殿もルイーズもまたきてくださいね。」
「フェル。また来るな。」
「はい! 優太郎殿!」
その優太郎の言葉に本当に素直に言うフェルディナント。
ばいばいと小さく優太郎が手を降って車に乗り込み
この屋敷を去っていく。



車の中。
「フェルって詩人なんだな。」
「一体何があったかは知りませんが・・・」
額を軽く抑えいつもの綺麗な眉に少し皺が寄っているルイーズ。
優太郎は「フェルは詩人」というのでちょっと頭を抱え込む。
フェルが詩人だとしたらもっとまともな詩人がいるはずだ!・・・といいたいのを我慢した。
(世界中のフェル好き様や若様親衛隊に失礼だ)
「でもいいやつだよ。フェル。」
その優太郎の嘘ではない言葉にふっとルイーズのいつもの笑みが戻ってくる。
彼は、フェルと仲良くなった事は確かと思って―――。
「そうですね、じゃぁまた行きましょう。」
ルイーズは優太郎と一緒だったらなんとかなるのではないかと考えながら言葉にし
優太郎も「そうだな。」と優しい笑みで答えた。
・・・・
「(しかし、この優太郎の笑みとかは純粋なんですが・・・)」
なんか、こう・・・危ない大人の前だったら食われているというのを私が教えたいというか・・・。
(実際は優太郎がターゲットだったらいいと思っているルイーズ)
たまに見せるあの焦らした表情とかが一気に蘇ってくる(これは第3話を参照)


















数日後
「おす 優太郎!」
「キア?なんだその本。」
数日後、優太郎は紅茶を飲みながらキアの犬、ティグとゆっくり時間を過ごしていると
そのティグの主人であるキアが帰ってきたようだ。
久々にルイーズの屋敷に出てきたと思ったらなにやら雑誌を
片手にもちあぁ、と優太郎の質問に答えた。
「なんかな、『堕天使と王子様の情事』って言う連載小説が載ってるやつなんだよ。」
「へぇ・・・」
「薔薇園で美しい王子が若い堕天使を捕まえてキスして・・・まぁアダルト小説だよな。」
「アッ・・・アダルト・・・」
ストレートなキアの言葉に一瞬言葉を無くした・・・
=あっちの話の小説なのか、と苦笑。
未だそういう読み物はあまり見ておらずの優太郎からすれば未知なる小説なのであった。
それが王子がフェル、堕天使が優太郎だというのを後から知った 三月の顔がとてつもなく
引きつり、ベッドで「もう家からでたくない!」と子供みたいなことをいう 三月であったが・・・


その小説は見事にヒットし本となったのは、もう優太郎を追い込むものなっていたのだった。
若様親衛隊の妄想は未だずっと続いていていつ優太郎がまた訪問しにくるのかというのを
ひっそりと胸にしまい込み毎日メイドという仕事を続けている――――――。
















Suzuno A
Dream Novel 2006,0820




拍手で「街で迷子になった主人公と誰かが会う」というので
それは最初シルヴィオがいいな、とかいいつつ、
若様登場(笑)普通にディルクとかでもいいじゃん!とか
おもいつつ・・・若様(!?)
ルイーズをここまでギャグチックにしたフェルに感動した覚えがある!
そしてあの腐女子メイドには何回笑った事か!(笑)
でもあたしにはそういうフェルみたいにくさいセリフいえないので
最後だけちょびっとにしたら普通にフェルじゃなくなった!!!
それでもよろしければ、受け取って下さいませ。
・・・これ書くのに(フェルの言葉がどんどんわからなくなってきていたので)
すごく時間かかった!


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