街はとても賑やかでそれだけをみると心が和む。
そう、それだけをみると・・・だ。
どうしよう、またですが・・・この年になりまた迷子になりました。
俺は、どうもこの街に好かれていないらしい。
困ったな〜。
そんなこんなで俺は町を一人で歩いていた。











幻想ロマネスク
4Request dream






「どうしようかな〜。」
とことこと歩きながら優太郎の方ががくりと落ちていた。
今回はルイーズと同行をしていた。
ルイーズは笑って「食事をしにいきましょう」といって街に入った途端
人の波に飲み込まれた。
(言うまでもないが優太郎が流されたのだった)
「う〜ん、こんな時にでも誰かと会いたいんだけどな。」
ぽつりと呟いていると街の角に綺麗な花屋さんがあって、その薔薇を大量に
買う少年がいた。
その少年と一瞬目が合った。









綺麗な金色の髪の毛・・・しかも軽くカールがかかっていて、そう・・・服装がまるで・・・
「(童話に出てくる王子か?この人は)」
ともうこの世界の住人になれつつある優太郎は神経が少し太くなったようである。
その王子様のような服を着た少年はにこりと優太郎に微笑んだ。
可愛い・・・いや!俺がいったんじゃないが・・・。
「貴方もこの薔薇を買いに来たのですか?」
にこりと微笑みを絶やさない王子服の少年に優太郎が一瞬後ずさる。
薔薇は今綺麗に包んでもらっているらしく
花屋のおばさんは奥で綺麗にリボンなどで
もっと華やかにしていっていた。

王子少年の片手には綺麗な赤い薔薇を持っていて・・・
にこりと優太郎に渡した。
「すいません。私がつい全部買ってしまったのです。
よろしければこの薔薇だけでも貴方に。」

そっと優太郎の前に綺麗な赤い薔薇を差し出しついつい
優太郎の右手にその薔薇が渡った。


「あっ、ありがとう。」
「いいえ、貴方が持っているとその花も喜ぶというもの。」
「そっそうか?」
「えぇ、薔薇はお好きなのですか?」

その王子少年の言葉にうん、とコクリと頷いた優太郎にその少年もぱぁぁっとまるで
後光の光の如く嬉しそうな顔をしていた。
その顔をみて内心びっくりな優太郎である。
「そうなのですか!でしたら私の屋敷でもどうです?花園を私が持っておりますので
よければ少しでも花を持って帰ってください。」
「えっ!いいよ、」
いいよ、と否定の続き言葉を言う瞬間に手をひっぱられる。
彼の御付きの人が優太郎の背中を押し、彼の車に乗り込まれた。
連れ込まれたのはほんの一瞬の出来事で一歩間違えれば犯罪だ(もう犯罪だが)
「よろしいのですか!?でしたら行きましょう!」
「ちょっちょっと!」
大量の花(薔薇)はトランクに詰めたらしく優太郎の隣には王子のような少年が
優しく微笑みをかけていた。








一方、その王子少年の屋敷はとても綺麗な白い屋敷だった。
コロニアルスタイルという感じの屋敷だ。
優太郎が見た瞬間その迫力に驚いてしまった。
コロニアルスタイルとはイギリス・スペイン・オランダなので植民地に発達した建築物である。
イギリスの古典主義建築がうんたら・・・とか。
中学生の頃、世界史の教科書で一度見ていたがこれほどの建築ものだとは驚きだ。
その屋敷のエントランスにふりふりとした・・・洋服を着ている女性たちが静かに歩きそして止まり
正面を向いていた。
「(あれか、電●男でやってた)」
メイドか!・・・ぁ、でもこっちのメイドさんは現実世界とは違ってきゃぴってしてないかもしれない。
(優太郎の知識が浅すぎ)



「あ!若様が帰ってきましたわ!」
ピンクのメイド服を着ている女性がにこりと門から来た車を見て
にこりと笑みが零れ、
「本当ですわ、しかも・・・お隣には前と違うお方がいらっしゃいますわね!」
次にパープルの色をしたメイド服を着た女性がびっくりした顔をし
「若様は天然ですから、すぐできてしまうのかしら。」
その次にオレンジ色のしたメイドさんがほのかに頬を赤く染めてそっと頬を隠す。
「若さまは一体どうなるのかしら〜!」
と次に青い服のメイドさんがきゃっと乙女の声をだしつつも顔が笑っている。
「皆さん、これは若様よりもだめな人でしたら・・・」
メガネをかけている緑色のメイド服を着ている女性が他の4人のメイド達の顔を見る。
顔つきが真剣でもう相手を見るのに必死なのだ。

「お帰りなさいませ。」
一斉にメイド達の声があがりそれよりも前に車のドアが開く。
最初に出てきたのは我が若様である少年だった。
とても笑顔がやっぱり似合いメイド達が自分達の仕事をやっていく。
その一人一人に王子少年は誉めてあげ、その誉め言葉に皆頬を赤くする。



「(ここ、どこだ!?)」
優太郎が車から出てきた瞬間、メイド達の顔が一気に顔がもっと真っ赤になっていた。
王子少年―――、フェルディナント・マリエンフェルトも優太郎の手を引きメイド達の前に来させた。
「彼は・・・えっと・・・」
「・・・優太郎、」
「あぁ、優太郎殿です。」
にこりと、フェルディナントが微笑みを交わす。
優太郎も「(これって社交辞令だよな)」と思いにこりとメイド達に微笑んだ。
「こんにちわ、優太郎と申します。」
「「「「「!!??」」」」」
ちょうど薔薇が優太郎の後ろから運ばれてくる瞬間だったためか薔薇をしょっているように
見えたのだろう―――。
「では、彼と2人きりで薔薇園を見に行くので」
とメイド達に別れを告げると「優太郎殿、こっちです。」と無邪気にフェルディナントが
優太郎の手を優しく引く。








「皆さん!みましたか!?」
「あの黒い髪に黒い瞳、天使のように見えますが笑顔の顔をした堕天使の様ですわ!」
「これは、若様の危機なのかしら・・・でも・・・」
「やっぱりこれはアレですね!」
「次の同人誌のお役に立ちそうですわね。」
薔薇園に向かった2人の姿をみつつ、5人のメイド―――通称:若様親衛隊は
その優太郎の容姿についつい惹かれ、つい優太郎月のことで話し込む。
=優太郎という堕天使が若さまを薔薇園でイケナイ事をするのではないかと予想していたのだ。
5人メイド・・・腐女子パワー炸裂中であった。




続く


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