クリスマスでも勉強だ!
そう意気込むのも塾では当たり前の光景だった。
・・・しょうがないよな。
受験生にはクリスマス・正月はないのかい?






★城戸 丈
12月23日午後10時 塾









「(はぁ、今日も予習だけで頭が痛い。)」
塾ではほぼ24時間年中無休で勉強ができる。
丈も中学受験のほぼラストスパートに迫っていた。
自分が医者になると決めたんだから―――な、と思いながら
席に座ってカバンを漁る。
膨大な塾の宿題をもうちょっと頑張らなければ・・・と思って意気込んでいると
「(そういえば、明日はクリスマスイブなのか・・・)」






皆はどうするんだろうな、
丈の独り言が口から静かに言葉を発した。



「(って、自分のことに集中しなくちゃダメじゃないか!!)」
ブンブンっと頭を振りリフレッシュしようと一旦塾の休憩室に行く事にした。







*



休憩室ではぁっと小さなため息を漏らした丈は
ゆっくりと頭をうなだれながら背もたれのあるイスに落ち着きを求めた。
休憩室にはほぼ誰もいないだけに静かでため息が漏れたときは
自分のため息が聞こえるほど静かだ。


「みつきクン、そういえばクリスマスどうするんだろうな。」
みつきクンという言い方は前からかすっかりと定着していて
丈はなぜみつきの顔が浮かんできたのか全然わからなかった。
「・・・(皆でクリスマス、したら楽しそうだろうな。)」
勉強しなくちゃ、というのはわかっている・・・でも、
やっぱり1年に1回だから・・・・丈の頭になにか名案が浮かんだのか
休憩室にある公衆電話に電話をかけた。










かけた時間はもう11時40分を過ぎていて彼女にも失礼かな
と思いつつも電話をかけずにはいられなかった。







「もしもし、みつきクンかい?あのさ明日なんだけど・・・」






















みつきクンの声はとても懐かしく感じたんだ。
僕はテレホンカードが残り3と表示されているのに慌てるのはできなかった。
キミの声に、安心しちゃったからかもしれない・・・ってね。





Suzuno Asaka
Dream Novel 2006,1221




ようやく丈までかけました!
あとはクリスマス本番!


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