※シリーズヒロインと花京院が一緒にいるだけ

エジプトを目標とし日本を出てからみつきは中々高校生では
味わえない体験をしていた。
それは同じく高校生でもある承太郎も花京院もであるが
この2人はどちらかというと冷静であるがみつきは違うのだ。


「いやぁ、この服の他にも違うパターンの奴を見せてもらえるかな?」
「あの・・・ジョースターさん?」
「(まさかこんなことになろうとは・・・)」

移動するものを調達困難をきたし、この都市で何日か滞在することになったのだがやることはやりつくし、時間に身を任せる
そんな状態が起きる事態になってしまった・・・しかし翌日になれば
車が到着するとの事なので実際には12時間あまりの自由である。

承太郎はホテル・アヴドゥル・ポルナレフは食材を見に、
ジョセフと花京院・みつきは街の探索をしていたのだった。
他のスタンド使いと遭遇する確立もあるため時間は決められているが
まさかこんなゆっくりできる時間があるかとは思わなかったのである。

ホテルで留守番をしている承太郎にお土産でもと思って店を見ていたら
店の店主が素敵なお嬢さん〜!と声をかけてきた。


それは綺麗な民族衣装のお店でありジョセフも花京院もみつきの元へと足を運んだ。

「見て御覧なさいな。お土産としてちゃちょっとばかり値が張るが綺麗なお嬢さんなら割引させてもいいんだが!」
店主がニコニコと笑って目の前にしっとりとした肌触りの生地がある。
確かに生地はとてもいいもので尚且つデザインも外に掛けられている
ものをみれば少し現代風にもなっているが素直に可愛いものだった。


「ほお、みつきちゃん欲しいのか?」
「あ、いえ、ただこういうのって可愛いなあって思っただけですよ!」
ブンブンとNOのサインを手を振るみつき。
ちらりと花京院はその店の服を見た。
確かに今時の女性からすれば可愛いだろう、みつきもきっと綺麗に着こなすんだろうなとちらりと隣にいる彼女を見て思うのだ。
ふと何かを閃きジョセフは店主の前へとやってくる。
「そうじゃ店主、この子にぴったりの民族衣装とその隣にいる青年のと
その青年よりも少し高めの男の服を見繕ってもらえないか!」
「え!?」
「ぼっぼくもですか!?」
突然の提案に驚いたのはみつき・花京院であり、店員とすれば
まさか3着も買ってもらえると分かった瞬間声が上がりニヤニヤを
飛ばせずに入られなかったようだ。



そうしてジョセフの言葉から2時間くらいは経過しただろうか。
服の色は様々で生地も薄いのから厚いのまで様々である。
今みつきが着ている服は割かしイメージにも似た青色のグラデーションがされており中々に美しい。
対して花京院といえば6月の新緑の色をそのまま染めたようなすっきりとした色合いでありそれもソレで似合っていた。
「ハイエロファントグリーンの色みたいですね花京院さん!」
「そうですね、しかしジョースターさんはなんというか強引というか・・・」
そこがジョースター氏のいい所でもあるんだがなーと承太郎とは
違うジョセフ・ジョースターに改めて感謝しよう。

「でも着易いですね、楽チン!」
「湿気がないですが暑いですからね・・・それにしても・・みつきさん」
「・・・ん?」
ちらりと花京院は目の前にいるみつきをみた。
髪の毛も若干まとめており日本人であるというのは重々承知しているが
いかんせん異国の地で旅をしているのだ。中々見れるものじゃあない。
するっと彼は言ったのだ。

「みつきさん似合いますね。」
「・・・へ?あああ、ありがとう」
にっこりと笑って言えばその花京院の顔をみてまるでボッと赤くなるような
感覚にみつきは混乱をしていた。
いかんせん承太郎には言われなれて(むしろ言わない)分突然どうしたのだ花京院はと思っていると「おおお!」と声があがる。

「こりゃたまげた!みつきちゃんは美人さんじゃなッ!」
「ジョースターさんありがとうござます」
「そして花京院も似合っておるぞ?」
「ありがとうございますジョースターさん」
「そして、次に孫の承太郎にじゃが・・・」
ジョセフは2人をみて笑顔で見ていた。それはそれは満開の向日葵のような笑みである。
対して承太郎にと思い2人よりも結構真面目にみていたジョセフだったが
中々良い物がなかったのか小さなため息を代わりに零していた。


「なかったんですか?」
「そうじゃな。というかあいつが学生服姿以外を見るのは少々イメージがつかなくてな」
そういわれたらそうしか思い浮かべなくなるのが人間の言葉の力である。
顎に手を当てながら考えるポーズを浮かべるジョセフ・・・。
承太郎が素直に着るはずもない・・・何せズボンは2万円位したはずだ。
長く使いたいのかなんなのかわからないが大層気に入っているのは
花京院もみつきも重々承知している。
「承太郎となると難しいですね・・・やはり」
「ね・・・んー・・・」
そう考えているとふと目に飛び込んできたのは綺麗な灰色の民族衣装だ。
見た目はぱっとしていないが近くで見れば細かい装飾品が施されていて
意外におしゃれかもしれないと思い手に取って見ると隣に花京院がやってきて
「いいですねこの色合い」と褒めてくれるではないか。

「承太郎にですよね」
「やっぱり花京院さんもそう思いますか!?」
「ええ。」
やっぱり年齢が近いせいもあるのか考える事は一緒だったようだ。
お互い笑顔になっていると店主はうんうん、と微笑んでいた。

「ではこれでよろしいでしょうか?」
2人の意見があったようでジョセフにも確認し決められた。承太郎の民族衣装は紙に包まれ、みつきと花京院はそのまま着ていくことになる。

「それにしても、ジョースターさんありがとうございます。」
「いいんじゃよ!よし、ではワシはホテルに一足早く帰るかのォ」

2人はまだ見てくか?と聞けばうんと頷き別々に行動した。
ジョセフの背中を見送るとみつきと花京院は互いを見てにこりと笑った。
「さっどうします花京院さん!」
「ジョセフさんへのプレゼントかい?」
「ビンゴです!」
にっと笑ってみつきは花京院をみる。買ってもらったなら、ならお礼をする。なんとも日本人らしい、2人の意見は一致したようでまたまた探索の波へでかけることになりそうだ。

「みつきさん、人混みが多くなりましたんで失礼」
「!」
15時くらいになってから人混みが増えてさらに活気さを増す出店、花京院も流石に心配してか無意識みつきの手を握った。びっくりしつつも彼の手を振り払うことなどできなかった。

しかし出店の活気も勢いよく、客達もまた活気の良さに心を弾ませる。
それは2人も同様だ。
奥へ奥へといけば様々なお土産装飾品が目にとまる。ジョセフに合うのは何がいいか。しかし、あまりにも店が多すぎて決まらないでいた。

「うーん、なかなか見つからないですね」
かれこれ一時間くらいは探したがあまりいいものがなかった。
残念な気持ちを拭えないまま一度出店から少し離れ、近くのカフェに入った。そこそこ人が入っているなか窓際の席に2人は通された。
「ここの街は活気がすごいですね」
ほんと、とみつきも言うと店員にコーヒーを頼み2人はお互いを見て笑った。
「でも本当にいい生地!シルク素材も入ってるのかな」
「確かに、軽いし着心地もいい。」
花京院もみつきの言葉に反応して自分が着ている服を触る。
薄すぎず厚すぎず、なんとも絶妙な生地、金額は流石にそれなりにしたんだろうなとも考えるが、野暮なことは考えないことにした。

キラキラと輝く店にいる2人はどう考えても恋人のようである。



ちなみにジョースター氏に渡されたのはレザーブレスであったとさ。
民族衣装もその日の夜に三人仲良く(?)着てみました!
(そんなは想像でお任せいたします)


Drear RURI


20160528


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