7月7日はとても暑くて、でも天気予報だと
午後には大雨が降るとよそくをされていた。
「まっ、間に合った。」
みつきはお台場中学校の制服を来ながらもゆっくりと
白いビルに入っていった。
「おはよう!みつき!」
「おはよう知恵ちゃん。」
みつきが乗ろうとしたエレベーターが閉じようとしたとき
はいっていたときエレベーターを止めていてくれたのは
彼女と同じ年でここで仲がいい女の子だった。
みつきと中学校が違うのかお台場中学校の制服じゃなくて紺色の制服で
長い髪の毛を一つ結びにしていた。
汗だくになりながらエレベーターに飛び込んで乗ると
さっきまで走っていて火照っていた顔が冷えた冷房の風が彼女を
冷やしていた。







《星に願いを》





暑い日ざしが降り注ぐ部屋から暑さがはいってきそうだった。
とあるビルに彼女:みつきはいた。
その部屋にいるのは机に向かって教科書とプリントにこの部屋に一人はいる先生。
黒板には受験必勝!と立てかけられている板があって妙にその先生が
むしろ燃えているんじゃないですか?といいたくなった。
みつきはそれどころじゃない、という顔になり先生を見ていた瞳・そして
青空が綺麗に見える窓から目を離し机にいるヤツをみる。
「(えっと、ここがXYだから・・・中点が・・・)」
そのヤツはびっしりとみつきを追い込むような問題がかかれていて
冷や汗がするがみつきの手が止まらなく考え込んでいた事を
かいていくと・・・眉が寄っていたのが徐々になくなっていた。




赤坂みつき、これがあたしの名前。
1999年8月1日にデジタルワールドに行って無事に帰ってきて
のちに3年後自分達の後輩にもあたる大輔くん達が《選ばれし子供》になり
とゴタゴタな中学生を過ごしていたあたしだったがもうそれから1年後の7月7日。
あたしは高校受験勉強の真っ只中に来ていた。



「赤坂さんはどこの高校に行くの?」
「一応近い学校にするつもりです。」
塾の休憩時間、みつきは塾の先生に呼ばれて職員室へと足を運んでいた。
先生は綺麗な女の先生ではあるが結構エリートな先生だというのを
彼女は違う塾クラスのコ達から聞いていた。
全然関係がないのだが、塾のクラスよりもここの職員室の部屋は
妙に寒い、また・・・みつきは窓をみた。
こんな日には大輔くんと太一とか、みんなと遊びたいなーとか
思っていたが、先生のはぁっと小さなため息によって彼女から
窓の視線を奪った。
「赤坂さん、貴方の頭だったらもうちょっと上でもいけるのに。」
「・・・ですかね。」
正直、みつき自体塾なんていかなくてもいいと親からも言われていた。
親からは一緒に外国で暮らして海外の学校に通えるとまでいっていた。
先生の言葉に苦笑いしながらもみつきはちらっと時計を見ると
「もう授業が始まりますので、」と残して職員室の扉を閉じた。








「(メール入ってる。)」
授業再開していて机に座っていたみつきのケータイが点灯していたのが
わかったのか机の下にケータイを向けて開けて見ると
《未続:1件》とかかれていてすぐにみつきはセンター問い合わせボタンを押した。
左手でペンで書く振りをしつつも右手でケータイを触れている。
カリカリカリカリ・・・と響く必死にシャーペンを走らせている
生徒に先生は感心しながらもイスに座りながら塾で出ているマガジンを手にして
視線はそっちに通されている。
「(えっと・・・)」
受信が終わって開いてみるとヤマトからで目が点になった。
「(あれ?ヤマト?)」
ヤマトという少年はみつきと幼馴染であって同時にデジタルワールドに一緒にいった
人物の一人だ。
「(最近は電話とかだったからなー・・・)」




件名:いま大丈夫か?

本文:
今日七夕だろ。
なんか大輔達がデジタルワールドに来て欲しいってさ。
どうする?



ヤマトらしい簡単にまとめられている文章に一瞬だが
体の力が抜けるようだった。
返信したいが授業中にはまずいからみつきは電源を一回切って
プリントに集中していた。













「・・・・なんだよ。」
「うんや・・・・ヤマトと勉強するはめになっただなんてさー・・・」
「俺だって、空が勉強し様って言い出したんだよ。」
「まぁまぁ2人とも・・・・。そういえばヤマト、みつきにメールどうだった?」
所代わりお台場から近い図書館に中学生3人が教科書を広げながら勉強会をしていた。
だが、ある問題につまって3人は図書館からでて近くのコンビニに寄って
ガリガリくんとスイカばーを買いに行っていた。
太一とヤマトは先に買ってコンビニの近くでアイスを食べながらコンビニで
トイレにいっている空を待っていた・・・それで戻ってきた空が
2人のコトバ喧嘩を止めて話を戻した。


『今日七夕なんで是非デジタルワールドに行きませんか?!
勿論他の先輩達も誘って!ねっ!』
今行ったコンビニにいたのはお店の当番をしていた京で
そこでなぜか大輔・ヒカリ・タケルもいた。
学校である職業体験が丁度京のコンビニだったらしく
コキ使われている。



「そうかー、でもみつき・・・あいつ塾だって言ってたぜ?」
「知ってる。ってか俺もその話聞いてたし。」
と太一の言葉にツッコンだヤマトになぜか太一がむかっとしたが
その怒りを納めようとスイカばーに手を出した。
図書館よりも暑い外。
風がふいても生ぬるい風・・・8月でもないのに8月じゃないかと
思うほどの暑さぶりにむしょうにアイスを食べる速さが増すようだった。
「みつきさ、塾いなかくても通知表よかったのになー。」
とポツリと零した太一の言葉にヤマトも空もだまっていた。
「まぁ、太一よりかはいいかもね。みつきは。」
「おい・・・空までいうか。」
空の言葉にびっくりしつつも言う太一だった。
シャリッ。

アイスが妙に進む日だ。

















「(やっと塾終わった・・・)」
ふぅっとイスに座りながらも背筋を伸ばすみつきははっとした
顔になりカバンに閉まったケータイに手を伸ばし電源をONにした。
すると着信アリが3件にメールの未続数も増えていた。
「(着信アリ・・・って太一だよ!3件・・・そんなに急用だったのかな。)」
でも太一とは付き合っているから電話もするのも当たり前だが・・・
「(今日塾って夜ベランダで言ったのに・・・)」
まさか、忘れたとか?・・・・と彼氏でもある太一をバカにしていると
次に未続のメールを読む。
メールの内容が全部七夕をデジタルワールドで、というメッセージだった。
それは選ばれし子供達からでもあって・・・
「(妙に協力性良くなってるんじゃない?)」
前にあったクラモンの時は妙に協力性がなかったのを
思い出してみた、あの時はどうなるのか!と思ったぐらいだったが
今なら笑っていえる『思い出』だ。
「まっ、いっかな。」
ふと笑いながらも 三月 はゆっくりとイスから立ち上がった瞬間
「みつき!」と声があがった。
知恵ちゃんだ。
「終わったね!」
「だね。どうだった、今日の小テスト。」
知恵はうーんとうねっていたが彼女もなかなかの実力者だ。
「一応、かな。」
「そっか、」
「でね!でね!みつきも今日塾友開催平塚の七夕祭りに行くでしょ?」
「・・・は?」

平塚からはお台場臨海から結構遠い、というか1時間は越すでしょう!
と思える・・・。
しかも平塚の七夕祭りというのは結構有名で他の地区からも大勢の観客が
訪れる。で、今日は塾のレクリエーションであるらしく
全くもって みつきは塾の掲示板を見ていなかったのである。
「ちょっあたしは無理だよ!ムリ!」
「なんで?だってみつきがいなとつまらないから!」
と無理矢理のお誘いに彼女の歯止めが利かなくて平塚まで先生達が
なんと乗せてくれることになってしまったのだった。
先生が言うには受験生らがお酒を飲まないのか見張る為とかいっているが
明らか先生達はお酒飲みの目的だと思った。











「はぁ!?マジかよ。」
太一の声に空、ヤマトの肩がびくりとした。
図書館から出てこれから夜に公園で落ち合おうとしていた為午後の4時には
引き上げていた。
昼とは比べ涼しい風に大分楽になる。
「どうしたんだよ太一。」
「みつきが塾友交流会に捕まったってさ。」
「・・・それで?」
「片道電車で1時間30分くらいかかる平塚の七夕祭りに連行されたって。」











予想はしていたが平塚祭りは人であふれ返っていた。
覚悟はしてはいたが頭で考えていたよりもはるか想像を越えてしまっていて
誰かと手を繋がないと流れ込まれそうだ。
今日の主役でも笹が飾られていて出店も多い。
そして浴衣を着ているカップルも少なくない。
「うわ・・・」
「さぁ!交友会はじめよう!」
おう!!!塾で静かな人達が大声で嬉しそうに楽しむ祭りが始まった・・・・
・・・・でも。
「?みつき?」
みつきの手を握っていた知恵が動かないみつきを不思議に思ったのか
顔を覗き込むとにっと笑って知恵はずんずんっと進んでいった。
「行こう!祭りは始まってるよ!」
・・・ちょっとだけ、
「知恵ちゃんには負けるなー・・・」
「でしょ?」
にっとやっと笑ったみつきも走り始めた。





金魚釣り、わたがしやカキ氷、美味しいものや射的。
ふとみつきのサイフが持っている手が下に落ちた。
お金が落ちる音に 三月 があぁ!と声が上がった。
「みつき〜!どうしたの?」
「ちょっとたこ焼き買ってて!お財布落ちた!」
「わかった!じゃぁあの角にあるコンビニで待ってるよ!」
了解〜!と知恵がたこ焼きを買いにいっててみつきは落ちたお金を拾う。
人通りが多い場所でなんでこんなに運が悪いのだろう・・・
しかも今日は雨なんか降っていなくて夜空には雲ひとつない。
「(天気予報までもかー・・・・)」
手がぱたりと止まったみつきに少年がみつきから落ちたお金を一つ手にとった。
「ありがとう。」
にっと笑ってみつきはその少年からお金を受け取るともう一人
後ろから男の手が伸びた。
「あっどうもすいませ・・・・・。」
手にあるお金を受け取ろうとした瞬間その男を見た瞬間
知っている顔がみえた。
身近にいる、自分の大切な人。
「たっ太一!!!」
「そんなに驚くかよ、失礼なやつだな。」
愛しの彼氏さまだぞ?と自分で言う太一に冷ややかな瞳で見ていると
みつきの顔が緩んだ。
「で?どっからデジタルワールドにいくの?」
太一はみつきが笑顔になって嬉しそうで太一も笑った。
太一が指差した場所は漫画喫茶。
「・・・見られてないよね!?」
「大丈夫!出てきた時にきちんと確認してきたって!」
じっとみつきは疑いの瞳でしわを寄せながらも太一をみたが
しょうがないなーとぽつりとこぼした瞬間
ぐんっと太一のシャツを掴んで自分に寄せた。
「!」
「・・・太一が態々来てくれたし・・・許そうかな。」
唇が話した瞬間真っ赤な顔でみつきはつぶやいた。














デジタルゲートに飛び越えみつきと太一はデジタルワールドの世界に行った。
みつきのデジモンは今抜け出せないからと今日は行けないというのを
チビモンから聞いた。
そんなこんなで無事に選ばれし子供たちの場所にみつきと太一はやってきた。
そこには大きな笹の木がどんっと立っていて京が持ってきたコンビニのお菓子や
ジュース、アイスやご飯もあった。
それ以上か、大輔はサッカーボール並にあるスイカや空と伊織、光子郎の母たちからの
手作りものなどが出揃っていてまさに別の意味で七夕祭りである。
「 みつきさーん!」
「ミミちゃん!」
ミミはNYから来ていて(まぁネットがつながっているのだから行き来はできるのだが)
マイケルやらもやってきていて外国からも『選ばれし子供たち』がやってきたのだ。
「そういえば、みつきはもう願い事を笹に書いたの?」
空に言われた言葉にあっ!と忘れていた声が上がった。
残り一枚の短冊を渡すと太一もあっ!と驚きの声をあげた。
後ろから聞こえた太一の声に空、みつきは後ろを向く。
太一の手には大輔から奪った焼きそばがあった。
「どうしたのよ太一。」
「俺も書いてねぇよ。空!短冊まだあるか?」
「ごめん、あたしが最後の一枚。」
「みつきのが最後?・・・みつき 、裏に俺にも願い書かせろ!」
「ええ!?」




しかたなく太一とみつきは1枚の短冊に裏表に書くことにあり
最初に太一が書いてその次にみつきが書き
太一に短冊を笹につけてもらった。
デジモン達も笹についている願い事が届くようにと嬉しそうな顔で
笹を見つめていた。
みつきと太一はさっき京からもらったビンのラムネを飲み始めた。
ちょっと皆から離れてみていた。
「そういえばさ、みつきなんて願いごとした?」
「うん?・・・・太一が受験に失敗しませんようにって。」
視線は互いにちょっと離れているアグモンだとか選ばれし子供たちでもあり
そして大きな笹を見ていた。
みつきの言葉にはぁ?と呆れた声が聞こえたがみつきはうそ、とすぐに付け加えた。
「太一の願い事聞いたら教える。」
「・・・イヤだね。」
「ほぉ、じゃぁいわない。」
「・・・なぁ、みつき 。」
「ん?」
やっと2人が向き合うときんっと飲んでいたビンのラムネに入っていた
ビーダマが音を鳴らした。
ひゅぅっと気持ちのいい風がみつきの髪の毛に乗っかっていく。


「お前さ、なんで塾いってんだよ。」
「まぁ、太一よりかは頭は悪くはないよね、うん。」
「だから〜!」
「ぶっちゃけると・・・お母さんとお父さんが外国にいるじゃない?」
みつきの両親、確かに みつきの家には今は一人しかいない。
みつきの両親は外国にいてそっちでの仕事が優先だと言うのを
わかっていながらもみつきは日本に残っていた。
太一はそれは小学生でもあったみつきに聞かされていたのを
覚えている。
「高校を機に外国に高校にすればっていわれてるんだ。」
「・・・は!?」
「だから塾にいって「まだまだ勉強不足なんです。」って言ってるの。
有名な学校なんかよりも太一や空やヤマトとまた学生生活送りたいもん。」
「・・・みつき。」
すとんっとみつきは座っていた場所から降りて「飲み物持ってくる!」といい
太一の手に収まっていたビンのラムネを取って空とミミのところへと行った。










願いよ、どうかあたしの願いを叶いますように。
みんなと、太一と日本にいられましょうように。と
デジタルワールドの輝く星に、願いをこめてーーーーーー






「タイチ?どうしたの?」
とことこと、みつきの代わりに自分のパートナーのアグモンが来て
アグモンは太一の様子がおかしいと思ったのか
やってきたらしい。
「アグモン、みつきさ・・・」
「みつき?ミミとソラの所にいるよ?」
太一の言葉にアグモンは不思議におもった。
するとアグモンは太一に言葉をかけた。
「タイチ、みつきのことで悩んでるの?」
「・・・わかるか?」
「わかるよ〜!ボクはタイチのパートナーデジモンだもん!」
自慢気にいうアグモンにほっとしたのかようやく太一は笑った。
そしてみつきの下へと走り出した。
「行くぞ!アグモン!」
「うん!」




届くのであればどうか、この願いよ・・・・届け!




Suzuno Asaka
Dream Novel 2007,0707


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