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これの青峰視点。







肩に掛けてあった鞄を玄関先に放り投げ、携帯を耳に当てながら今さっき歩いて来た道を、全速力で逆に辿る。

赤司や、テツの様子からするにアイツに関して何かあったに違いなくて。

黄瀬、

黄瀬…!

涼っ!!!!!


それで何が変わるとも無いがただただ無事を祈って、彼女の名前を何度も心の内で繰り返した。



* * * *



下校が開始してからまだそれほどに時間がたっていない校内にはちらほらと人影も伺えた。規格外に高い身長は辺りを見回すにはとても有利だ。しかしその中に見知った柔らかい金糸は見あたらなくて。

更なる焦燥に身を駆られ取り敢えず、と赤司が指定した場所へと走る。

"第一会議室"

そうかかれた部屋へ押し入るように突っ込めば迎えたのは電話口のふたりだけではなく、緑間と紫原もいた事に少し驚く。しかし粗方は予想出来たことで、すぐに持ち直すと息を整え目で答えを促した。

「─簡潔に言おう。涼が今お前を好きだという女子に屋上に呼び出されている」

それを耳にし、即座に屋上へ歩を進めようとしたのを留めたのは緑間だった。

「少しは落ち着いた方が良いのだよ。そんな状態で行けば、尚更状況を悪化させる」

紫原にも道を阻まれればまず行けまい。屋上は一旦諦め、急速に頭を冷やすよう努力しながら、赤司の次の言葉を待った。









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