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カカシ先生視点

今日も今日とて任務。今じゃ任務といっても里の復興の為の瓦礫の撤去や住宅街再建の手伝いばかりだ。
新生といっても最早お馴染みの第七班の集合場所に時間通りに向かう。
が、そこにいたのはサクラとサイの二人だけだった。

「あれ、ナルトは?」
「あ、カカシ先生おはようございます。それが珍しいことに、」
「ナルトが遅刻なんて雪でも降るんじゃないかな?」

ナルトがいなかった。
真っ先に集合場所に着くや否や俺にじゃれつくナルトが、いない。何かあったのだろうかと思うのは、皆同じだったらしく。

「どうしよう…」
「サクラに心配されるナルトが可哀相だよ。」
「んだとこらぁあ!サイ!」

仲がよろしいようで、と困ったように笑えば鬼のような形相のサクラに睨まれた。年頃の女の子って怖い。
それはともかく、ナルトだ。
ナルトが里を救ってからというもの数日の休暇のちすぐさまこうして里の復興の任務をこなしていたナルトだ、もしかしたら本当に寝込んでいるのかもしれない。
様子でも見に行きますか、そう思い立ちサクラ達には通常通り任務をこなしてもらおうと口を開こうとした時だった。

「先輩!」
「おーテンゾウくん丁度よかった俺の代わりに、」
「至急綱手様の所へお願いします!」

何なのよ。突然の綱手様の招集にサクラもサイも怪訝な顔をするが、テンゾウの様子からすれば見たところ本当に緊急らしい。


 * * *


「結界内に何者かが侵入した。直ちに結界が歪んだ場所へ向かって欲しい。」

臨時の執務室に書類にまみれながら、こちらも向かず別任務を言い渡す綱手様。俺が火影にならなくてよかったと思ったのは別の話で、サクラが先ほどから任務に来ないナルトを心配している旨を伝えると、

「ナルトの所在が確認できんのだ!」
「え…」

サクラの声がやけに大きく聞こえた気がした。





もう森とはいえない殆ど更地に近い背の高い木々のない森を、駆けて行く。
ナルトの所在が確認できないのと結界の歪みがどう関係しているのか俺には分からないが、その結界は侵入者を感知するものだ。ペインの襲撃以来、木ノ葉が弱体化したと思い山賊や抜け忍にこれ以上の被害を被らないための、感知タイプの結界だ。
敵を感知する結界に歪みが生じるのは、可笑しい。敵だと感知せず結界が歪んだだけなら、身内の忍ではないのか。

(ナルト…)

サクラだけじゃない、俺だってサイもナルトのことを心配している。だからこそ、綱手様は俺達に偵察の任を与えた。

「ここです。」

サイが目的地に到着したことを告げ、足を止めた。
そこで目にしたのは、見間違うはずのない色彩だった。





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