9月15日前日のこと

カカシ先生の誕生日を知ったのは下忍の頃で。
サクラちゃんがどこから聞いて来たのか不明だけれどカカシ先生の誕生日を聞いたらしく、俺とサスケとサクラちゃんでカカシ先生の誕生日をお祝いすることになったのがきっかけだった。

「俺からはこれ、やるってばよ!」

そう言って渡したのはクナイだった。
先生は凄い忍だし任務も多いからその時の俺なりにカカシ先生の役に立つものをあげよう、そう思ったんだと思う。
初めて相手の為に何かをあげたことが、カカシ先生に受け取ってもらったことが、嬉しくて、とても嬉しい、そんな気持ちで一杯だった。
その時の嬉しそうに笑ってくれたカカシ先生の顔が俺は物凄く嬉しくて、釣られて笑った。

あの頃は純粋にカカシ先生が大好きだった。イルカ先生の次に。


休みの日のベットの上で寝返りをうちながら、昔のことを思い出していた。
あの頃の俺はどんな気持ちでカカシ先生と接していた?

「カカシ先生の誕生日か…」

カカシ先生が好き。頭にあるのはそれだけ。
下忍の頃にはなかった"好き"に俺は悩まされている。だから今のような状況に陥っている。
カカシ先生に「お前よく覚えてるね。」って言われたこともあったけど当たり前だ。
大切な人が生まれてきてくれた日だ。カカシ先生が生まれた日。

「考えても仕方ねぇってばよ!!」

考えることはカカシ先生のことばかりで、居ても立ってもいられなくなり、がばっと勢いよく起き上がり床に落ちていたジャージを羽織って、外出しようとした。
が、玄関の扉を開けるとそこには珍しい人が立っていた。

「か、カカシ先生…?」
「よっ!タイミングいいね。」

玄関が不似合いなカカシ先生が丁度というようにそこに立っていた。
さっきまで悩み考えていたカカシ先生が今目の前にいることに動揺して、俺はそこから言葉が出なかった。

「どうした?」
「え…あ、いや…玄関にカカシ先生がいる。」
「あのねー」

苦笑するカカシ先生は俺を見下ろして、出かけるの?そう聞いてきた。

「いや、別に暇だから外行こうと思って。」
「そ?なら俺に時間頂戴?」
「は?」

そう言うや否やカカシ先生は俺の手を引っ張って外へ連れ出した。
ちょっと待てってばよ俺の都合は無視かよ。

 * * *

それからカカシ先生は俺を連れまわした。
忍具が欲しいから、それから伝達鳥用に巻物もね、あとは ―
色々な所にカカシ先生と行った。
主は忍具店だったけどカカシ先生が逐一これはこうだよって教えてくれた。
俺はカカシ先生が隣にいるから妙にどきどきして、ふーんとか素っ気無い返事しか出来なかった。

(あー…最悪だってばよ、)

本当は嬉しいのに素っ気無い態度しか出来ない俺が最低だと思って否めなかった。
それに今日はカカシ先生の誕生日プレゼントを探しに行こうと思っていたのに。

「ナルト、行くよ。」
「お、おう!」

どこか楽しそうなカカシ先生に何も言えなくなってしまう。




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