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それからカカシ先生は散々俺を連れまわした最後に甘栗甘へ連れて行ってくれた。
「うまーっ!」
お汁粉を頬張っているとカカシ先生はにこにこ笑ってた。
何でだろ?俺そんなに可笑しいか。
ずずっと最後のお汁粉を飲み干すと、カカシ先生が俺を見て微笑んでいた。
(うわ…恥ずかしいってばよ、)
完全に見られていたことに急に恥ずかしくなって、手の甲で顔を隠してみたり。
お汁粉を食べ終わるまでカカシ先生はずっと俺を見ていたのか?ないない、ないってばよ。
「結局一日中ナルトを連れ回しちゃったね。」
「今更だってばよ!」
「さ、行こうか。」
「えー、まだどっか行くのかよ!」
「ん?俺ん家。」
「は?何で?」
「秘密。」
ほらほら、そう言って俺を急かすカカシ先生。
もうすっかり夕方で、俺そろそろ一楽行きたいんだけど、っていうのは建前でいい加減カカシ先生のプレゼントを ―
「お邪魔しますってばよ。」
「そんなに畏まらなくていいよ。」
結局、カカシ先生に付いて来てしまった。
俺これからちょっと用事があるから行けないってば、そう言えば済んだはずなのに俺はカカシ先生に弱いのかな。
はぁ、って溜息を小さくついた。でも流石上忍、カカシ先生にはその小さな溜息は聞こえていたみたいで困った顔をされた。
違う、そんな顔しないで欲しいのに。
「ほら。」
「ありがとうってば、」
出してくれたジュースをカカシ先生の顔を見ないで受け取って。
カカシ先生はまだ少し残暑が残るこの季節にも関わらず、いつものホットコーヒーで。
お互いに何も言わず、気まずかった。俺が溜息付いたから?
「ナルト、」
いきなり名前を呼ばれてカカシ先生を見ると、そこには口布をしていない先生がいた。
今日一日中、どこか俺とカカシ先生の距離は可笑しいと思っていたのに、さらに輪をかけて何だってば、
「今日、本当は俺といるの嫌だった?」
「…んな、訳ねぇってばよ。」
「そう?」
「うん、」
「何も言わないんだ?」
「は?」
「顔のこと。見えてるのに。」
馬鹿やろう、リアクション所じゃないってばよ。
「俺ね、明日さ任務で里にはいないから。」
「え…明日って…」
明日はカカシ先生の誕生日だろ。何で、明日に限って。
だから、カカシ先生は言葉を一端切って俺を正面から見つめて言った。
「今日一日がナルトからの誕生日プレゼントってことで。」
「だってお前、毎年俺に何かしてくれるでしょ?」
顔が熱かった。だってそれって、カカシ先生が誕生日プレゼントに俺の時間を前借したってことだろ。当日はいないからって。
それってさカカシ先生、俺、
― 俺に時間頂戴?
それって、
「うーん、本当はお前がいい、みたいな事言いたいんだけどね。」
「は、…はは、くっせー台詞…」
「そうだよな。」
「てかさ、順番違うってばよ…」
「そうだな…」
気づけばカカシ先生も少し赤くて、格好悪い男二人、何やってんだか。
「ナルト、好きだよ、」
「うん、」
終わり
(やっぱり駄目だってばよーー!!先生の誕生日は明日だろ!?何で今日なんだよ!それに俺の時間?かかか、格好付けでんじゃねぇってばよ!)
(あー、ごめんね。可愛い)
(くっそー!明日早く帰ってこいってばよ!せっかく人が色々考えて…!)
(可愛い…)
カカシ先生お誕生日おめでとうございます^^
がしかし、誕生日前日で話が進んでいるのに、当日に書いたっていうこの矛盾。
話も中身のないものですみません…でも愛はあります