痛み分け

俺が駄目もとでナルト先生に告白?してから一ヶ月。
俺達は晴れて恋人同士なんだ!
この喜びは何事にも変え難く、俺の気分は毎日がイチャイチャパラダイスだ!

「カカシ、妄想は頭の中だけにしてよね…」
「ナルトは渡さん!」
「渡すも何も、もう俺の最愛の人なんですけどサスケくん!?」
「この…っ、エロ餓鬼!」
「ムッツリには言われたくないよ!」

ぎゃーぎゃー、と朝から元気に騒ぐ俺達にナルト先生は優しく笑いかけてくれる。
拳骨と言う仲裁に名の下に。
俺とサスケは仲良く頭にお揃いのたんこぶを作った。
いつもサクラは女の子だから拳骨は免除、何それ。
俺がナルト先生を見れば、「静かにしろってばよ。」って今度は頭を撫でてくれた。

「今日は昨日言った通り里外の任務だってばよ。気合入れていけよ?」

サスケやサクラは気づいてないみたいだけど、何かナルト先生…

(何でそんなに苦しそうに笑ってるんだろ…)

俺の疑問は答えを見つけることなく、視線に気づいたナルト先生が笑い掛けてくれたから自然と掻き消された。





任務の目的地は火の国の端にある小さな村。
十年くらい前に出来た村で、この間の大雨で橋が流されたらしい。
そこで下忍の俺達がその橋の修理の手伝いって訳だ。

(正直…最悪な任務だ。)

もうどれくらい歩いたのよ。
先頭を行くナルト先生の表情は見えないし、後ろを振り返ればサスケと目が合って気分が悪い。サクラが大分遅れてる。

「ここで少し休憩するぞ。」

サクラを気遣ってか、束の間の休憩。
下忍の体力向上を目的にしているみたいだけど、一応女の子のサクラにはこの距離はきついみたいで、ナルト先生が様子を見ている。
何だかんだで、先生は優しい。

「よし、休憩終わり。」

前言撤回、先生は飴と鞭の使い分けが上手だ。
立ち上がったナルト先生は何やらクナイを使って地面に書き出した。
術式かな、これ。俺にはよく分からない。
書き終えると、その上に並ぶように言われてその通りにする。

「ナルト先生、これ何なんですか?」
「ん?あぁ、今から時空間忍術でお前らを一気に目的地まで飛ばすってばよ。」
「え、」

ナルト先生に何か言おうとした次の瞬間には、もう景色が変わっていた。
それとなんか気持ち悪い。

「…酔った、」
「あ、悪かったってばよ…。大体これ使うと初めての奴は慣れてないから目が回るとか酔うとか言われるんだよな。」
「それ早く言ってください!」
「まぁ、お前らは大したもんだってばよ!酷い奴は任務も出来なくなるからな。」
「………。」

ナルト先生の新たな一面を見た気がする。





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