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「……」
「…あ、えっと…」

数十秒の沈黙。
不味い、非常に不味い。
ぎゅっとナルト先生のベストを握る手に力がこもった。

「カカシ…それって…」

黙ってしまった俺の顔を、心配そうに覗き込んでくるナルト先生。
ナルト先生の顔が近い、俺はさっと口布を下ろしてナルト先生の唇に合わせるように背伸びをした。

「……んむ、!」

柔らかくて温かい。
すぐ近くにナルト先生の匂い体温、俺がずっと触れたかった。
ナルト先生の頬に手を添えて唇を離した。
目の前に目が点のナルト先生。もうこうなったら行動した者勝ちでしょ。

「く、あはは!」
「え…」

急に笑い出す先生に今度は俺が面食らう。
顔を恥ずかしさで真っ赤にしたのは俺の方で、先生は笑いすぎで顔を真っ赤にしている。
どうしてナルト先生が笑っているのか俺には分からなくて、先生に抱きしめられたまま呆然としていた。

「お前が大人になるまで言うつもりなかったんだけどなぁ…」
「ナルト先生…?」
「俺もお前と同じ気持ちだってばよ…カカシ。」

してやられたけどな、そう言って今度はナルト先生が顔を赤くした。
俺と同じ気持ち、それって、つまりは、

「ナルト先生、愛してます!!」
「うわっ…、痛い…」

嬉しい、嬉しいんだ。
今度はその気持ちが抑えきれなくなって、思いっきり先生に抱きついた。
その時、俺の重みで耐え切れなくなってナルト先生は、ごんっ、と床に頭を打ち付けた。俺をしっかり受け止めてくれた。
俺の涙の後を辿るように先生の指がなぞる。
苛々も、不安も、もう無くなっていた。

「お前が…大事で、」
「ナルト先生…」
「でも、逆にお前を不安にさせたってば…」

ごめんな、そう言ってまた抱き締めてくれた。
俺、今すごく幸せで、

「最初は…弟みたいに思ってた、俺が面倒みなきゃって…でもいつの間にか、そうじゃ無くなってた。」

そっと、額宛で隠れた俺の左目を撫でた。

「カカシが大切で仕方なかったってば、…この傷も、」

俺の左目の写輪眼、親友から引継いだもの。
ナルト先生はずっと、思い詰めてたんだ。
だから、あんなに距離を置いて。
でもこれからは、違う。

「俺、本気でナルト先生が好きです。」
「うん、知ってるってばよ。」

嬉しそうに、恥ずかしそうに微笑むナルト先生は凄く可愛くて。
寂しかった心は温かくなっていた。





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