大きな背中

「カカシ、ちゃんと朝飯食ったか?」
「…いつもラーメンのナルト先生には言われたくないです。」

今日も下忍の任務任務任務。
朝の集合も憂鬱で仕方ない。
サクラは相変わらずサスケにべったりだし、先生は先生で毎日同じことを聞いてくる。先生、もう俺子供じゃないです。

「そう言う所がまだ子供だってばよ、カカシ。」
「…」

そう言って俺の頭をがしがし撫でるナルト先生。
朝飯はちゃんと食ったか、昨日は早く寝たか、ちゃんと戸締りしろよ、とか俺の事を心配してくれるナルト先生。
でもそれは俺を本当に想っての事じゃない事ぐらい、分かる。

「そんなんじゃ、サクモさんを越えられないってばよ?」
「別に、」

そう、先生は父さんが自殺する原因にもなったあの任務に一緒に同行していた忍のうちの一人で、もともと何かと父さんとナルト先生は繋がりがあったみたいでよく家にも来ていた、だからその責任感と言うか罪悪感から、俺に世話を焼く。

「余計なお世話ですよ…」

小さく呟いたつもりでもナルト先生の耳には届いていたみたいで、少し悲しそうな困ったような顔で笑った。
父さんが忍として凄い人物なのは分かってた、でもそのせいで周りの態度や俺に向けられる視線にうんざりしてた。
それに拍車をかけるように、ナルト先生まで俺に接する態度が変わってしまった。
前は家に来る度に、兄のように接してくれていたのに。
それなのに…

「余計でも何でもいいってば、俺が好きでやってんだから。」

まるで他人だ。アカデミーのお節介焼きのイルカみたい。
ナルト先生が変わってしまった様に、先生に抱く俺の心も変わってしまった。
ナルト先生が、好きだ。
勘違いでも、憧れでもない。
だから、余計に先生がそんな接し方をすることに悲しくて、腹が立って。
昨日なんか、可愛くないとか言われちゃって。

「もういいでしょ、早く任務行きましょうよ。」

最近ぎくしゃくしてる。





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