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唇を合わせる、いったん離して、角度をかえて何度でも交わる。
探るように舌で口蓋をまさぐると椿が震えた、ぴちゃりと卑猥な音を立てて舌が絡まる。そのうち呑みこめなくなった唾液が口の端から垂れる。

椿が息苦しさからか口を離した。
それでも混じり合った唾液はたらりと糸をひいて俺たちを繋いでいた。
椿は顔を真っ赤に染めて荒い息を整えようとしている、そのあいだにもおでこや頬にキスした。いっぱいいっぱいの椿は健気でかわいい、愛しい。

「椿、服ぬがしたい。」

自分から脱ごうとしていた手を止めて引き継ぐ。
今日も椿はTシャツだ、首に痕付けたら怒るかなあ。なんて考えながらめくっていく。

「けっこう日焼けしたね」

ユニフォームの形そのままに白い肌と焼けた肌がまぶしい。なぞるように舌でたしかめる。

「・・ん、達海さんはあまり焼けてませんね」

まあ、ずっと長袖きてたしねえ。

「てか、達海さんも脱いで下さいよ!」

べろんとタンクトップを脱がされた、抱きしめあうと肌がふれあって気持ちいい。
背筋をなぞりながら手はどんどん下におりて行く。
椿の首筋にわずかな痕を見つけた、あの時の噛み痕だ。
もやりと湧いた罪悪感と、支配欲からくる歓喜。
たまらなくなってキスを落とす、そのまま強くすって痕を残した。




今日の達海さんはスキンシップが多い。
明日がオフという事もあってか凄くゆっくりで丁寧だ。
小さな快感だけが溜まり、吐き出すまでもいかず、すこしじれったい。
ぬるま湯に浸かってるみたいだ。
けど、こんなセックスもたまにはいいなあ。と溶け始めた思考で考えた。

「・・っあっぅ。」

指が、ナカに入って来た。
そろり、そろりとたしかめるようにゆっくり撫でられる。
ローションに濡れた指が冷たい

「いたくない?」

聞かれて首を横に振った、痛くないと言っているのにまだその手つきは緩やかで
少しものたりない・・。でも、口に出す勇気は無いからただただ耐える。
やっと二本に指が増えた。人さし指と中指でナカを広げるようにかきまわされる。
その間にもローションで何度も指を濡らしていて、こうまで優しくされると照れるというか、恥ずかしい。




「・・はぁ、・・はぁ、・・ん、は」

息を吐き出す隙間に漏れる声にそそられる。椿はあまり声を出さない。
恥ずかしいというより、単に刺激を呑みこみ溜めこんでしまう性癖なんだろう。
きっとジェットコースターとかでも叫べないタイプだ、その方が怖いだろうに。
指は3本に増えてきついながらもスムーズに動けるようになってきた。

「・・・達海、さん、・・はぁ、あっ、っもぅ、イきたっ・・ぃ・」

見上げる椿の目は潤んで、ひとつぶ、ふたつぶ涙を落とす。
髪に絡んだ指が俺を求めて切なく握りしめられる。
溜めこんだ快感が出口を求めて椿の体中をはいずりまわってるのだろう。

なんか、こう。 椿には悪いが・・・いじめたくなる。



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