目標



「おめでとう。これで君も今日からゴッドイーターだ。」
長い間求めていた物が手に入った。
この日のために、幾度費やしただろうか。
今日からようやく始まることが出来るのだ。





始めて乗った区間移動用エレベーター。
始めてアナグラの中に足を踏み入れることが出来た気がした。
エントランスには、よく居たのに。
「適合試験、お疲れ様でした。」
受付では、変わらない笑顔でヒバリが受け入れてくれた。
「う、うん…。よろしく、お願いします。」
エリナはかるく頭を下げる。
これからは、自分もここで皆と同じように任務を発注するのだ。
そう思うと、少し体が引き締まった。
「はい。改めて、よろしくお願い致します。」
ヒバリも会釈を返す。
「ね、ねぇ、アイツは?」
エントランスを見回す。
神機使いの姿がちらほら見える。
しかし、探し人の姿は見当たらない。
「どなたですか?」
「ア、アイツよ!その…、第一部隊の…。」
目を丸くするヒバリに、エリナは言葉を濁す。
ゴッドイーターになろうと決めた理由。
そしてその約束をした相手。
「あぁ、彼なら今は別件で出ていますよ。本日戻ってくる予定ですが。」
「そう…、なんだ…。」
声と共に、顔を下へ向く。
なによ…せっかく…
約束したのに、それだけが頭に渦を巻く。
ゴッドイーターになったこと、真っ先に伝えたかったのに。
もやもやと考えていると、
「そうでした、エリナさん。榊博士がお呼びですよ。」
ヒバリはパソコンの画面に目を向けていた。
「はっ、はい!分かりました!」
呼びかけに慌てて顔を上げ、エレベーターへと足を向けた。





――――――


あとがき


大分前に書いていたものを発掘したので、UPしてみました。
おそらく主人公が居ない上に、ここでの主人公像は第一部隊の隊長なので、UPするか悩んで上げなかったのだと思います。
時間軸はGE2なので、こちらにUPしてみました。




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