TAKE



『気を楽になさい。貴方はすでに選ばれて、ここにいるのです。』
声が降り注ぐ。
母のような、優しい声色だ。
『今から貴方には、対アラガミ討伐部隊「ゴッドイーター」の適合試験を受けて頂きます。』
隣から機会音が鳴る。
下からせり上がってきた大きなケース。
『試験と言っても、不安に思う必要はありませんよ。』
そり立つそれは横たわり、隣に並んだ。
ケースが開く。
『貴方はそう……、「荒ぶる神」に選ばれし者ですから。』
ケースの中には、槍の形状をした神機と呼ばれるモノ。
手を伸ばす。
柄を掴めば、手首に腕輪が装着された。
『…フフッ、貴方に祝福があらんことを…』
聖母のような、声が届いた。
瞬間。
「ぎゃあぁぁぁッ!」
突き落とされたドリル。
反射的に避ければ、地面に転がり落ちた。
けれど、そんなことは構っていられない。
先程数秒前まで腕があった位置に、ドリルのようなものが突き刺さっている。
「何ですかコレ!何なんですかコレッ!?」
思わぬ衝撃に声も震える。
『偏食因子を体内に取り込んでいただかなければ…』
「違いますよ!何でドリル何すかコレ!めちゃくちゃビビっちゃったじゃないですかッ!」
立ち上がって指を差す。
心臓がバクバクと鳴っているのがわかる。
明らかに腕を貫通しそうなドリル。
気を楽にしろと言われていたから油断した。
せめて事前に心の準備をさせて欲しかった。
つい避けてしまったではないか。
こちらから見えない声の主に一言物申してやりたい。
ちなみに、その頃の声の主の方ではというと、
「…貴方に洗礼を施した時とそっくり…。」
「それは…、賛同しかねます…。」
不敵に微笑むラケルと、ブラッドの未来に一抹の不安を抱いたジュリウスが居たそうだ。





――――――


あとがき


名前変換機能の意味なかったですね。
名前出てきてない…。
かといって、主人公が居ないということではないので一応つけておきました。

さて、今回の腕輪装着は軽そうだなと思わせてからのドリルでしたね。
これは怖い…。
そして無理に話を進めようとするラケル博士。

というわけで、GE2もこんな感じで短編を書いていきますので、よろしくお願い致します。




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