Dear, domine

ひとつひとつ刻みつける君の言葉は俺を優しく包んでくれる。
ほんの些細な気配りや叱咤、進言でさえも嬉しくて仕方ない。

何時でも素直に向き合えない、天邪鬼な俺。
だけど時々邪魔な其れは、なまえを前にすればアッサリと砕けありのままを曝け出せる。

泣き言も、甘えも、我侭も…総て。

他人が困惑する程の無茶苦茶な行動・言動でさえも、君の前では俺は赤子同然。
瞳を細めて優しく微笑み、一度だけ頷いて俺を迎え入れてくれる。
心地よい声で名を呼び、子守唄のような優しい音を奏で、俺も自然と笑みが零れる。

大人の雰囲気を醸し出す彼女の前では、俺は無鉄砲で落ち着きの無い餓鬼臭い男。そんな自分が恥かしくなる。
その不甲斐無さで俺は仏長面で彼女と接するけど、愛しき彼女の笑顔を見れば顔は緩みっぱなしで。

この表情を見れるのはなまえだけだ、これからもずっとなまえだけだ。


でもな、お前は完璧すぎるんだよ。
弱音など一切吐かないし、愚痴だって言わないし、嫉妬だってみせない。
俺には弱いところをみせてくれてもいいんだぜ?弱音も、愚痴も、嫉妬も。

俺だけにしか見せない弱いところをもっと曝け出せよ、それはアレも同じ。

正直求めてばかりも疲れるんだ。
だから、今日はお前が俺を求めろ。
厭らしい言葉を沢山聴かせてくれ。
俺を、俺の理性がぶち切れるまで。

俺をソノ気にさせてくれ。

優しすぎるのも結構残酷だぜ?
それが当たり前になっちまって俺はお前失くしては居られなくなる。

俺だけが愛に溺れるのは嫌なんだよ。

なあ、男には征服欲ってものがあるって知ってるか?
お前も俺無しでは生きていけなくしてやるよ。
何処構わず、俺を欲しがるようにしてやる。

そう。俺のちょっとした我侭だ。

勿論、受け入れてくれるだろ?優しいなまえ。



「…ン…んぅ…」

これから俺達の愛の営みが始まろうとしている。
肉体関係の始まりは深い口付けから。
舌と舌を絡め、唾液を混ざり合わせ、互いの性欲を煽りあう。


「は…んふ…」

唇を合わせる度になまえから甘い吐息が漏れ、フッと彼女の息が鼻に掛かる。
それだけで俺の性欲はMAXまで跳ね上がり、不覚にも放出してしまいそうだ。
時々下唇を啄ばみながら悪戯に貪ると、柔らかく、皮の薄いその唇は更に紅く色づき妖艶さを秘めたものに早代わりする。
それを確認した後、再度舌を割りいれ容赦無く口内を犯す。
なまえもそれに応える様に口を大きく開け、俺の舌を簡単に誘導させていた。

「……ん……」

時々なまえも舌を一杯まで伸ばして俺の咥内を弄ぶ。
あまりの大胆さに一瞬怯んだ俺の心境を悟った上での行動だ。
目を開けて映る彼女を見つめていたら、なまえも潤んだ瞳で俺を見つめ、その後すぐに照れくさそうに笑った。



十分ほどキスを満喫し、身体を離す。
俺達の前に銀色の糸が生まれ、15センチ程伸びてプツリと切れた。

「エド…」

熱い眼差しで俺を見るなまえ、毎度の事ながらその表情は反則だ。
そういう顔をすれば自分の気持ちが通じると思っているのか?
いつも俺はそれで激しくお前を求めるが、今日はそうはさせない。

気が狂うまでお前を焦らして、乱れさせて、”俺が欲しい”とその口で言わせてやるよ。

いつまで経っても自分に触れてこない俺を見て寂しそうな顔をみせるなまえ。
俺は何となく自分が主導権を握れた気がして、得意げになってベットに腰掛ける。
そして布団の中に隠しておいたものをなまえの足元に投げて、足を組んで彼女に声を掛けた。



「何?……!」

ゆっくりしゃがみ込んで目の前に無造作に置かれたものを手に取る。
恐る恐る広げ、ソレの正体が解ったなまえの顔色が一気に青白くなった。

「今日はソレ着てヤろうぜ」

ニヤリと薄ら笑いを浮かべて頬杖を付き、なまえが持つ衣装を指差して再び口を開く。

「ソレ着たら、俺のことは”ご主人様”と呼ぶんだぜ。解ったか?」

聖女マリアみたいななまえからそんな言葉聞けるなんて最高だよな。
これからヤるプレイを想像すると、俺の下半身の一部は既にビンビンに勃起していた。



「……本当に此れ着てするの?」

どうやら彼女もまんざらでもないらしい、否定の言葉が出ないのが何よりその証拠だ。

「俺が冗談でこんな事言うと思うか?だったら、早くしろよな」

もう俺の中では始まってんだ。早くプレイに明け暮れようぜ。
”ご主人様”と、”主君に仕える身体で奉仕するメイド”に。

「……解った」

「何処行くんだよ」

曇りがちな瞳で俺から離れ、着替えようとするなまえ。
俺は即座になまえに声を掛け、足止めをした。



「え、どうして?」

「此処で着替えろよ」

見えないところで着替えようなんて許さない。
素肌を晒すところから、一枚一枚着替える光景まで全部見せろ。

ガーターベルトを着ける所まで見たいんだ。

俺の本気の目を見たのか、なまえの身体が一瞬ビクつきコクリと頷く。
その場で衣服を脱ぎ始め、躊躇いながら差し出されたメイド服を着始めた。



「へえ、似合うじゃねえか」

何よりも下着の上に付けられたガーターベルト。
一つそういったオプションが増えるだけでこんなにも厭らしくなるものなんだな。
渡したメイド服は身体の線がハッキリわかるものをあえて選んできた。
胸を上げて谷間を強調させるジャンバースカート仕様、カラーは黒。やはり、黒はエロさがある。
胸元がパックリ開いたブラウスが、バストアップさせた谷間をちらつかせる。

そして膝上20センチの超ミニスカート。

どれもこれも俺の性欲を満たす要素を併せ持っていた服だった。



「此れでいい…?」

モジモジと身体をくねらせて頬を染めるなまえ。
心底恥ずかしそうだ、だがその顔が見たかったんだよな俺は。

「お仕置き」

その言葉を聞いて床を見つめていたなまえが勢いよく顔を上げる。
”どうして?”と言いたそうだ、どうやら服を着ただけで俺の欲求が満たされたと思ったらしい。

「ご主人様には敬語を使うのが常識だろ。お前は使わなかったからな。だからお仕置きだ」

「エド……」

「ご主人様、だろ?ご主人様の言うことが聞けないのか?なまえちゃんよお?」

冷たくなまえに声を掛けると、何時もと様子の違う俺の態度を感じたのか彼女から涙が溢れる。
威圧的な俺の言動に逆らえないなまえは、泣きながらか細く声を漏らした。

「……はい。ご主人様」

たっぷり可愛がってやるから、お前もしっかり奉仕してくれよな。

「堪んねえよな」

伝っていく彼女の涙にムラムラしながら、隠し切れず声を出して笑った。




「そうだ…お前、オナニーした事あるか…?」

「えっ」

唐突に言われ、なまえから涙が止まる。
逆らいたくも、それをしたらまたお仕置きが増えてしまう。

なまえは戸惑いながらも小さい声でその問いに答えた。


「……ありません」

「嘘を付くんじゃねえよ。じゃあ、此れは何だよ?」

ゴトン!と音を立てて手に持っていたものを投げる。
それを見て彼女の顔は真っ赤になり、再び泣き始めた。

……そもそもこんなプレイを考えたのも此れのせいなんだよ。
まさか、聖女のお前が隠れて淫らな道具を使っていただなんて。

「すみません。したこと、あります……」

観念したように先程の言葉を撤回するなまえ。
恥ずかしそうに、手で顔を隠して涙を流していた。

「どんな風に此れでオナニーしてるかやって見せろよ」

「厭……ッ、其れだけは赦して……!」

首を振って拒絶を露にするなまえに苛付いた俺は声を荒げて話す。

「聞けないのか!?」

普段とは違う俺の声のトーンに震えながらバイブを手に持つ。
すると彼女は"解りました……"とか細く答えながら、崩れる様に床に座りスカートを捲り上げた。

ふっくらと丸びを帯びた胸をゆっくりと触りはじめ、円を描くように揉んでいく。
時々、服の上からポツンと主張した乳首を指で苛めながら弄んでいく。

「…ぁ…」

勃った乳首を小刻みに弾き、そして摘む。
片方の手を口に持っていき、クチュクチュとわざと音を立てて吸ったり、甘噛みしたり。
彼女のやり方を見ると、酷く手馴れているように見えた。

「んぁ…あ…あん…」

「すげえ」

顔を横に向け、気持ちよさそうに目を瞑る。
俺の存在など忘れているように、一人遊びに没頭していた。

其の光景を夢中で眺めていると、なまえは突然バイブのスイッチを入れ乳首に当てる。
その行動に正直驚いたが、俺は変わらず目を逸らせずにジッと見つめた。

「あっああ……ッ、んあ!イイ……ッ」

スイッチを入れ、乳首に触れた途端、大きな声で喘ぎ始めるなまえ。
顔を上げて、甘い刺激に酔っている。

「やべ…」

それを見て、無意識に俺の手は硬く勃起した肉棒に触れていた。



咥内を犯していた指を秘部へ持っていき、捲り上げられて丸見えになっていたショーツに触れ、割れ目をそっとなぞる。

「んぁ…!」

何度も行き来し、次第に其処にシミが出来上がっていった。
じわじわとねっとり彼女の蜜が溢れ出している、俺は其処に釘付けになる。

「気持ちいいか?」

自分の限界ギリギリの理性を何とか保ち、盛んに自慰を繰り返すなまえに問う。

「気持ち、イイ……ッご主人様ぁ、は、ぁ…!気持ち、イイよぉ……」

グチョグチョと卑猥な音を立てる。
気が付くと、ショーツを横にずらし、其処から直接秘部を攻め、穴に指を抜いたり差したりしていた。


「あん!あ!あ!んあああ……ッ」

凄まじい速さで穴を攻め続ける。
指を二本に増やし、大きく膨らんだクリトリスを自分のローションで滑りをよくしてこねくり回し、カクカクと腰を動かして喘いでいた。

「ひゃああん…!気持ちいいよぉ、ご主人様ぁ」

「やべえ」

こんな乱れたなまえ初めてだ、いつも自慰ではこんなに乱れているのか。
新たな彼女の一面を見て嬉しく思う自分が居た。

「ご主人様、見てぇ……」

俺にそう促すと一気にバイブを埋め込んでいく。
それによって大量の蜜が流れ出て、ポタリと床に落ちていった。

「んああああ……ッ、大きい、あ、あーーー!」

駄目だ…そんな顔で見つめられたら、見ているだけだなんて拷問過ぎるだろ。

「俺のを舐めろ」

勢い良くなまえに近寄ると、俺は既に出していた自分の肉棒を彼女の口に強引にねじ込んだ。



「んん……ッ」

頭を掴んでがむしゃらに腰を振ると、彼女は苦しそうに声を漏らしながらも、蛭のように吸いつき舌を亀頭に絡ませる。

「もっと舌使え!」

「ん……ッ」

なまえは口で俺の肉棒をしゃぶりながら、手では突っ込んだままのバイブを動かす。
双方動かすのをやめず、寧ろ反対に更に激しくしていた。

「……ッ、すげえ」

「んんんん……ッ」

更に吸いつきを増すなまえのフェラに俺の肉棒が大きく膨張する。
俺は口から肉棒を離し、彼女を突き飛ばした。

「……あ……ッ」

ドサリと思い切り倒れ込み驚いたように顔を上げる彼女に、俺は肉棒を見せ付け煽る。

「……此れが欲しいか?」

「ください!ご主人様の、大きなものを……ッ」

意地悪く言ってみると、なまえは瞳を潤ませながら俺に乞う。
もう此処まで来ると恥じらいのはの字もありゃしない、俺は軽く嘲笑ってベットに横になった。



「ご主人様が満足できるよう、上から奉仕しろ」

肉棒を左右に振って煽ると、それを見て駆り立てられたなまえはバイブを抜いて床に転がして俺に馬乗りになった。

「頑張ります!」

肉棒をそっと掴んで秘部にあてがうとクチュリと音が鳴った、其れを聞いて更に興奮したなまえは一気に密壺へと埋め込んでいく。


「んああああ!」

全て呑み込んでだ後、なまえが一番大きな声で喘いだ。
それと同時に狂ったように身体を揺さぶり始める。


「入ってる!ご主人様のが、入ってる……ッ」

「……お前、締め付けすぎ……ッ」

「ご主人様ぁ…!好き!好きィ…!あ!あ!んあ!あん!」

ギシギシとベットが軋む。
芯が折れてしまうのではないかというくらい激しすぎる腰使いに達してしまいそうだった。

「なまえ!」

「ああ……ッ」

彼女の腰を掴んで座位の格好になる。
曝け出された乳房に吸い付き、無数のキスマークを付けていく。
なまえは喘ぎながら、俺の頭を撫で髪に指を絡ませる。

「ご主人様……!」

「なまえ、好きだ!」

「わ、私も大好き……ッ」

獣のように息を吐きながら、何度互いの唇を貪りあった。



「ああ……ッ、あ、んあッ」

座位で突き上げながら、彼女を押し倒す。
正常位で腰が砕けるくらい打ちつけ捲くった。

「気持ちいいか…!?潮吹いてイっちまえ…!」

「あああ……ッ。イ、く……ッ、ご主人様ぁぁぁ……ッ」

「……ッ」

俺となまえは互いの体内にある液を放って、同時に絶頂を迎えた。


達した後、俺はしばらく彼女の上に覆いかぶさって息を整えていた。
なまえもぐったりとしながらも、俺の背中に腕を回す。



「エド」

行為が終っていつの間にか”ご主人様”から”エド”に切り替わる。

「……な、何だよ?」

何となく、声が低く感じるのは気のせいだろうか。
俺は怖くなって彼女を見つめることが出来なかった。

「……エドだからあんな事出来るんだからね?」

「あったりめーだ。他の奴に見せたらまたお仕置きだぜ、なまえ」

「エドにならお仕置きされてもいいよ」

見ると照れくさそうに微笑むなまえの美しい顔、俺の我侭もこうして許してくれる。



「ねえ、エド。……もう一回、しよ?」

「……そんな台詞言われてこのまま寝られるか」

結局は彼女のペースだ、最初は俺が主導権を握ってるつもりだったのに、いつの間にか立場が逆転している。

「やっぱり適わねえ…」



でも、これでいいか。と思いながらなまえに覆い被さって彼女の首元へと顔を埋めた。


END

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