40 先生と元カノD

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「という事だったよ」

「なんだあ〜!良かったね、名前ちゃん」
「煉獄先生、なんでそんな女と付き合ってたんだ?」


次の日の放課後、恋雪と狛治が夕ご飯を一緒に食べようと誘ってきたから3人でファミリーレストランへ向かった。
きっと2人とも私のことを気遣ってくれたんだろう。

だから2人に昨日あったことを話した。
先生は別に元カノと何かやましい事があった訳じゃないことを。

2人とも顔を見合わせてはぁぁ、と大きくため息をついた。


「先生は守りたくなるようなか弱い女の子が好みなんだって」

そう言うと2人はまた顔を見合わせて、それから私の方をタイミングを合わせて見つめてきた。
言いたいことは分かる。
どちらかと言うと私はそういう系じゃない。


「煉獄先生、悪趣味なんだな」
「こら、狛治さんっ」
「…すみません恋雪さん」

また始まったよ。
この2人はいつも幸せそうだ。
熱くてまだ食べられないドリアをかき混ぜる。
湯気が出て視界が白くなる。

「恋雪は何かないの?狛治とのことで」
「えっ?わ、私は全然!だって狛治さん、すごく良い人だし…」

とは言いつつ、セックスの時にちゃんと狛治が満足できているのか分からなくて不安だとLINEでは相談を受けている。
だからなのか恋雪は私のその問いかけに顔を真っ赤にして大慌てだ。
そんな恋雪の姿を見て絶対に何かある、と確信した狛治が今度は焦りだす。

「恋雪さん、俺、何か…」
「ち、違うんです!本当に何も!」
「まぁまぁ、2人とも。せっかくの料理が冷めちゃうから今は食べちゃおうよ。帰る家は同じなんだから、後から2人でじっくり話しなよ。ね」

珍しく恋雪に睨まれた。
ごめんね恋雪。
でも私も同じようなこと思うことあるよ。
それも恋雪は体が弱いから、尚更だろう。
狛治も煉獄先生みたいに体力ありそうな見た目してるもんね。




「苗字、どうした。進路変更なんて」
「悲鳴嶼先生、まだ間に合いますよね?」
「ああ。もちろんだが…」
「これで、お願いします」
「……他県か。苗字は地元に残りたいと言っていたのに、どうしたんだ?突然」
「やっぱり地元出たいと思って」
「そうか。まあ、良い経験になると思う。少しレベルは高くなるから、これから本格的に受験勉強に力を入れるんだぞ」
「大丈夫です。予備校もちゃんと入ったし」
「頑張れ、応援してるぞ」
「はい。先生ありがとう」




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