-10 帰り道

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広めの歩道に大人5人。
夜中だと言うのにみんな声がデカいからヒヤヒヤする。


結局私はキメツ学園の教師4人と一緒に帰ることになった。
やっぱりみんな根は優しいんだろう。


「お、ここら辺だよ。俺が苗字を見つけて盗撮したの」

そう言って交差点で宇髄先生は笑った。
そういえば忘れていたがそんなことがあったなあ。

「苗字さんは毎朝ヤク〇トを飲んでるのか?」

煉獄先生のその発言に耳を疑った。
まさか…

「煉獄先生も、写真、見たんですか?」
「ああ。宇髄が見せてきた」
「宇髄先生っ!」
「あん?別に良いだろうが。相手は煉獄だぞ?」

だからこそなんですが!
でもそんなこと言えない。

宇髄先生のことはもう色々諦めている。
事務長さんの気持ちが少し分かった気がした。


「あの時の私、寝起きだし顔死んでるし…。恥ずかしいですよ」
「苗字さんはどんな姿でも苗字さんだろう、気にするな!」

ははは、と大きな声で笑う煉獄先生。
そう言ってもらえるのは素直に嬉しい。


「おまえ何年目なんだよォ。今の仕事」

さっきまで冨岡先生と言い合いをしていた不死川先生がぐいっと私の肩を揺らす。
顔はお酒のせいなのかとろけている。
いつもよりはちょっと怖くない。


「えっと、短大卒業してから入社して4年目です」
「じゃァ24歳かよォ。ガキとそんな変わらねえな」

いえいえ、高校3年生でも18ですよね?
けっこう違います…。
とは言えず、はははと笑ってやり過ごす。


「不死川、おまえだって27だろうが。そっちの方が近いだろ」

宇髄先生が笑う。
若いなと思ってたけど3歳しか違わないのか。
それを知ってなんだか親近感が湧く。

「煉獄は26だから、そっちの方がちけーか」
「えっ!26!?見えない!」

絶対にみんなより年上だと思っていた。
私がすごく驚いてしまって煉獄先生がビクッとしている。

「オイ煉獄、おまえ老けてるってよォ」
「むふふ」
「おら、冨岡まで笑ってるじゃねーか!」
「むぅ、苗字さんは何歳だと思ってたんだ?」
「えっ、いや、このメンバーの中だと1番落ち着いていて大人びていたので…」

そう言ってあわあわしているとみんなが「たしかに」「わかるわ」と爆笑し始めた。
この人たちはなんて騒がしいんだろう。
やっぱりこのメンバーの中だと1番大人なのが煉獄先生だった。



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