キスをテーマにしたショートストーリー集です。

一つ140字〜200字で構成され(筆が乗ればその先も)、短編や長編に採用されたものや今後使う予定のものもごちゃ混ぜになっています。百個のキスシチュを書くことを目標に、管理人のキスシチュへの飽くなき萌え語りを交えて記載しています。




▼ No.4 『女遊びを続けるあいつへのキス』

2014/04/05 20:45


『飄々と女遊びを続けるあいつに向かって振り上げた手の平は楽々と掴まれてしまった。口元に薄い笑みを浮かべながらあたしを鋭く見つめる瞳に、不覚にも胸が跳ね上がる。タイプの顔は質が悪いわ。掴んだ手首に唇を寄せ妖しい視線を送ってくるあいつに心の中で白旗を上げ、あたしは別れの言葉を飲み込んだ唇であいつの唇を塞ぐのだ。』








イメージはシャル。人当たりの良い笑顔で女を取っ替え引っ替えするシャルがいたら萌えるな、ってことで出来たSS。女側はただの遊び相手の一人だって分かっているけど、それでもシャルに惹かれてしまってどうしようもない、そんな状況をイメージ。遊び人のシャル萌えるよ萌えたぎるっ!!このキスシチュを元にした遊び人シャルのSSは『memo』にて以前投下したので、そこで続きっぽいのが読めます。


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▼ No.3 『恋い焦がれた姫君へのキス』

2014/04/05 20:27



『身を焦がす程恋焦がれた僕の姫君。貴方の為なら先のない戦いで散るとしても本望だ。ただ最期に一つだけ、貴方に触れさせて下さい。そうして初めて触れた貴方は壊れ物のようで、掻き抱きたくなる衝動に耐えながらそっと包んだ君の首筋に、僕は触れるか触れないかの口付けを一つ残した。』







騎士と姫君最初で最後の触れ合いのキス。この騎士はこの後出陣して死ぬ運命なのだと思う。恋い焦がれて恋い焦がれた姫君へのありったけの想いを込めてのキス、切なくて切なくてこのシチュだけでご飯三杯はいけますw 幼馴染設定だと更によし。中世の小国のお姫様だったらいいなぁ。この姫様には政略結婚の許嫁がいて、その重要性を理解しているから下士官との身分を超えた恋愛に身を投じることが出来ないことも理解している。だから、これが精一杯の彼への気持ち。最初で最後の恋。そんな悲しい物語の中でのキスだといいなぁ。
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▼ No.2 『まぶたへのキス』

2014/04/05 19:58


『そのつぶらな瞳から零れる涙がまるで真珠のように思えて、僕は泣きじゃくる君の姿を時が止まったかのようにじっと見ていた。ぽろりと粒となって落ちてゆく涙がなぜかとても勿体なく思えて、気づいたら僕は君の頬を伝っている涙に唇を寄せていた。驚いて瞬きをする君の瞳から大粒の涙がまた零れ落ち、僕は泣き虫な君のまぶたにキスを降らせ、力の限りに抱きしめた。』









『夢と現の狭間』の本編中で使ったキスシチュです。初めてこのキスシチュに遭遇したのは清水先生著に漫画『輝夜姫』で、主人公がヒロインの涙を唇で舐めとるシーンにハートを撃ち抜かれたのを覚えています。

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▼ No.1 『髪へのキス』

2014/04/05 19:50


『カビとインクの漂う古臭い図書館の中で窓からの木漏れ日を受けながら黙々とページを捲る君。柔らかな光を受けて薄茶色に浮かび上がる君の髪を手に取り、僕はそっと唇を寄せた。本を読む君の頬が少しだけ頬の赤くなる。そんな君に背中を預けて僕は読みかけのページに目を戻す。背中を通って伝わる君の鼓動と僕の鼓動。ペラとページを捲る音だけが僕らを包んだ。』








甘酸っぱい青春をイメージ。想いを寄せ合う文学少女と文学少年の、特別な時間。
こういう両片思いのほのぼのしたシチュってイイですね、トキメきます。
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