「えっと、私そこに家だから。」 「家電気ついてなくない?」 「あー…一人暮らしなの、私。ここで。」 「「…は?!」」 そう。 両親は一年中海外飛び回ってる仕事をしているのもあり、私は一軒家で一人暮らし状態。 それをスガさんも知ってるからいつも心配されるんだよね。 「いや……ってかまじで…?」 「うん。もう中学の時からだし慣れてるよ、寧ろ親いるほうがなんか調子狂うし。」 「だって風邪とか引いた時どうするの!?」 「薬飲んで寝てれば治るし。」 もう慣れてる。 寂しいという感覚はないし、元々前世じゃ18から一人暮らししてたし。 「はぁ…本当君絶対普通の人より感覚ずれてる。」 「よく言われる、癪だけど。」 「ますます今日送ってよかったよー…。何かあったら言って!?俺もツッキーも協力するし『山口煩い』 「ごめんツッキー♪」 「まぁ…大丈夫だよ。送ってくれて有難う。二人とも気を付けて帰ってね。」 「また明日ね!お休み黒月さん!」 「オヤスミ。」 「お休み〜!」 二人が居なくなったのを確認してから家に入る。 っていうか私また余計な事話した気がする。 ハイキューの原作を知っていて前世の記憶がある私。 その私が一応原作通りに進めているんだけど、本当にそれでいいんだろうか。 知ってるからこそ、烏野を優勝に導くことが出来ないんだろうか。 大地さんの想いだったり、スガさんの想いだったり、旭さんの想いだったり、田中さんのインナースパイクの事だったり、力の大地さんの代わりに出る試合の件だったり、ツッキーのやる気だったり、山口のサーブだったり。 仮にそれが出来るとしても、私がそれをやってしまったいいのだろうか。 「……知ってるっていうのも、結構辛いなぁ。」 知ってるからこその辛さを、私は改めて知ったのだった。 → ← → back 95/51 |