詩織先輩は相変わらずバレー部でマネージャーを続けていた。

変わってない、2年前と本当に何も。
変わってない事実は、僕と先輩の年齢差だ。

どうあがいたって縮まらない距離。


先輩と同じ学年だったら、3年間共に過ごせたというのに。




「とうとう、うちにも190近い奴がきたなぁ!頼むぞ〜月島ぁ!」


「あ、はい。」


「また私が確りと練習付き合ってやるし!手加減なんてしないから覚悟しなさい!!」


「冗談。僕が先輩に勝てるワケないじゃないですか〜。」


「相変わらずの性格してるんだから……全く。」





そういって先輩はあの時と変わらずに背伸びをし、僕の頭に手を伸ばしてくしゃっと頭を撫でる。

本当に変わってない。
僕が大好きな先輩のままだ―――――……。





「そういえばコーチに呼ばれたのなんだって?」


「あ!そうなんです!来週日曜の練習試合の相手決まりました!!!」


「どこだ?」


「青葉城西です!!」


『はあああ!?????』






え、青葉城西ってインハイ予選で毎度白鳥沢と張り合ってる強豪でしょ!?
なんでそんな強い所と4月の初めで練習試合!?





「―――あ!さてはお前だべ!?詩織!!」


「へへーんその通りです!そういう身内のコネは上手く使わないと勿体ないですし!」


「……あ、もしかして花巻先輩のいる学校『ピンポーン!』






花巻先輩とは、詩織先輩のお兄さん。
僕の中学時代の先輩であり、強豪校である青葉城西にいった先輩だ。

そうか、こういうコネを使うのか……。




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