★3話★ 合宿は順調に進み、気が付けば既に4日目に突入していた。 月島兄妹は自主練に毎回参加し、妹ちゃんも音駒に馴染み始めていた。 マネ業やバレー時の妹ちゃんは、普段話している時とのギャップが凄くて。 あんなにバレーには真剣に取り組むのに、オフのスイッチ入ると本当にただの可愛らしい15歳の女の子。 練習、自主練と終わればいつものように食堂、そして風呂へと入る。 宿舎へ戻ろうとすれば、第三体育館の電気がまだついていて。 俺はそっと覗くと、そこにはサーブ練習を一人でやっている妹ちゃんの姿があった。 朝9時から休憩入れて18時までマネ業をしたりして、そのあと21時まで俺達と自主練やって、それでいてサーブの練習。 いやもう選手だったとしても凄すぎだろ。 「はぁ…はぁ………。」 「あんまり無茶すると、ツッキー怒るんじゃねぇの?」 「! …黒尾さん。ちょっと打ちたい気分で…もう100本目なので終わらせます。」 「ひゃ、100?!っつか身体休めねぇと明日に響くぞー。」 はい、と苦笑気味に笑う月島ちゃんを見守り、片づけを手伝う。 「すみません…お手伝いしてもらって……。」 「いーのいーの。二人でやった方が早いでしょ。」 俺はそうにっこり笑みを浮かべる。 「そういえば妹ちゃんってさ、いつからバレーやってたの?」 「私ですか?えっと蛍に誘われたときですから、小1の時です。」 「じゃー俺や研磨と同じぐらいかー。あ、俺研磨と幼馴染でさ。俺があいつをバレーに誘ったんだよ。」 「そうだったんですね。…実は私極度のブラコンだったんです。」 「え?!まじで?!」 「はい(苦笑)バレー始める前はずーっと蛍の後くっついてあるいてたんですよ。でもバレーを始めて、兄離れをしたら、今度は蛍がシスコンになってしまって…。」 「あー…なるほど。」 「でも感謝してます!私をバレーと出会わせてくれて。バレーをしていなければ、こうして黒尾さんと出会うこともありませんでした。兄や蛍に感謝してます。」 「―――――――、」 うわぁぁぁぁぁ ……………////////// これ絶対に口説き殺し文句だって気付いてないパティーンだ!!!絶対に!!!!! 自分の事に関しては天然なの!?!?どういうことなの!? ← → back 175/22 |