合宿も三日目の突入。 俺達音駒は烏野と梟谷の試合を皆で見ていた。 そこでは木兎にフェイントを使わせるブロックをツッキーがしていた。 「やるじゃん、ツッキー。」 「今のはナイスブロックでしたね。黒尾さんに少し似てました。」 「えー?似てたか?」 「はい、とっても。――――あと、やっぱり赤葦さん。凄いですね、彼。」 「赤葦は2年で強豪校のセッター兼副主将。実質裏主将だな、あの木兎が主将だし。」 「どんなに乱れても、どこにいてもソッコーのトス出してます。……やばいですね。」 「すっげー評価たけぇじゃん。」 「はい。でも孤爪さんだってすごいんですよ。」 「研磨?」 俺は横で小さく欠伸をする研磨を見つめた。 「音駒は元々レシーブ力が凄いじゃないですか。だからどんな球でも確りセッターの…孤爪さんの上に返ってくる。だから孤爪さんはどこへでもトスが出せる幅が広がる。 ―――――強いって自由ですね。」 「(…凄くてやばいのはなによりもお前なんだよなぁ…妹ちゃん。)」 たかだかのマネージャーがこんな観察が出来るだろうか、出来るわけがない。 だからほしくなってしまう。 マネージャーとしても、そして一人の女としても。 そして相変わらずの集中力で両校の試合を視ていた。 ← → back 175/20 |