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最近はずっと考え事をするばかりだ。考え事と言うのは、まあみょうじのことなんだけど。先日のことがあってから、彼女のことを考えている。
聞いた話によれば、みょうじは旧友から告白されたらしい。彼女の友人が聞いてもいないのに教えてくれた。断ったそうだけど、それでも彼女の気持ちがいつまで俺に向いていてくれるかはわからない。一度フっている身としては、どう動いていいものか考えあぐねているのだ。
そのためかここ数日は眠りが浅い。天気も悪い今日は、低気圧の影響か頭痛もする。
「角名くん大丈夫?」
「ん……、平気」
俺の前の席に座ったみょうじが心配そうに尋ねてくる。
「鎮痛剤飲んだ?」
「飲んだよ」
痛みに耐えかねて机に突っ伏すと、みょうじが俺の頭を撫でてきた。どこか心地よくて少し痛みが和らいだ気がする。
「最近角名くん物思いにふけってるじゃない?考えすぎてストレスたまってるとかかなぁ」
「かも」
まさかみょうじのことをずっと考えているなんて正直に言えるわけがない。でも考えすぎてと言う点では間違いではない。
伏せていた姿勢から身体を起こすと何かを思いついたというような表情のみょうじと目が合う。
「角名くん角名くん」
「?」
みょうじは椅子から立ち、両腕を広げてこちらへ近づいてくる。
「ハグするとストレスって3分の1になるらしいじゃないですか」
「なるらしいね」
「どうぞ!」
なるほどその行動の真意は読めた。しかしここまで余裕のある顔をしているのは、俺がいつもの如く本気にせず流すだろうと思われているのか。それとも本当に余裕があるのか。おそらく前者だろう、そして悪戯心のわいた俺は彼女のその行動に応えてやろうと思う。
「……じゃあお言葉に甘えて」
「へ?」
みょうじの小柄な身体をそっと抱きしめる。顔は見えないけれど、驚いているんだろうな。自身の腕の中で固まったままであることからよくわかる。行き場をなくした腕もそのままだ。
されるがままの彼女を可愛らしいなどと思っていると、固まったままの腕が俺の背にまわる。思わず彼女の顔を見ると緊張した面持ちながらも、柔らかな笑みを向けられる。
「ス、ストレス軽減しましたか」
「…………した」
心臓がぎゅんと音をたててときめいたのがわかる。ストレス軽減どころかすっごく元気になった気がする。こうして俺は改めて彼女が好きだと思い知らされ、ますますドツボにハマってしまうのであった。








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