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▼ご用心ご用心






それは文化祭の写真をSNSにあげたことから始まった。二学期の文化祭にて、クラスメイトの女子何人かと撮った写真を私はいたく気に入っていた。たまにしか更新しないそれに、珍しい人物からコメントがついたのだ。それは向こうの中学で仲が良かったグループのうちの一人。彼とは個人的にもよく話す間柄だった。
それからちょくちょくトークアプリの方でも話すようになり、何だかんだ昔みたいに連絡を取り合うようになった。彼と話すのは久しぶりだったけれど話は弾むし楽しい。
「……ってなわけで、今度こっちに中学の友達が遊びに来るから案内するんだよ」
昼食を食べながら、冒頭の流れを友人に話す。今日は購買で数量限定のプリンが買えたので大変気分がいい。
「いや……なまえ、あんた人の好意に鈍ない?」
「えぇ?」
「絶対こんなんあんたに気があるやつやん」
「嘘だぁ」
ぶんぶんと私は顔の前で手を振った。
「嘘ちゃうわ。学校ではあんたが角名を好きなんオープンにしとるから最初から諦める奴が多いんやて」
「またまたぁ」
「……(角名自身無自覚かはわからんけど他者の好意を遮っとるからなまえが自覚しとらん)、せやな……あんたのそのアンテナは角名専用やもんな……」
「?、うん!」
「わかってへんやろ」
角名……苦労するな……、とつぶやきながら友人は遠い目をしていた。


■□■□■


時の流れは早く、約束の日が来るのも早かった。駅で旧友を待っていると、中学時代を思い出す。
「みょうじ、久しぶり!」
「久しぶりー!」
2年ぶりに会った旧友は相変わらずだったが、身長はぐんと伸びていた。高校生の成長期というのはこうもすさまじいものなのか。
「みょうじちっちゃくなった?」
「そっちが伸びたんでしょー」
軽口を叩き合うこの感覚は久々だ。
「今日は私が案内するからどんと任せてね」
「頼もしい限りで」
この時の私は、間違いなく楽しくて浮き足立っていた。








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