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▼責任取ってくださいね






「……ご迷惑をおかけしました」
「元気なようで何よりや」
気がつけば部室で横にされていた私。バレー部の部室は信介先輩のおかげでとても綺麗だから、横になっても特に気にならないのは大変助かる。
部室で目覚めると傍には信介先輩がいた。他の部員はまだ練習中らしい。
しかし体育館で意識をフェードアウトさせた私が今ここに居るということは、誰かが運んでくれたということが明白であって。
「あの、つかぬ事を伺いますが、……誰が私を運んでくれたんですか……?」
「ん?ああ、角名やで」
「!?」
信介先輩の返答に驚きを隠せない。
「……さ、参考までにお聞きしたいんですが、角名くん私のことおんぶとかで…?」
「いや、横抱きやったな」
所謂お姫様抱っこっちゅうやつか、と先輩は言う。言い直さなくても理解は出来てます先輩。というかそれどころではない。
「わ、私は何て勿体ないことを……!?」
確かに横抱きはとんでもなく恥ずかしいけれど、それ以上に意識がなかったことが悔しい。とめどなく後悔をしていると部室にどやどやと部員が入ってきた。どうやら部活が終わったようだ。
「おっ、みょうじ無事か?」
「アラン先輩!ご心配おかけしました!」
アラン先輩に続いて他の先輩方も色々とお声掛けもらってしまった。鼻血出して逆上せてぶっ倒れたという事実は間抜けな字面なんだけども。
「みょうじ復活した?」
「す、角名くん!!」
私はこの通り元気だよということをアピールする。あんまりはしゃぐとまた鼻血出してぶっ倒れるよ、と言われてしまったが。
「みょうじ、角名に運ばれた時意識ないの悔やんどったで」
「信介先輩!!!」
何で言ってしまうんですか!その事実を伝えられた角名くんはきょとんとして頬をかいている。
「それくらい言われればしなくはないけど」
「えっ!ほんと!?」
角名くんの言葉に面白いほど食いついてしまった。
「いやでも待って、さすがに意識あるときは恥ずかしいし、でももったいないし……」
「どっちなの」
「このままやとみょうじが喧しくてかなわんではよやれや角名」
「えっえっ、ちょ」
治の言葉に角名くんは呆れたようにため息をつき、そのまま私の足は床から離れた。
「ひゃ……!!む、無理無理無理」
「何が無理なの」
「顔近いし、角名くん軽々持ち上げるし……かっこいい……また鼻血出そう……」
さすがに角名くんの首に腕をまわすわけには行かなくて行き場のなかった両手で顔を覆う。
「角名くん……責任取ってね……」
「まだその話続いてたんだ?」
おそらく真っ赤になっている顔も隠せていればいいと思った。また鼻血出ませんようにと願うばかりである。
ところで私はいつ降ろしてもらえるのだろうか。








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