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▼暑さのせいだけじゃありません






まだまだ残暑が厳しい分、体育館での練習もなかなか厳しい。この暑さに逆上せてしまいそうだ。
そんな暑い体育館内を慌ただしく今日も文字通り走り回っていた。………のだが。

ドタンと大きな音が体育館に響く。
「い、痛たた……。もう、誰がこんな所にタオルほっぽったの!!!」
さっきの大きな音は、私が床に放ってあったタオルで滑ってコケた音だ。受け身が上手く取れずほぼ顔から床に突っ込んでしまった。
「すまん俺や」
「侑の馬鹿!!」
犯人は自首してきた。腹が立ったのでタオルをぶん投げてやるが上手にキャッチされてしまった。悔しい。
「……それにしても顔面からえらい勢いでいったな?」
「ほんとに!もう!こんなとこにタオルなんかあるから!」
ふつふつと落ち着いていたはずの怒りが込み上げてきた。それに伴ってか、じんじんと顔が痛い気がする。
「う〜っ痛い、傷でも残ったらどうしてくれるの」
「安心せぇみょうじ」
「どこに安心要素があるの」
「そうなったら責任とって嫁にもろたるって。角名が」
「俺?」
急に巻き込まれた角名くんは微妙な顔だ。
「俺には荷が重い、って痛ァ!」
何か複雑な気持ちになったから侑の背中をどついてやった。微妙な顔をした角名くんは侑を一瞥したのちにこちらへ来る。
「冗談はさておきみょうじ大丈夫なの」
「痛いことは痛いです」
見せて、と両手を顔に添えられる。
「保健室行った方が良くない?」
「おでこと鼻がじんじんする……ってか近い!近いよ角名くん!!」
心臓の音が早くて顔が熱い。これここの気温が高いからってだけじゃないでしょ。
「あと打ったとこないわけ?」
「聞いて……っ、?!」
たらり、と鼻の下を伝う感触がした。手で触ると目に入るのは赤。は、鼻血だ?!
「ちょ、みょうじ」
「へ、うわ、わ」
混乱と羞恥で頭がぐらぐらする。角名くんが私を呼ぶ声が聞こえる中、私の意識はすっとフェードアウトした。








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