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▼爆弾発言5秒前






ついさっきまで天気が良かったのに現在土砂降りである。天気予報でも晴れマークが付いていたから傘など持ってきていなかった。部活も終わってもう帰るだけというのは幸いだった。
「すっかりびしょびしょだ〜……」
「急に降ったね」
「傘無しはキツかった……は、くしゅっ」
バスから降りるとくしゃみが出てしまった。このままでは身体が冷えてしまいそうだ。
家に早く帰って身体を温めた方が良さそうだなぁ。早く帰らなくてはと思ったところであることを思い出してカバンの中を探る。
「どうしたの?」
「今日親が遅いから家の鍵を……探して……いるのですが…………」
「………ない?」
「そうみたい……どうしよ」
大変困ったことになってしまった。どうしたものかと考えていると角名くんが口を開いた。
「俺のアパート来る?」
「えっ」


■□■□■


結論としてあのまま風邪をひくよりは、とお言葉に甘えることにした。角名くんの部屋には何度か入ったことはあるけれど、いつ来ても緊張する。
「お邪魔します……」
「シャワー先使って。タオル出しとくから。あと着替え俺のでいい?」
「うん。あ、ありがとう」
「濡れた物は乾燥機かけてくれて大丈夫だから」
家主より先に使わせて貰っちゃって悪いなぁ。脱衣場にて濡れた衣服を脱いでから気づく。これ下着の替えないのでは。しかし、うだうだ言ってもいられない。早くシャワー浴びてしまわないと、角名くんの身体が冷えてしまう。上がってから考えようと思考を放棄した。


■□■□■


さっと着替えさせてもらい、風呂場を出る。下着についてはもう仕方ないので早く乾燥機が止まるのを待つことに決めた。角名くんが貸してくれた着替えが厚手のスウェットで助かった。
「角名くん、シャワーありがと。早く角名くんも入ってきてね。身体冷えちゃってるでしょ」
「うん。あ、ドライヤー出しといたから」
「助かります!」
そう言って角名くんは私と交代で風呂場へと向かった。ドライヤーをコンセントにつなぎ、頭を乾かす。うちの物とは違う香りにドキリとした。
乾かし終えてようやく一息つく。改めて借りた着替えを見るも、やはり大きい。上なんか私の膝まで隠れる丈の長さだ。そして何より。
「角名くんの匂いがする……」
袖を顔に当てて、ついつい匂いをかいでしまう。タイミングの悪いことにリビングの扉がそこで開いた。
「う、あ、………おかえりなさい」
「ただいま……?」
角名くんがシャワーを終えて、リビングへと戻ってきたのである。
「……今の聞いてた?」
「ばっちり」
「そこは嘘でも聞いてないって言ってよ」
「何で?可愛いじゃん」
にまにまとこちらを見る角名くんは心底楽しそうだ。可愛い評価を頂いたので良しとしますが。
隣に座った角名くんは首にタオルをかけている。よくよく見ればあまりちゃんと拭いてなさそうだ。
「ちゃんと拭きなよ角名くん」
拭いてあげようと膝立ちになって傍へ寄ると、どこか驚いた顔をした彼に両手を掴まれた。
「……あんまり無防備に寄らないで」
「へ?」
「手、出されても知らないよ」
その言葉の意味を理解した私はそのままの状態で固まってしまった。








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