好きなのか?
ははは……やっぱりな。
そうだろうと思ったぜ。
俺は占いなんて信じない方だからな。
その手の本を読んだのは、この時が初めてだったんだ。
殺す夢っていう項目だって、ちゃんと載っていたよ。
……載ってるってことは、他の奴等も殺す夢を見てるってことだよな。
ま、そんなことはどうでもいいんだが……。
俺は、そのページを読んで驚いたよ。
殺す夢っていうのは…………。
倉田……。
なんて書いてあったと思う?
1、いい夢
2、悪い夢
3、危険な夢
4、良くも悪くもない夢
『1、いい夢』
そうなんだ。
殺す夢っていうのは、いい夢なんだってよ。
……お前、よく知ってたな。
『2、悪い夢』
……お前もそう思うか?
実は俺もそう思っていたんだ。
人を殺しちまうなんて、なんとなく不吉な感じがするだろ?
なんか悪いことが起こる前兆じゃないかって、ちょっと不安になってたのさ。
だがな……。
本に書かれていた内容は、俺の想像とはまったく逆だった。
殺す夢っていうのは、いい夢なんだってよ。
『3、危険な夢』
ほとんどの奴はそう思うだろうよ。
俺も同じだったからな。
ほら、夢は無意識の現れだっていうだろ?
俺は、無意識のうちに人を殺したいと考えているんじゃないかって、自分が恐ろしく思えてしょうがなかったんだ。
だがな、本に書かれていた内容はまったく逆だった。
殺す夢っていうのは、いい夢なんだってよ。
『4、良くも悪くもない夢』
占いの本っていうのは、たいてい良いことも悪いことも書いてあるもんだがな……。
この夢に関してだけは違ったんだ。
殺す夢っていうのは、いい夢なんだってよ。
※以下同文※
運勢の発展を表す夢で、いろいろなことが上り調子でうまくいきます。
……なんて書かれてたぞ。
なんか意外だった。
すっかり拍子抜けしたよ。
それまで悩んでいたのが、なんだかばかばかしく思えてきた。
お前、さっき占いとかが好きだっていったよな。
だったら、いろんな占いを試してるだろ?
一度や二度は、その結果に失望したことだってあるんじゃないか?
悪い結果じゃなかったが、なんだか鵜呑みにして納得する気にもなれない。
たまには占いを信じてみようみようかって気になっていたんだが、ここまであっけらかんと書かれて、かえってがっかりしたよ。
ほんの数行しかない文章に、あの夢の説明を求めたのが間違いだったのさ。
心理学者とか哲学者とかが書いたような分厚い本でも読めば、もう少しマシな答えが見つかったんだろうが……。
俺は、あんまり本を読むのは好きじゃないからな。
けっきょく俺は、
「夢の中のできごとだから……」
の一言で、全部わりきってしまうことにしたんだ。
そして、夢のことはきれいさっぱり忘れたはずだったんだが……。
今日、ここに来て急に思い出しちまったんだ。
なぜかっていうとな…………。
……おっと、停電か?
まいったな。
これじゃ何もみえねえぜ。
まあ、話を続けるのには、たいして関係ないが……。
どうする、倉田?
このまま続けてもいいのか?
1、話を続けましょう
【END殴打】
2、いったん休憩にしましょう
3、もう終わりにしましょう
【ゲームオーバー・特ダネ】
『2、いったん休憩にしましょう』
「いったん休憩にしましょうか?」
私は、おそるおそる尋ねた。
こんな真っ暗闇の中で怖い話を聞くなんて、そんな度胸は私にはない。
ちょっと中断していれば、そのうちに電気だってつくと思うし……。
ところが……。
「ねえ。
私、早く帰りたいの。
話を続けないんだったら、私は帰らせてもらうわよ」
不機嫌な声は岩下さんね。
暗くて姿は見えないけど、なんとなく彼女のいる辺りに怒りのオーラが見えるような気がする……。
……どうしようか。
1、話を続ける
【END殴打】
2、終わりにする
【ゲームオーバー・特ダネ】