風間台詞2 | ナノ
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風間望
PS追加・変更・女主人公用台詞
5話謎に満ちた風間の秘密


『1、信用している』(変更)
風間さんは、自分の両目に指を突っ込み目をくり抜いた。
あ、あれは義眼だ……。

「風間さんを、信用します!
風間さんがそう言うなら私たちは信じましょう。
ええ!!
みんなが信じないといっても、私だけは信じましょう!!
風間さん!!
はぁはぁはぁ……」
私は、思わず力んでしまった。

取りあえず、こういうふうにいっておかないと、後でなにを言われるかわからないもの。
「いいよ、無理をしなくても。
これから、その証拠をじっくり見せてあげる……」
風間さんはにっこり笑っていった。

「僕らは、目が退化していてね。
ほら……」
風間さんは、自分の両目に指を突っ込み目をくり抜いた。

「こうやっても通常生活に問題はないんだが、みんなが驚くと思ってね」
そしてまた、目をぽっかり空いた穴に埋め込んだ。

「僕たちは、超音波で意思の疎通ができるんだよ」
彼は、耳をぴくぴくさせた。
自由自在に耳が動かせるようだ。
す、すごいわ。
これなら、目がいらないのもわかるわ。

「君たち、地震はどうやって起きているか知ってるかい?」
彼は、私に聞いた。
「えーと、確かマグマ関係の……」
私は、いいかけて彼に言葉を遮られた。
「ちっちっち、あれは、僕らがみんなコントロールしてるのさ」

風間さんは、そういって人差し指を立てた。
「そして、こんなこともできるのさ」

彼は、床に耳をつけた。
そして、一人でなにかつぶやきだした。

「風間さん、どうしたんですか」
風間さんは突然、その姿勢のままでパチンと指を鳴らした。
ゴゴゴゴとなにか音がする。

「きゃーーーーー! 地震!」
早く机の下に、隠れなきゃ!
いったい、これはなんなのよ。
すごい揺れだわ。
「大丈夫、すぐ止めるから」
彼はそう言った。

「……し、しまった!!」
風間さんが焦っていう。

「地震のコントロール装置が壊れてしまったようだ!!
どうしよう!」
どうしようじゃないでしょ!!
このままでは、この周辺は崩壊してしまうわ。

「風間さん、どうしようじゃないですよ!
いやあぁーーーーーー!!」

私の後ろの支柱が、崩れてくるのを見ながら動くことさえできなかった……。
地底人のミスで、私が命を落とすなんてそんなバカな話ないよー!



『2、信用していない』(変更)
風間さんは、自分の両目に指を突っ込み目をくり抜いた。
あ、あれは義眼だ……。

風間さんはにっこり笑っていった。

「僕らは、目が退化していてね。
ほら……」
風間さんは、自分の両目に指を突っ込み目をくり抜いた。

「こうやっても通常生活に問題はないんだが、みんなが驚くと思ってね」
そしてまた、目をぽっかり空いた穴に埋め込んだ。

「僕たちは、超音波で意思の疎通ができるんだよ」
彼は、耳をぴくぴくさせている。
自由自在に耳が動かせるみたい。
す、すごいわ。
これなら、目がいらないのもわかるわ。

「そして、こんなこともできるのさ」

彼は、床に耳をつけた。
そして、一人でなにやらぶつぶついいだした。

「風間さん、どうしたんですか」
風間さんは突然、その姿勢のままでパチンと指を鳴らした。
ゴゴゴゴとなにか音がする。

「きゃあーーーーー!
地震が!」
早く机の下に、隠れなければいけない!
いったい、これはなんなの。

「もう大丈夫だよ」
気がつくと、もう地震はおさまっている。
風間さんは、私たちを見下ろし笑っている。
「君たち、地震はどうやって起きているか知ってるかい?」
彼は、聞いた。
えーと、確かマグマ関係の……。

あ、そうだわ。
彼のいっていることが正しければ、それは違うことになるわね。
「そうさ、地球上で起きる地震は僕たちがみんな操作してるんだよ」
彼は、得意そうにいった。

彼のいうことが本当なら、これはものすごいニュースになるわ。
でも……、普通の人には、私が頭がおかしくなったって言われるだけかな。
そうか、だから風間さんは普通の人とはちょっと違う香りがしたのね。

凡人じゃないっていうのは、わかってたけど。

「あの、その地底人が地上になんの用があるんですか?」
私は聞いてみた。
「僕はね、地底帝国の王子様なんだ。
ちょっとね、社会勉強のために地上に出されたんだよ。
この、あふれる気品が感じられないかい?」
彼は、自慢げにいった。

私は、夢を見ているのかもしれない……。

「あっ!! いけない!
おやつの時間だ!」

風間さんは、何やらポケットから瓶を出した。
「これがうまいんだよね」
彼は、そういっておもむろにフタを開けると、一気にそれを飲み込んだ。
それは、ミミズだった……。

まだ、口の中に入りきらないミミズが、唇の周りでにゅるにゅるとのたうちまわっていた。
私は、思った……。
もぐらじゃないんだから、そんなもの食べないでー!!

「あー、おいしかった!!
僕の話は、これで終わりだから次の人、早く話をしてよ」
風間さんは、そういうと満足そうに微笑んだ。
これは悪い夢よ。
……取りあえず、今はそんなことはどうでもいいわ。

ここにいるのが六人ってことは、七人目が来ない限り次の話が最後ということになる。
残り一人の話を聞かなくちゃ……。



『(異次元人)1、まじめに話をしてもらうように頼む』(変更)
「お願いですよ。まじめに話して下さい。風間さんの話には期待してるんですから」
僕は言った。
これが、冗談なものか。
僕は、いたってまじめさ。

「お願いですよ。
まじめに話して下さい。
風間さんの話には期待してるんですから」
私は、心の底から願いを伝えた。
ところが風間さんは、こんなことをいいだした。

……まじめに話してほしいって?
これが、冗談なものか。
僕は、いたってまじめさ



『2、異次元人だという証拠を見せてもらう』



「証拠を見せろっていうのかい?」
風間さんは、しばらくあごをなでたあとに、こういった。
「僕はね、混乱を避けるためにあくまで人間として振る舞ってきたんだ。
だからここで何が起こっても、他言無用だよ。
いいかい、わかったね」

そういって、彼は宙を指で丸くなぞった。

すると、彼が丸く指でなぞったところに、ぽっかりと黒い穴が開いた。
その穴は、黒をベースにいろんな光の帯が渦巻いていた。
「ここが、僕たちの住んでいるところさ」
彼は、そういうとその穴に顔を突っ込み、おどけて見せた。

彼は、その黒い穴を指で閉じていった。



『1、かわいそう』



「かわいそうね、風間さん……」
私はいった。
本当は、別の意味が込められていたんだけど。
「……ありがとう、地球人はなんて優しいんだ。
僕は感激してるよ。
恵美ちゃん、同情してくれてありがとう。
君たちとも、これから仲良くやっていけそうだし、よかった、よかった。
そうだ!!」

そういって、風間さんは窓際に立った。
そして彼は、空に向かって手をあげた。

!!」

すると、空がぱっくりと割れ、そこからまばゆい光線が射してきた。
私は、その光に包まれた。

私はなにかこう、心が洗われるような、暖かい気持ちになった。
風間さんはいった。
「僕たちの、代表からのメッセージを受け取っていただいたようだね。
さあ、そうと決まれば僕たちの間にもう問題はない。

幸せな気分になったところで、次の人の話を聞こうか」
……私は、一般市民なのに。
私より、もっと偉い人にそういうことは言ったほうがいいと思うんだけどなぁ。
まあ、いいわ、この際……。



『2、この人、変』(女用)
なにいってんだ。
思わず、僕はそういっていた。
……やっぱりね、僕たちの苦しみを分かれというほうが無理だったんだ。

「この人、変……」
思わず小さく呟くと、その言葉を風間さんがしっかりキャッチしてしまった。

「……やっぱりね、僕たちの苦しみを分かれというほうが無理だったんだ。
だけど、そのいいかたはないんじゃないの?
ひどいよ……。
もういい……、先住人との共存なんて調子のいいことをいってきたけど、もう、やめたやめた!」

そういって、風間さんは窓際に立った。
そして彼は、空に向かって手をあげた。

!!」

すると、空がぱっくりと割れ、そこからまばゆい光線が射してきた。

一瞬の出来事だった。
いったい、あれはなんだというの。
それにさっき、風間さんがしゃべった意味不明の言葉は……?

そして、風間さんはいった。
「悪いが、もう地球への移住を開始する合図を出してしまった。
もう、君たちとの共存は考えない。
いっておくけど、僕らは君たちと同じ外見をしているので見分けはつかないよ。

そして、知らないうちに僕たちが、いつか君たちを圧倒する日が来るんだ。
すっかり入れ替わってしまうのさ。

楽しみだねぇ。
わくわくしちゃうよ。
さあ、僕の話はこれで終わったよ。
次の人、よろしく」
ああ……、考えると頭が変になりそうだわ。
……彼は、本当に異次元人なのかしら。



『1、宇宙人』



……………………え?
これで終わりなの?
これで終わりなんて、あんまりじゃない?

風間さんが宇宙人などという馬鹿な話はおいといて、結局、風間さんは何かを話してくれたのかしら。
これじゃあ、ちょっと記事にならないわ。

何とかしてもらわなくちゃ。



『3、怒る』(変更・女用)
「……あのう、信用してないわけじゃないんです。ただ、風間さんにいわれるだけでは、説得力に欠けるんですよ。ですから、何か簡単でもいいですから、みんなが納得するような証拠を見せてほしいんです」
風間さんは、あごをしゃくりながら何か考えているようだった。
そしておもむろにニヤッと笑った。
いいよ。
わかった。
それじゃあ証拠を見せてあげよう。
誰か、水の入ったコップを持ってきてくれないかな?

「いい加減にしてください!!
風間さんはそんなにまでして、この企画をめちゃくちゃにしたいんですか!?」
私は、思わず叫んだ。

「そ、そんなに熱くならなくてもいいだろう、恵美ちゃん。
僕は別に、この企画をぶち壊そうなんて、これっぽっちも考えていないよ。
まあ、落ちついて。

とかく人間は、自分の理解できないものにはそうやってムキになるものさ」
風間さんは、思ったより冷静に私の態度を受け止めた。
私は、急に大きな声を出したことが恥ずかしくなった。
「風間さん……。
さっきはすみませんでした。

あんな、大声を出してしまって……。
つい……」
私は、彼に謝った。
そして続けた。
「……あのう、何か簡単でもいいですから、風間さんが宇宙人であるという証拠を見せていただけたら……」

風間さんは、私をちらりと見ていった。

……いけない子だなあ。
……しょうがない奴だなあ。
人の言葉は、素直に受け取るようにしなきゃ。
あっ、僕は人じゃなかったっけ。
そうだ、宇宙人だもんな。
ははははは。
……おっと、失礼。
話がそれたね。

僕が宇宙人だっていう、証拠が見たいんだよね。
よし、わかった。



『2、宇宙人だという証拠を見せてもらう』



「……あのう、風間さん。
失礼ですけど、今のではちょっと新聞を作れないんで、せめて風間さんが宇宙人だという証拠を見せてもらえませんか?」
私は、思い切っていってみた。
風間さんは、ちょっと考え込んだようだ。




『1、信用している』(変更)
彼は、落ちついた様子だった。
まあ、坂上君そこまでムキになっていうことはないよ。
君たちに、僕が唐突にあんなことをいったから動揺しているんだね。
彼は言った。
いいよ、じゃあ僕が宇宙人だっていう証拠を見せてあげよう。
そうすれば、みんな納得してくれると思うから……。
そしておもむろにニヤッと笑った。
いいよ。
わかった。
それじゃあ証拠を見せてあげよう。

「……風間さんを、信用していないとはいっていません。
風間さんがそう言うなら私たちは信じましょう。
ええ!!
みんなが信じないといっても私だけは信じましょう!!
風間さん!!
はぁはぁはぁ……」

私は、思わず力んでしまった。
取りあえず、こういうふうにいっておかないと、後でなにを言われるかわからないもの。
彼は、落ちついた様子で、私をなだめつつ、話を進めた。

……まあ、恵美ちゃん、そこまでムキになっていうことはないよ。
僕が唐突にあんなことをいったから動揺しているんだね。
いいよ、じゃあ僕が宇宙人だっていう証拠を見せてあげよう。
そうすれば、みんな納得してくれると思うから……。



『2、信用していない』



信用していない。
そんなこと、あるわけないから。
けれど、率直にそんなことはいえないので、とりあえずうまくごまかした。
「……あのう、信用してないわけじゃないんです。
ただ、風間さんにいわれるだけでは、説得力に欠けるんですよ。
ですから、何か簡単でもいいですから、みんなが納得するような証拠を見せてほしいんです」
風間さんは、あごをしゃくりながら何か考えているようだった。

そしておもむろにニヤッと笑った。
いいよ。
わかった。
それじゃあ証拠を見せてあげよう。



『3、まだ何ともいえない』(変更)
風間さんは、あごをしゃくりながら何か考えているようだった。
そしておもむろにニヤッと笑った。
いいよ。
わかった。
それじゃあ証拠を見せてあげよう。

こんなことを、平気でいってしまえる変な人だからこそ、本当はどうなのかわからない。
そうよ、彼の言うことは本当なのかもしれない。
ううん、でも……。
私は、自分でも常識のある人間だと思っているのに。
この矛盾をどうしてくれよう……。

あの、風間さんだからこそ、まだなんともいえないという気持ちにさせるのかもしれない。
でも、日野先輩はどういう基準で風間さんを選んだのか……。
今は、こんなことを考えても仕方ないかな……。

「では、取りあえず風間さんが宇宙人だという証拠を見せていただければと……」
風間さんは、穏やかに微笑んでいった。

……いいよ。
僕は本物だからね。
証拠を見せるなんて、おやすい御用さ。

 

『2、何だか凄そう。黙って注目しよう』



そして、風間さんはコップの上に手をかざした。
「うーーーーーーーん、ううーーーーーーん」
風間さんは、目をつぶるとコップに何か念を送っているみたい。
…………………………………
………………………………何も起きないんだけど。

私は、腕時計をちらと見た。
先ほどから、もう五分経過している。
私は、ガマンしきれず風間さんにささやいた。
「あのう、まだまだ待つんでしょうか?」
風間さんは、片目をぱちっと開けて私を見た。

「ダメだ、今日は調子が悪いみたいだ。
申し訳ない、みんなの期待を裏切ってしまった!
許してくれ……」
風間さんは、私に向かって頭を下げた。

その時、それを見ていた一人が、にっこり笑って十円玉を摘まむと紙を上げて、そうっとコップの中に入れた。
そして、おもむろに、
「じゅ、十円玉が、コップの中に!!」
と、いった。

風間さんは振り返った。
「……ほらね!
僕がいったとおりだろう?
僕の宇宙人の能力は、ざっとこんなもんさっ。
皆さんも、ご協力ありがとう!
どうもー!!」
みんな、笑いをこらえている。

これでどうにか、彼の機嫌をそこねることなく次の話に進められるわ。
私は、もうあの紙とコップと十円玉が出た時点で、
(あー、これはもうだめかも……)
と思ったのよね。

最初は、風間さんの話をなんとか記事にしなくちゃと思ったけど。
彼の話は、もういいわ……。
「えー、ということで風間さんが宇宙人であるということが証明されましたので、次の方の話をお願いいたします」



『1、ちょっと待って。これは私にもできる』



「あ、ちょっと待ってください!
それ、私にもできるんですけど……」

「え?」
風間さんが、意外そうに驚いている。
けれど、すぐにニコニコしながらいった。

「はっはっは……恵美ちゃん。
君は、おもしろい冗談をいうね。
これは、スンバラリア星人にしかできないことなんだよ」
風間さんは、高笑いをあげた。
「……あのう。
それって、もしかしたら、その紙に火をつけて、紙が燃えてしまって十円玉が中に落ちるっていうネタじゃあ……」

恐る恐るいうと、風間さんはおもむろに席を立った。
まじめに驚いているみたい。
「……知ってたのか!
……君、人が悪いなあ。
君も宇宙人だったんだね」

彼はそういい、突然人なつっこそうな笑みを浮かべると、私の肩をたたいた。
何なの、この人はいったい。

私は、なんて答えたらいいの?



『2、違います。私は地球人です』



「違いますよ。
私は地球人ですから。
これ、何かのクイズの本で読んだんですよ」

風間さんは、私の言葉を真剣に聞いていない。
「またまた、冗談いっちゃって。
同士よ!」

そういい、私の肩に手を回してきた。
そして、そっと耳打ちした。


え?
今のは何なの。
今、なんていったの、風間さん。
日本語じゃないわ。
かといって、外国語でもないような……変な言葉をしゃべったわ。

私が、不思議そうに風間さんのことを見ていると、風間さんは一人頷いてニコニコ笑った。

そして、窓際に立つと、空に向かって手をあげた。

「同士発見!
地球には、スンバラリア星人がすでに潜入していました」

その時、突然空で信号のようなものが光った。
あれは、空飛ぶ円盤!?
そんな、馬鹿な……。
私が驚いていると、風間さんはまた近づいてきて肩を抱いた。
そして、また耳打ちした。
……今度は、日本語で。

「一緒に地球を征服しよう。
準備は整った」
そして、右手の親指と人差し指をくっつけてOKマークを作り、私にウインクした。
……その時。
私は見逃さなかった。
風間さんの目が金色に光ったことを。

風間さんは、自分の席に戻ると、みんなを見回していった。

「さあ、次の話を聞こうか。
僕たちには時間があまりないんでね。
いろいろと、打ち合わせなきゃならないことができたんだ。
最後は誰が話してくれるのかな?」
そういって、私を見て促した。
私たちにはあまり時間がない?

私たちって、風間さんと私のこと?
打ち合わせるって、いったい何を打ち合わせるのよ。
……とりあえず、今はそんなことどうでもいいわ。
ここにいるのが六人ってことは、七人目が来ない限り次の話が最後ということよね。

残り一人の話を聞かなくちゃ……。



『1、そうです。私も宇宙人です』



「実は私も……」
これでは、全然話にならないと思った私は、思わず即興でこんな冗談をとばしていた。
本当は、私にも風間さんに通ずる部分があるのかもしれない。

「君が、スンバラリア星人の特殊能力を、どこで知ったかは追求しない。
だが……、どうやら君は別の惑星から来た者のようだな。
匂いが違うよ、匂いが……」
風間さんは、そういった。

そして、風間さんは私に耳打ちした。



さあ、どういう態度をとる?



『1、適当にかわす』(女用)
しかし、風間さん……、あそこまですることないだろうになぁ。
変なところで凝り性というか、ただ単にバカというか……。

私は、思わず適当に、

と、答えていた。
私は、なんてのりやすいのかしら。
考えてみたら、とってもばからしいことをしている。
しかし、風間さん……、あそこまですることはないのに。

変なところで凝り性というか、バカみたいというか……。

ふと見ると、風間さんは急に怒ったような顔をした。
「僕たちは、君たちと一緒にこの星を征服しようと提案したのに!
それを断るっていうのか!?」
な、何をいっているの、風間さん。
私は、適当に答えただけなのに。

「僕たち、スンバラリア星人は基本的には感情的にならないんだが、そっちがその気ならこっちにも考えがあるぞ!
ポヒポヒ星人め!」
わ、私がポヒポヒ星人?

あっけに取られている私を無視するように、風間さんは窓際に立った。
そして彼は、空に向かって手をあげた。
「報告!
地球において、我々のほかに地球征服を狙う異星人を発見!
彼らは、我々の好意を踏みにじりました。
直ちに、地球侵略の計画実行を!!」

その時、突然空に二つの光の玉が現れた。
あれは、空飛ぶ円盤!?
そんな、バカな……。
そして、その二つの光の玉はお互いに向かって光線を出しあうと、激しい光を発した。

「きゃっ!!」
私は、思わず目を伏せた。

な、なんなの、いったいなんだというの!!
そこには、何もない空が広がっているだけだった。

風間さんは、がっかりした様子で私に言った。
「スンバラリア星人と、ポヒポヒ星人の宇宙船は相打ちして消滅してしまった……。
覚えていろよ、ポヒポヒ星人!
今度は、ただではすまさんからな!」
……その時。
私は見逃さなかった。

風間さんの目が金色に光ったことを。
風間さんは、自分の席に戻ると、みんなを見回していった。

「すまないね、内輪の話でちょっとごたごたしてしまったものでね。
あ、恵美ちゃん!
後でちょっと顔をかしてくれないかな?
……さてと最後は誰が話すんだい?」
ちょっと待って!

顔をかせってどういうこと?
……取りあえず、今はそんなことはどうでもいいわ。
ここにいるのが六人ってことは、七人目が来ない限り次の話が最後ということね。
残り一人の話を聞かなきゃ……。



『2、ふざけないで下さいという』



「もう、風間さん!!ふざけるのもいい加減にして下さいよ!!
悪ふざけにも、ほどがありますよ。
私が、宇宙人のはずないでしょう」
私は、とうとう頭の血管が切れてしまった。

風間さんも、ちょっとびっくりしているみたい。
思わずノリで、私も宇宙人ですなんていった自分が恥ずかしい……。
彼は言った。

「恵美ちゃん、さっき僕に嘘をついたんだね。
後悔しても、遅いんだからね。
恵美ちゃん、これはなんだと思う?」

風間さんは、ポケットから小さな金属を取り出した。
…………なによ、普通の校章じゃない。
びっくりさせないでほしいわ。

「ふふふ、こういうこともあろうかと、世界各地に爆弾を仕掛けておいたのさ。
これは、そのスイッチさ。
普通の爆弾じゃない。
生物だけを、瞬時に消すことができる爆弾だ。
これで、いたって簡単に地球征服ができるというものだ」

風間さんは、ニヤニヤ笑っている。
冗談よね……?
もう、まじめに取材したいのに。
「ふふふ、信じないようだな。
僕は、嘘をつかれたことが許せないんだよ。
君たちのような人間に、情けをかけた僕がバカだったよ。
僕は幻滅したよ。
じゃ、もうさよならだ。
人間生活も、まあ悪くなかったよ。」
彼は、そういうと校章を掲げた。

ものすごい閃光が、私たちを包んだ。
彼は、本当に宇宙人だったのね。
私は、なんてバカなのかしら。
……今さら遅いわね……。
隠しシナリオスンバラリア星人現る



六人全員の話が終わった。
……どうやら、このまま待っていても七人目は来ないみたい。
それでも、私は何かを期待してしまう。
もしかしたら、七人目が来るんじゃないかという期待を……。

「ねえ。
もう待っていても仕方ないんじゃない?
時間も遅いし、帰ったほうがいいかも」
みんなが黙っているせいか、福沢さんが提案した。

「そうだな。 それがいいよ。
僕たちはこのあと大事な話があるからね」
風間さんだわ。
風間さんが、私の方を見てニッコリと意味深な笑いを浮かべている。
……まさか。
さっきの話を覚えているのかしら。

風間さんと私が宇宙人で、一緒に地球を征服しようという話を。
この人は、ちょっと頭が変みたいだから、あまり関わりあいたくないわ。
私は、できるだけ目を合わさないように視線をそらした。

「そ、そうですね。 もうお開きということにしましょう。
それでは、皆さん……」
立ち上がろうとした私の手を風間さんが強く握った。
ものすごい力。
動けない!
いつの間に私のとなりに来たのよ、この人は。

「さ、みんな帰っていいよ。
あとは僕たちに任して」
風間さんは、微笑みながらみんなを促した。
このままではみんな帰ってしまうわ。
嫌っ!
何か、とてつもなく恐ろしいことが起こりそうで、すごく嫌……!

どうするの、恵美!



『1、みんなを帰さない』



「みんな、帰らないで!
お願い! 私たちを二人にしないで!」
私は、叫んだ。
とにかく、風間さんと二人きりになりたくない。
何とかして、それだけはさけなくては。

「おい、倉田。
お前、風間と知り合いなんだったら、最初からそういえばいいじゃないか。
別に俺たちは邪魔したりしないぜ。 じゃあな」
新堂さんだわ。
新堂さん、何か勘違いしている。

いやらしそうな笑い方をして……。
違う!
違うのよ!
「新堂さん! 私は、初めて風間さんと会ったんですよ!
お願いです! 行かないでください!」
「遠慮すんなよ。
俺たち邪魔者は、さっさと退散させてもらうぜ。
さあみんな帰ろうぜ」
みんな、ニヤニヤ笑っている。

そして、みんな次々と部室を出ていった。
「あ……」
私の心臓を強烈な絶望感が襲う。

みんながいなくなると、風間さんの私を捕まえる手が、ふっとゆるんだ。
「……なかなか、うまい演技だったじゃないか。
僕たちの任務がばれてしまっては困るものな。
君は、見かけによらず頭がいい。
さあ、同志よ。
打合せを始めよう」
風間さんが、嬉しそうに笑った。
今なら、逃げられるかもしれない。
でも、逃げるのに失敗したら、何をされるかわからないわ。
風間さんの危なさは、ちょっと尋常じゃなさそうだし。

どうしよう?



『3、風間さんのことを殴り飛ばす』



「うわぁぁぁぁ!」
私は、込み上げてくるものを押さえることができずに、つい行動に移してしまった。

「おっと!」
風間さんは、素早いフットワークで私の攻撃をかわした。
よかった。
よけてくれなかったら、私は今頃風間さんを……。
自分で起こした行動とはいえ、今のはちょっと軽はずみだったわ。

みんなも、びっくりしてその場に立ちすくんでいる。

「大丈夫だよ。みんな……。
恵美ちゃんはちょっと立ちくらみがしたらしいよ。
さ、心配しないで大丈夫。彼女は僕が面倒見るから……」
風間さんは攻撃をかわした勢いで、ちょうど私を抱きかかえている格好になっている。
みんなは、納得したのか帰っていった。

私は、なすがままに彼に抱かれてしまっていた。
なぜか、動けなかった。

「さあ、みんなは行ってしまったよ。
早く打ち合わせをしよう!
同志よ!」
風間さんは私を抱き起こすと、私の手を強くつかんでいった。
風間さんが、本当に宇宙人であろうが頭が変な人であろうが、もうどうでもいいと思った。

ちょっと待って、よく考えたらどうでもいいってことはないわ。
風間さんが、どちらの場合でもとても危険だということじゃないの。
そうよ、彼のそばにいるだけで危険なのに、どうして私は殴りかかってしまったのかしら。

今、思い出しただけでもぞっとするわ。
これから、私がとるべき態度は……。



『2、あきらめて話し合う』



……いや、今逃げるのはまずいわ。
もう少し様子を見て、風間さんに隙ができてから逃げる方がいいわよね。
そのほうが、可能性も高いし安全なはず。

「……か、風間さん。 私の手を離してくれませんか。
ちょっと手が痛いですよ」
「……おっと、失礼」
風間さんの手が、私の手から放れた。
これで、少し安心だわ。
もう少し、様子を見て一気に逃げよう。

「まだ、日本語を話したいかい? この国の言葉は難しいからね」
……ついに、わけのわからないことを口走り始めたわ。
また、さっきの意味不明の言葉を発するつもりなのかしら。
どうしよう?
疑われるとまずいわ。

かといって、あんな言葉はなかなかしゃべれるもんじゃないし。

これじゃあ、下手な答えは言えないわね。



『1、日本語を喋りましょう』



「日本語がいいですよ。 ここは日本なんです。
違う言葉をしゃべったら怪しまれますよ」
私は適当にごまかした。
風間さんは、納得してくれたようだった。

「そうだね。 君のいう通りだ。
日本語は難しいけれど、僕たちの正体がばれたら問題だものな。
さっきは安易にしゃべったりして悪かった。
同志にあえてあまりに嬉しかったから、つい口から出てしまったんだよ。
気をつけよう。
これからは、日本語で話を進めるから」
……よかった。



『2、そろそろ母国語に切り替えましょう』



「そろそろ母国語に切り替えましょう。 さっき、この部屋の入り口も閉めましたしね。 久しぶりだからうまくしゃべれるかな」
私は一応そんなことをいってみた。

ここは、いちかばちかだし、もう思い切ってスンバラリア星人になりきったほうがいいのかもしれないわ。
そして、隙を見つけて逃げればいいや。
なにも、今すぐ危険に身をさらすことはないわ。

「いや、今はまだ母国語に切り替える必要はないよ。 今は、あくまでも地球人としての風間望だからね」
風間さんはいった。
よかった、いいこといってくれるじゃない、風間さん。



※以下同文※



まずは一安心ね。

「……そういえば、君。 まだ本名を聞いていなかったね。
せめて、本当の名前くらい教えてくれよ」
名前!?
本名!?
そんなことをいわれても、私の名前は倉田恵美ただ一つよ。
それ以外の名前は……。
困ったわ。

風間さんが、私のほうをじっと見ている。

何とかしなくちゃ。



『2、仕方ないので、とことん風間さんと話し合う』



「今日は、お忙しいなかお集まりくださいまして、大変ありがとうございました。
これで、大変おもしろい学校新聞ができそうです。
それで、ちょっといいにくいのですが……。
申し訳ありませんが、これから風間さんと大事な話がありますので、皆さんお帰りくださいませんでしょうか」
私は、なかばヤケにいっていた。

「じゃあ、先に帰るぜ。
二人っきりで遠慮なく話をしろよ。
それじゃあおつかれさん」
みんなは、さっさと帰り支度を始めている。

仕方ないわ、私が彼ととことん話をすると決めたんだから……。
いつまで、この決心が続くかわからないけど。

「おつかれさまー」
最後の一人が帰っていった。
さあ、これからが本番だわ。
ここまで、覚悟を決めたんだから本当に風間さんが宇宙人であるか、ただの頭の変な人なのか、私がはっきりさせてやろうじゃない!

風間さんの態度に腹を立てている私は、ふざけ半分であんな態度をとっていたのなら謝らせるつもりよ。
本当の宇宙人だったり、本当に頭の変な人だった場合を抜かしてね。
私は、頭の変な人だと信じているけど。
いや、絶対そうよ。

風間さんは、さっきからニコニコしている。
やっと私と二人きりになれたので、ますます顔がゆるんでいるのね。
「思ったより、君は大胆なんだなぁ。
もうちょっと、考えて行動してもらわないとね。
僕達の任務がばれてしまったら困るだろう?
まあ、すぎたことだ。
さあ、同志よ打ち合わせを始めよう」
風間さんは、嬉しそうにいった。

まさかとは思うけど、いきなり暴れたりしないかしら。
どのみち、話し合いでお互いが理解しあえないようだったら、私はこの場から逃げるつもりだけど。
私は、彼を刺激しないように話を進めることにした。

いきなり、風間さんが宇宙人かどうかという核心に触れたら怖いもの。

「ところで、地球侵略計画が正式に実行に移されるのはいつなんですか?」
私は、ちょっと突っ込んで聞いてみた。
「あれ、君は知らなかったのかい?
スンバラリア星のいたるところに、たれ幕が張ってあったじゃないか。
地球侵略まで、あと何日って……。もう忘れたのかい?」
風間さんは笑っていった。

えっ、そんな話になっていたなんて聞いてないわ。
ううん、風間さんは完全に別の世界にいっているのよね。
「ああ、もうだいぶ前のことだからすっかり忘れちゃってて。 ごめんなさい」
私は、いい具合に話を合わせる。

「まだ、日本語を話したいかい? この国の言葉は難しいからね」

……ついに、わけのわからないことを口走り始めたわ。
また、さっきの意味不明の言葉を発するつもりなのかしら。
どうしよう?
疑われるとまずいわ。

かといって、あんな言葉はなかなかしゃべれるもんじゃないし。

これじゃあ、下手な答えは言えないわね。



『3、黙ってニッコリ微笑む』



私は、取りあえず黙って風間さんに微笑みかけた。

「どうしたというんだい?
にっこりしちゃって」
風間さんも、にこにこ笑っている。
「聞いてください、実は……。
私は記憶喪失らしいんです。
地球に来る途中で、アクシデントがあったんです。
残念ですが、スンバラリア星での生活はあまり覚えていないんです。 スンバラリアの言語も断片的にしか覚えていないんです。 ううっ」
私は彼の前で大げさに悲しんでみせた。

「そ、そんな事実があったなんて知らなかったよ。 そうともしらずに、僕はなんてひどいことを君にいったんだ……。
許しておくれ」
風間さんは、私のことを心配してくれているみたい。
自分の心配をしたほうがいいと思う。

今、心配すべきものは風間さんの頭のことだと思うんだけどな。

「でも、大丈夫。 僕が、君の記憶を取り戻してあげるよ」
風間さんはそういって私を見た。
そして、私のほうへと歩み寄ってくる。
もう目の前には、風間さんの顔しか見えない。
いったい、なにをする気かしら。

彼の目を見ていると、だんだん気分がよくなっていく。
水の中に自分が浮いているような、そんな感覚。
風間さんは、私の額に手を当てていった。
「さあ、リラックスして。目を閉じてごらん」

私は夢の中にいるのか、現実の世界にいるのかわからないような、とてもいい気持ちになった。

彼のいうことをきく?



『1、目を閉じる』



そして、私はゆっくり目を閉じた。
するとどう、私のまぶたの裏にはスンバラリア星人として暮らしている自分の姿があったのよ。
これが、スンバラリア星人なの……。

そこに映っている異星人が、私だとわかったのはなぜなのかしら。
人間とは、まったく違った姿をしているのに。
なぜだかそう思えてならなかった。

……そこには、私がスンバラリア星に生まれて成長するまでの過程がすべて映されていた。
この映像は最近の私らしい。
私には妻がいて、三人の子供がいた。
あっ、今度は私の妻と子供が泣いている。

これは、私が地球に派遣される前日のできごとらしい。
そして、私は地球に到着する前に事故で記憶喪失になったのか……。
「さあ、目を開けてごらん」
風間さんの声が響いた。

「きゃっ! か、風間さん!?
化け物!!」
私は、思わず大きな声を出していた。
そこには、風間さんではないアンモナイトのような頭を乗せた怪物が立っていたのだ。
「何を驚いているんだい?
これは僕たちの本当の姿だろ?」

そいつはいった。
「嫌だねぇ、この人は。 この姿は生まれたときからでしょうが」
私はふと、窓ガラスに映った自分の姿を見た。
「…………………………うそでしょ!?」

そこには、アンモナイトのような頭をした怪物が二体映っていた。
そして、私は自分の顔を手探りで触ってみた。
頭はつるりとでかく、口元には触手のようなヒゲがわしゃわしゃと生えている。
これが私の顔……。

私は、いったいどうなってしまったというの!?
「さあ、記憶も戻ったことだしさ。 君は、いったんスンバラリア星に帰ったほうがいいよ。 奥さんが心配しているからね。 後のことは僕にまかせてくれ」
……スンバラリア星人は、私に優しくいってくれた。

その時、キーンという耳鳴りが私を襲った。

「…………………………思い出したわ。 私は、スンバラリア星人だったのよ。 あの時、記憶を無くして困っていた私は、地球人の体を乗っ取ったんだっけ。 そして、いつのまにかその人間の思考と記憶が同化してしまっていたんだわ。
やっと思い出せたんだわ!!
同志よ!!」

私は、目の前にいるスンバラリア星人と固く抱き合った。
喜びの涙を流しながら。
「とりあえず、地球にある秘密基地まで送っていくよ。 落ちついたら、早くスンバラリア星に戻るといい。 今日は語り明かそう。 同志よ!」

スンバラリア星人は、ワッペンのような物を取り出すと、片手をあげた。

一瞬、空が光った。
外はもう暗かったので、昼間のように辺りが明るくなる。
その明かりはすぐに消えて、またもとの暗闇が戻ってきた。 
そして、もうそこには二人のスンバラリア星人の姿はなかった。



『2、目は閉じない』



まぶたが重い。
目を閉じてしまいそう。
彼のいうことを聞きそうになった私は、思わず頭を振った。
ここで、彼のいう通りにしたらなにをされるかわかったもんじゃない。
でも、とてもいい気分。

まぶたが閉じてしまいそうになのをこらえて、かろうじて半分だけ目を開けた。

「うっ!」
するとどう、ぼんやりした視界の中に変わり果てた風間さんが見えた。
頭には、アンモナイトのようなものを乗せて手や口からは触手をニュルリと出していた。
驚いた私は、なんとかして逃げようとしたが体が動かない。

そうこうしているうちに、そいつの触手がだんだん私の体に延びてきたのよ。
ぬめぬめした触手が、私の肌をはい回っている。
私の、鼻や口や耳に入り込もうとうごめいている。
それとは裏腹に、体のほうはますます気持ちよくなってくる。

私は、その気持ちよさにもうどうなってもいいと思い始めていた。

このままでいいの!! 恵美!!



『2、もう好きにして』



私は、されるがまま彼に身をゆだねた。
スンバラリア星人の触手が、私の服の隙間をぬってどんどん進入してくる。
体中の穴たる穴に、触手の毛細部分が入り込んでいるのが自分でもわかる。
もう、体の自由はきかない。

「ダメだよ、僕たちスンバラリア星人をだまそうたってそうはいかないさ。君が嘘をついていることなんて、この触手にはお見通しなんだよ」
そいつは、そういうといっそう触手を広げて私を包み込んだ。

……もうどうでもいい。
薄いグリーンの膜に包まれながら、この気持ちよさに酔いしれていたい。
こんなに気持ちがいいまま死ねるのなら、それでもいいと思った。
後悔?
それは、後悔はたくさんあるわ。

でも、もうこの地球もスンバラリア星人に侵略されてしまうんだから、生きていたって仕方ないよね。
私はなんともいえない気持ちよさに体を包まれながら、意識が遠くなっていくのを感じていた。



『1、このままではダメ!』



このままではダメ!!
そう思った私は体に力を込めた。

「えぇぇぇーーーーい!!」

するとどう、私の体からオーラのように眩しい光が発せられたのよ。
「ぎゃっ!!」
そいつは、短い叫びを上げると触手を私の体から引き離した。
我に返ると、さっきの光は体から消えていた。

スンバラリア星人は、私を見て怯えているみたい。
小刻みに体を震わせているのがわかる。
「お、お前は……。 ひょ、ひょっとして伝説の!?」
彼は切れ切れの声でいった。
「私は、いったい何者なの。
さっきの光はなに……。
なにか、体に熱いものが駆け回っているみたい。 何かが思い出せそうで思い出せない……」
私は呟いた。
彼はいった。

「じ、自分の正体を知らないのか? さっきのあの光は伝説のハンター、ボッヘリト星人のオーラと同じ物だったぞ」
ボ、ボッヘリト星人?
「う……、頭が!!」
キーンという音と共に、私は気が遠くなっていくのを感じた。

「私ノ声ガ聞コエマスカ?
倉田。
サッキハ驚カセテシマッテゴメンナサイ。
私ハ、スンバラリア星人ガイッタトオリ、ボッヘリト星人ナノデス。
私タチノ種族ハ全員ガ、犯罪者ヲ、ハントスルコトデ成リ立ッテイルノデス。

私タチハ、イロンナ惑星ニ潜リ込ミ、宇宙犯罪者ヲ探シテ始末スルノガ役目ナノデス。
今回ハ、君ノ体ヲ借リマシタ。
無断デ君ノ体ヲ借リタコトヲスマナク思ッテイマス。

オネガイデス、君ノチカラヲ貸シテクダサイ!!」



『1、力を貸す』



何がなんだかわからないけど、とりあえずあの風間さんのなれの果てに、好きなようにはさせられないわ。
「わかりました。 私は何をすれば!?」
私はあせっていった。
「私ヲ助ケテ、スンバラリア星人ヲ倒シタイト祈ッテクレマセンカ。ソレダケデイイ。

サア、イクヨ!!」
私は心の中で一生懸命祈った。

その時、体の奥で熱い何かがはじけたような気がして、ふと我に返った。

「こうなったら、地球侵略を速攻で実行しなければ」
スンバラリア星人がいう。
「そうはさせん!!」
私は、思ってもいないことを口走ってしまった。
どうやら、ボッヘリト星人の意識も、私の思考に混じっているみたい。

また、さっきと同じように私の体が光り始める。
さっきよりも、激しく光を発しているみたい。
そして、辺りをまばゆい光が包む。
私はまぶしさの中でも目を閉じることはない。

スンバラリア星人が光の中に消えていくのを私はじっと見ていた。

光がおさまると、スンバラリア星人は跡形もなく消えていた。
私はあまりの展開に、ぼう然とするしかない。
結局、風間さんは本当にスンバラリア星人だったのね。
ただの頭の変な人かと思っていたのになぁ。

その時、私の頭の中に、さっきの声が聞こえてきた。
ボッヘリト星人っていってたっけ……。
「アリガトウ。
君ノオ蔭デ、異星人ノ侵略ヲ防グコトガデキタヨウデス。
大変申シワケナイガ、君ノ体ヲマタ貸シテ欲シインダ。
ヨロシク。

私ノコトヲ、コントロールデキルヨウニ精神修行シナサイ。
ソウスレバ、イツデモ私ヲ呼ビ出セマスヨ。
ソウデモシナイト、私モツマラナイノデネ」

なんですって?
ちょっと待って、私はいいよっていってないじゃない!!
ちょっと!!
……なにも答えてくれない。
もう、勝手に決めて!!
ボッヘリト星人って強引だなぁ。

……まあ、いいか。
でも、ちょっとカッコいいよね。
ハンターってさ……。



『2、貸すもんか』



「ちょっと、待ってよ。私にはどっちが悪者なのか、判断するものがないのよ。急に出てきて、俺に力を貸せなんて都合がよすぎるわよ。それに、私の体を勝手にかりていたっていうのもひどいじゃないの。そんなやつの力になんてなれないわね」

私はちょっとムッとしていった。
「ワカリマシタ。セッカク助ケテアゲヨウト思ッタノニ、ソンナイイカタハナイデスヨ。私ハ、トテモ傷ツケラレマシタ。モウ、勝手ニシテクダサイ。倉田ノ言ウ通リ、私ハココカラ出テイキマス」

ボッヘリト星人はそういった。

すると、今まで私の体を駆けめぐっていた熱いものが、ふっと消えていくのがわかった。

「倉田君、君も馬鹿だねえ。
せっかく伝説のハンター・ボッヘリト星人の力をかりることができたのにね。
もう、この地球は君のひとことで、見捨てられてしまったんだよ。
遠慮なく私たちが、地球を侵略させていただきますよ。
ふふふ……」

そ、そんな私だって、あんな態度をとったのは、ことが急に展開しすぎてついていけなかったからよ。
問題を一個一個解決しようとすると、また何か別の問題が起こるんだからどうしようもない。

そして、スンバラリア星人はワッペンのような物を取り出すと片手をあげた。

一瞬、空が光った。
外はもう暗かったので、昼間のように辺りが明るくなる。
その明かりはすぐに消えて、またもとの暗闇が戻ってきた。

スンバラリア星人はもうそこにはいなかった。
……よかった、あれは全部幻だったんだ。
そして、ふと廊下を見る。

私は言葉を失った。
そこには、廊下を埋め尽くすほどのスンバラリア星人がこちらに向かって歩いていたのよ。
「夢じゃなかったのね……、全部……」
私は、ただ立ちつくすことしかできなかった。



『1、逃げる』



私は、部室の出口にダッシュした。
「あ、恵美ちゃん!!」
風間さんの声が聞こえるけど、気にしてはいけない。
とにかく、ここで風間さんと一緒にいないほうがいいに決まっている。

これで、廊下に出ればこっちのものよ。
「きゃっ!」

出口のドアが急に閉まった。
私の鼻先すれすれだった。
もう少し閉まるのが遅かったら、私は脳天をドアで直撃していたかもしれない。

「恵美ちゃん、大丈夫だよ。
ドアを閉めようとしてくれたんだね。ありがとう。
でも大丈夫。 私が閉めたから、だれにも話は聞かれないよ」
風間さんはにこやかにいう。
彼は特殊能力も持っているのかしら。

そういうつもりじゃないのに、風間さんはどんどん自分のいいほうに解釈していく。
このままでは、どんどん追い詰められてしまう。

「この身体もきゅうくつだしね。
あぁ、早く元の姿に戻りたいなあ。ね、恵美ちゃんもそう思わない?」
風間さんは遠くを見つめていう。
え?
元の姿ってなに?

これで、ますます風間さんが壊れていることを確信した。
ここは、無理に逆らったりしないほうがいいかもしれない。
もう少し、様子を見てからのほうがいいわ。
無理に行動を起こしたら、風間さんになにをされるかわかったものじゃないし。

「……そういえば、君。まだ本名を聞いていなかったね。
せめて、本当の名前くらい教えてくれよ」
名前!?
本名!?
そんなことをいわれても、私の名前は倉田恵美ただ一つよ。
それ以外の名前は……。
困ったわ。

風間さんが、私のほうをじっと見ている。

何とかしなくちゃ。



『4、とりあえず踊ってみる』



とりあえず踊って、お茶をにごすしかないかもしれない。
えーと、今流行の踊りなんて踊れないし。
おばあちゃんが、家で練習しているのしか見たことがないけど……。
私は民謡の踊りしか知らない。
ええい、どうにでもなれ!

「はーよいよい、あ、それそれ」

我を忘れて踊る。
初めて踊るのに、自分でも美しい形だと思う。
私は民謡舞踏の才能があるのかもしれない。

だけど……。
風間さんは、あいかわらず渋い顔で私の踊りを見ている。
眉間にしわを寄せて、身じろぎもしない。
そして、私の踊りを食い入るように見つめている。
困った、なにか反応してくれないといつまでも踊りがやめられない。

その時、一瞬風間さんの目が光ったように思えた。
気のせい?

「風間さん、私の踊りを見て何か感じないんですか?」
私はしびれを切らして聞いてみた。
風間さんから思いがけない返答が返ってきた。
「いいや、僕は感動しているんだよ。本当に……。こんな、感動的な踊りがあったなんて。
僕は、今まで地球でなにを見ていたんだ。 美しい、非常に美しいよ! 倉田君!」
よかった、うまい具合に話がそれてくれたわ。
「あ、あれ……。体がいうことをきかないわ!?」

風間さんは、にやりと笑った。
「実は、君の踊りがあんまりにも感動的だったんでね。
ちょっと細工をさせてもらったんだよ」
細工って……、風間さんは私の体に何をしたの!?
「君は、本当は地球人だったんだろう?
君が踊りを踊ったときから気づいていたんだ。スンバラリア星人は、踊りが踊れないんだよ。心配しないでいいからね。別に、君を責めたりしないよ。そのかわりスンバラリア星の博物館に寄贈するよ。
君のことをね」
「か、風間さん!! 体が、勝手に踊る! 止まらない!」

そして、風間さんはワッペンのような物を取り出すと片手をあげた。

一瞬、ワッペンが光った。

「うわっ!! ちょっと!!」
私は、いつのまにかガラス張りのポットの中に入っていた。
相変わらず、私は踊り続けている。

風間さんは笑っていった。
「僕は、そろそろ次のスンバラリアの同胞との交代期間に入るんだ。よかったよ、いいみやげ物ができて」

そんな、私はスンバラリア星の博物館で一生を終えるの?
止まらない踊りを踊りながら、涙目でふと窓を見た。

空には、たくさんの星がまたたいて見えた。
あの星の中に、スンバラリア星があるのね……。



『3、ほかのネタにふる』



ほかのネタにふらないと……。
「風間さんって、カッコいいですよね。一度にたくさんの女の子と、付き合ったりしているんじゃないんですか? いいなぁ。この色男!! 妬けるわねぇ。スンバラリア星でも、何人もの女の子を泣かしたんでしょ」

とっさに思いつきでいってみた。
風間さんの表情が硬い。
渋い顔をしている。
どうしよう、この作戦は失敗したみたい。
ええい、ままよ。



『2、風間さんの名前を聞いてみる』



「……あのう、風間さんの本名は何ていうんでしょうか?」
とりあえず、切り返すことにした。

「あ、僕?
そうだね。聞く前に、自分の名前を名乗るのが礼儀というもんだよな。
僕の名前はて、いうんだよ。
さ、君の名前は?」

……聞き取れなかった。
今の、本当に人の名前なのかしら。

風間さんは危ない人かもしれないけれど、謝ればわかってくれるかもしれない。
自分のこと宇宙人だと思っているだけで、本当はただの頭の変な人よね。
さっき、目が金色に見えたような気がしたのは、単なる私の見間違いに決まっている。

この世に、宇宙人なんかいるわけない。

……でも、本当にそうなのかしら。
だんだん、自分に自信がもてなくなってきた。

私は、本当に宇宙人がいないなんて思っているの?



『1、宇宙人はいる』



……やっぱり、宇宙人は、いるかもしれない。
風間さんのことを見ていると、何だかそう思えてきてしまう。
やだ……。
長く一緒にいると、私まで変になってきそうだわ。

「さ、名前、名前」
風間さんが、私の顔を覗き込む。
そうだった。
名前をいわなきゃいけないのよね。

どうしよう。



『1、適当にいってみる』



うまく行けば、うまく行くかもしれない。
「私の本当の名前はね、なのよ。
わかった?」

私は、できるだけ自然に話した。

風間さんは、えらく驚いているみたい。
開けた口をぱくぱくさせている。
「ま、まさか。 あいつがここにいるなんて……。あの、宇宙史上最強の殺し屋といわれた彼女が……」
なんか、うまい具合に話が進んでいるみたい。

ふーん、私は宇宙最強の殺し屋なのね。
でたらめでもいいから、いってみるものよね。

「そうよ、私は金次第で雇われる殺し屋よ。
金をもらう限りは、依頼されたターゲットを必ず殺す!!」
私はそういって、人差し指を風間さんに向けた。
「ヒッ、ヒィー!!」
風間さんは、部室の隅で震えている。

ちょっと、やりすぎかもしれない。
でも、そんなにその殺し屋というのは有名なのかしら。
ちょっと、気になる。

私は、震えてしゃがんでいる彼を見下ろしていった。

「スンバラリア星人さん、悪いことはいわないわ。早く地球から出てゆきなさい。
あなたに恨みはないけど、依頼主の命令でこの地球にいる異星人を始末するようにいわれたのよ。
依頼主?
この地球の人達よ。
あなたたちの地球侵略は、しっかりばれているみたいよ。
間抜けね。
なにもいわずに地球から出ていくのなら手出しはしないわ」

風間さんは震えながら、胸の校章をもぎ取った。
「う、うそだ、きさまそんなことをいっても僕を殺すんだろう。僕は、ただでは死なんぞ。 きさまに殺されるくらいなら、……こうだっ!!」
そして、風間さんは自分の奥歯で校章を思いっきりかみ砕いた。

一瞬、ものすごい閃光が走る。
私は目を開けることが出来なかった。
体を床に伏せ、顔を手でおおった。

やっと光も収まり、私は薄目を開けてみた。
見ると、そこには風間さんの姿はなかった。
いったいなにが起こったのか、私には理解できない。
……あの閃光はなんだというの。

さっきまで一緒だった、風間さんがいないということは……。
……まさか、自爆したのでは!?

要するに、あれは夢だったかもしれないし、私がスンバラリア星人だった風間さんを倒したのかもしれないということなの?
私は起きあがると、辺りをもう一度良く見渡した。
そして、私は足元を見た。

「!?」
そこには、私が倒れていた。
今、ここに立っている私は……、もうこの世のものではないの?
私は、今の自分と倒れている自分を見て、初めて思った。
風間さんは……、いや、スンバラリア星人は、私を道連れにしたんだと。

宇宙最強の殺し屋の私を……。



『2、とりあえず踊ってみよう』



とりあえずここは踊ってみようか。
新しい展開が開けるかもしれない。
このままぐずぐずしているのなら、なにか行動を起こしたほうがいいかもしれない。
私が踊れる踊りって……。

そうだわ、母親が最近習い始めて家でよく練習している踊りがあったっけ!
そう、フラメンコよ。
私は部室に飾ってある、造花のバラの花を口にくわえた。
そして、テーブルクロスを腰に巻きつける。
私にうまく踊れるだろうか。

「オーレッ!!」
私は、かけ声と共にステップを踏んだ。
カスタネットがないので手拍子だ。
思ったより軽やかなステップだ。
結構、踊れるもんなのね。

ひょっとして私は、フラメンコダンサーになれるかもしれない。
自分の未知の部分に触れた私は、ちょっと嬉しくなった。

私は、風間さんを横目で見る。
風間さんが、渋い顔で私を見ている。
……大丈夫かしら。
私のフラメンコが気に入らなかったのかしら。
けど、なかなかこれはクセになる踊りかもしれないわね。

さっきから、もう五分ほどこうやって踊ってるがあまり疲れを感じない。
風間さんは、急に手を大きく叩いた。

「うむ、素晴らしい!!
君が、こんな素晴らしい踊りが踊れるなんてしらなかった。
その踊り、スンバラリア星の者じゃないね。
もしかして、地球人か?
でもいいよ、こんなに、すごいダンサーが地球にいたなんて。
僕は目からうろこが落ちる思いだよ」
そういうと、風間さんはワッペンのような物を取り出し、片手をあげた。

一瞬、ワッペンが光った。

「うわっ!! ちょっと!!」
私は、いつのまにかガラス張りのポットの中に入っていた。
特殊な材料でできているのかしら……。
私が叩いても蹴っても割れない。

風間さんは笑っていった。
「スンバラリア星には、宇宙でも有名な舞踏家の集団がいるんだ。
総称して、スンバラリアダンサーズっていうんだけどね。
スンバラリア星を基点として、いろんな星で巡業するんだ。
君もその一員として活動してほしい。

そこには、いろんな星の人たちがいるんだ。
地球人はまだいないんだよ。
どうせこの星は、スンバラリア星人に侵略されるんだ。
ダンサーになって活躍したほうが、君のためだと思う」
ちょっと待って。
私がいつそんなことをOKしたというの。

勝手に決めないでー!!

風間さんはワッペンに向かっていった。
「こちら地球の派遣部隊。
これから地球の有能なダンサーをスンバラリア星へ転送する。
スンバラリアダンサーズへの手続きを頼んだぞ。
グレイトなダンサーだ、びっくりするなよ」

もう、絶望的だわ。
私が助かる手段はない。
ここは開き直って、スンバラリア星でダンサーとして活躍するのもいいかもしれない。

そして、風間さんは微笑みながら右手をあげた。
「転送!!」

白い光に包まれた私は、スンバラリアへと旅立つ……。
そうだわ、これから私はビックなダンサーになって宇宙の人気者になるのよ。



『3、話をごまかす』



ここは、とりあえず話をごまかさないと。
さあ、どうやってごまかしたらいいのかしら。
「うーん、ううーーーーん」
私は思わず声が出てしまった。

「どうしたんだい? 倉田君。大丈夫かい」
風間さんは、心配そうに私をのぞきこんだ。
そうだわ、仮病を使えばいいのよ。
「ちょっとお腹が痛いんです。
私はもうこれで帰って寝ますから。
心配しないでください」

私は側にある鞄をつかんだ。

「ダメだよ。今動いたら……。じっとしていてよ」
彼はそういうと、私の腕をぐっとつかんだ。
そして彼は私のお腹に手を当て、まさぐり始めた。
私は叫んだ。
「風間さん、やめてください。
くすぐったいですよ!!」

なんと、風間さんは私のお腹の中に手を突っ込んでいた。
腹の中を、ぐちゃぐちゃとかき回している。
不思議と痛みは感じない。
でも、あまり気持ちいいものではない。
「か、風間さん。 心霊治療じゃないんですから。
あまり、気持ち悪いことはしないでください。お願いしますよ」

私は、半泣きで彼に訴えた。
痛くない腹を探られるっていうのは、こういうことかもしれない。
やっぱりこんな事ができるなんて、風間さんは宇宙人だったのね。

「さ、大丈夫だよ。後でちょっと治療の後遺症が出るかもしれないけどね。それで、お腹を探っていてわかったんだけど、君は地球人だったんだね。
ごめん、ごめん。僕は、早とちりが多くてね。いつも失敗するんだ。君を勝手にスンバラリア星人だって決めつけてごめんよ」

妙に彼は優しい。

「僕たちが地球侵略を考えたのは、君たち地球人がいい食料になると思ったからなんだよ。しかし、君の腹を探っていてわかったんだ。僕たちスンバラリア星人が、君たち地球人を食べると中毒を起こすことがね。僕の右手人差し指に埋め込まれたチェッカーが中毒反応を示したよ」

風間さんは私にいった。

え、食料だって?
彼らは、私たちを食料として考えていたなんて……。
支配するならともかく、食料とは……。
でも、なにかしらないけど私たち地球人は助かったのね!!
「君たちは本当に運がよかったよ。
僕はまた、食料となる生物を探して旅立たなくてはならない」
風間さん……、いや、スンバラリア星人は、ワッペンのような物を取り出すと片手をあげた。

一瞬、空が光った。
そのまぶしさに目を閉じた。
外はもう暗かったので、昼間のように辺りが明るくなる。

その明かりはすぐに消えて、またもとの暗闇が戻ってきた。
私は、そっとまぶたを開いた。

そして、もうそこにはスンバラリア星人の姿はなかった。
そして、私は体の変化に気がついた。

口から、触手のようなものがにょろりと出ていた。
その触手は私の唇をなめるようにうごめいている。
これが、さっきスンバラリア星人がいっていた治療の後遺症ってやつかもしれない。
まあ、いいか。
なんにせよ、地球の危機は救われたんだから。



『4、謝ろう』



「ごめんなさい!」
私は、素直に頭を下げた。
これ以上風間さんに話をあわすのはつらい。
……つらすぎるわ。
謝って許してもらおう。
そうすれば、風間さんも私を自由にしてくれるはず。
……長い沈黙だった。

私は頭を下げたきり、固まってしまった。
風間さん、ひょっとすると、怒っているのかもしれない。

「……何を謝っているんだ?
別に名前をいえない理由なんか……はっ!? もしや、君は特命を受けてやってきたじゃないのか!?」

風間さんは、突然私の肩に手を置くと大まじめな顔を近づけてきた。
……風間さん、また何かややこしい方向へ話しを持っていってしまった。

……どうしよう。